大学院入学希望者へ

 

Last modified 2019/08/27

 

 


これまで,以下の考え方のもとに大学院生の受け入れを行ってきましたが,僕自身の問題や様々な事情からしばらくの間大学院生を責任をもって指導することは難しいという判断に至りました。そのため,受け入れ態勢が整うまでしばらくの間僕の研究室では大学院生の受け入れを行わないことにいたします。大変申し訳ありませんが,ご理解いただけますようお願い申し上げます。(なお,これはあくまでも僕の研究室の方針ですので,大学全体の方針とは異なります。ご了解ください。)


 広島大学は研究大学であり、次世代の研究者を育成する責任と義務を負っています。僕もこのような視点に立ち、大学院生を積極的に募集し、次世代の認知言語学者を育てたいと思っています。知的生活に興味のある方、認知言語学に興味のある方、以下の「当研究室が求める学生像」を読んで、覚悟を決めたら、連絡をください。
akimachida(AT)hiroshima-u.ac.jp

 

【当研究室が求める学生像】

 ご存知の通り、日本の大学界は少子化に伴い、今後縮小してゆく傾向にあります。そんな中で、これから新たに大学の教員になることは非常に難しいことだと思います。しかし、だからといって、今後大学がなくなるわけではありませんし、新しい教員、若い教員の需要はこれからも常にあるはずです。そんな状況の中で、大学教員になれるかどうかのポイントは、ひとえに、厳しい就職競争に勝ち抜けるかどうかにかかっています。その就職競争に打ち勝って知的生活の喜びを享受できる真の研究教育のプロフェッショナルになるためには、最低限、以下の6項目の要件を兼ね備える必要があると僕は考えています。

 

・謙虚さ

 これからの研究者は常に自らバージョンアップを繰り返していく必要があります。そのためには、人の意見や研究に素直に耳を傾ける謙虚さが必要となります。その姿勢がないと進歩も独創性も生まれません。研究の独創性が求められる今日ですが、謙虚さのない独創性は、根拠を欠いた独断やただの自己正当化に成り下がり、やがては他の研究者から相手にされなくなります。

・根性

 プロフェッショナルとしてやっていくためには、どんなに打ちのめされても立ち直る不屈の精神が必要です。常に自分の真の姿と向き合っていかなければならないからです。自分の真の姿と向き合うとは、自分の無能さや怠惰さ、浅薄さと常に向き合い続けることです。これら自分の欠点から目をそらさずに、それらを常に意識し、そして、それらを克服する努力をし続ける心の強さ、つまり根性が求められます。

・社交性

 これからの研究者は、研究者であると同時に教育者であることを強く意識しなければなりません。つまり、教育のプロフェッショナルです。教壇に立って下を向いてもぞもぞしているわけにはいきません。ある意味、エンターテイナーとして学生たちを仕切っていく力が必要なのです。

・緻密さ

 何事においてもプロフェッショナルになるためには、自分をごまかさないで完璧さを求める粘り強さが不可欠です。例えば英語の論文を読むときでも「なんとなく」読むのではなく、文法に基づいて「きっちりと」読む、または、論文の論理展開を「緻密に」追っていこうとする姿勢が必要なのです。自らの論文を仕上げる際にはその逆のプロセスが必要となります。

・熱意

 研究者になるには最短でも5年の修業期間が必要となります。その間、学部時代の友達が社会人として活躍しているのを遠くから眺めていることになります。人生のコマを着実に進めていく友人たちを横目に、就職できるかどうかも分からない状況で研究を続けていると心が折れそうになります。それでも、途中で逃げ出さずに研究を続けるには相当の熱意が必要となります。

・覚悟

 以上の要件を見て自分には到底無理だと思った人は、残念ながら、大学院進学は諦めて他の道を探ったほうがよいかもしれません。今の日本社会には、「研究者くずれ」を受け入れるだけの余裕がないので、あなたのその後の人生が本当に苦しいものになってしまう可能性が高いからです。ただ、実は、上で述べてきたことを全て兼ね備えている人間なんて本当はいないのかもしれません。僕だって、自分がこれら全てを兼ね備えている人間だとは口が裂けても言えませんし。要は、覚悟の問題なのです。上記の用件を全て満たす人間に自分はこれから変身するんだという覚悟ができているかどうかです。その覚悟ができたら連絡ください。