自己組織化ナノポーラス粒子の製造:ナノサイズの穴を持つ微粒子
ナノポーラス構造(ナノメートルnm=1/1,000,000 mm)を持つ材料を作るには、従来いくつかのステップが必要でした。
それは、特殊なテンプレート(型)を高分子/ポリマーなどから作成し、材料を先ほどのテンプレートに固着させ、
これらを高温操作したり強酸につけたりしてテンプレートを除去して、目的の材料ができます。
私達の研究室では、約50ナノメーターサイズの六角形のポーラス(穴)を持った、ナノポーラス粒子を合成する新しいシンプルな方法を開発しました。
ポーラス構造を形成させる粒子(シリカナノ粒子)と高分子ナノ粒子を水に混ぜます。
その混合液を超音波ネブライザー(耳鼻科で鼻にあてる装置と同じ構造です)で超音波エネルギーを与え、霧(微少な液滴)を発生させます。
この液滴一つ一つの中に、一定のシリカナノ粒子と高分子ナノ粒子が含まれていることがこの方法のポイントです。
この液滴を加熱炉まで導き、まず液滴中の水を蒸発させ、さらに高温にして高分子ナノ粒子を蒸発させます。
これらの過程が数秒間の間にできます。
混合液の濃度を変化させることによって、粒子サイズや空洞率を変化させることができますが、空洞率が上がりすぎるとできあがった粒子の構造が崩れやすくなります。
以上のようなシンプルな合成技術の確立によって、ナノポーラス粒子が触媒、顔料、エレクトロニクス材料、製薬材料など多方面で応用されることが期待されています。
ところで、どうしてナノポーラス粒子の穴はすべて六角形なのでしょうか。
お手持ちの10円玉を7枚ご用意ください。1枚を中心に置いて、残りをその1枚に接するように置きます。すると、6枚までしか置けません。
このように、自然界にも多く存在する六角形という形は、自然発生的にパターンが現れた(自己組織化)ものです。
なお、今回使用した写真は科学雑誌(Science誌)でも紹介されたものです。(文:WL)