2004.12.28.
文部科学省アンケート:大学の代表的研究開発活動について
研究室 > 広島大学 > 文部科学省 > 国民、への成果提示
共同推進組織の名称:NEDO新エネルギー・産業技術総合開発機構の「ナノ粒子の合成と機能化技術プロジェクト」(奥山喜久夫:プロジェクトリーダー)
組織内外の支持プロジェクト・資金等の名称:経済産業省「ナノテクノロジープログラム」(平成12-17年度)
その他の特記すべき事項:
2001年から2004年の間に研究室からの研究成果は、
100編以上の(審査)論文、26編の解説、17冊の著書(分担執筆、編集)等に発表されており、Science誌、日本経済新聞、日経産業新聞、日経トレンディ誌等にも取り上げられた。
また一部の研究成果は国内企業(数社)にて事業化された。多数の国内外の会議や学会において基調講演(6件)および招待講演を行った。
物質をナノレベルで制御することにより、物質の機能・特性を飛躍的に向上させ、また、大幅な省エネルギー化、大幅な環境負荷低減を実現し得るなど、広範な産業技術分野に革新的発展をもたらし得るナノテクノロジーは、国の産業技術戦略(2000年)における将来のフロンティアを切り拓く技術の研究開発に位置づけられる技術領域として経済産業省によりプログラム化(ナノテクノロジープログラム)された。「ナノ粒子の合成と機能化技術プロジェクト」は、そのプログラムの一環として、実施するものである。広島大学奥山研究室はそのプロジェクトの中心となっている。
プロジェクトでは、平成17 年度までに、数nmから10nmで均一粒子径を有し、かつ安定な粒子を合成する基盤技術、秩序構造を有する安定な機能素子(電子・情報素子および光機能素子)および構造体材料の創製技術および機能素子の作成・評価技術を確立する。なお、2003年度終了時点までの研究成果として、研究開発 目標の一部の特性あるいは機能を有する物質あるいは材料について、数点を試用に供し得る段階まで作製し、外部機関に対して試料を提供することができた。
(開発の必要性)ナノ粒子の利用により期待される比表面積の増大効果や活性化率の増大効果等を発現するには、用いるナノ粒子の性状として、所定の化学組成を持つこと、高純度であること、粒子径が1nm から10nm までのサイズであること、並びに、粒子径が揃っていること等が必要となる。しかし、従来の微粒子合 成技術では粒子径はミクロンオーダーと大きく、このようなナノ粒子の新機能を発現させることは困難である。
この状況を打開するためには、液相合成法や気相合成法等の微粒子合成法の既存の知見をベースとしつつ、ナノ粒子生成の動力学に関する理論解析と高度な計測技術の裏付けのもとに、シングルナノ粒子の高速合成を可能とするプロセス技術を確立し、ナノ粒子合成に係わる反応機構を体系的にまとめることが必要であ る。なお、ナノ粒子の応用範囲は幅広いが、本プロジェクトでは、先行して実施した先導研究の検討の結果、電子・情報分野及び材料分野で、シングルナノ粒子の特性を生かした新規機能の需要が見込まれる、電子・情報機能素子(高密度磁気記録素子等)、光機能素子(発光・蛍光素子等)及び構造体材料(難燃・耐熱 性樹脂等)をモデル材料として重点化した研究開発を実施するものとする。
達成目標: シングルナノ粒子で粒径分布がシャープかつ安定な粒子の合成を工業生産規模にスケールアップ可能な技術として確立する。そのため、合成技術に係わる基盤技
術を体系化するとともに、上記の各モデル材料について以下の具体的目標を達成する。
・粒子径: 1〜10nm
・粒子径分布: 変動係数 10%以下
・粒子形状の分布: アスペクト比の変動係数10%以下
・生産量: 一反応器あたり100g/h 以上
一例として、(2)発光素子に関して
・可視光域(400nm−700nm)で任意の発光波長への制御と半値幅50nm を、同一材料で粒子サイズを制御することによって達成する。