ブルックナーとマーラーの室内楽

 1  


 ヴェルディやドニゼッティのカルテットもいいけれども,シンフォニストの室内楽もいい.実は,ベートーヴェンのオリジナルの弦楽五重奏曲ハ長調作品29,ハ短調作品104(ピアノ三重奏曲ハ短調作品1-3からの編曲),変ホ長調作品4(管楽八重奏曲変ホ長調作品103からの編曲)やチャイコフスキーの弦楽六重奏曲ニ短調作品70「フィレンツェの思い出」も.若い頃は,室内楽は自分で弾くもので,聴くものではないと思っていたけれども(今でも間違ってはいないと思う),年をとって,自分では弾けないものが多いことを思い知らされたので,弾くのはあきらめて,聴いています.因に,ベートーヴェンの弦楽五重奏曲変ホ長調作品4が,どうして,管楽八重奏曲変ホ長調作品103からの編曲なのか,作品番号が逆じゃないか,という点に関しては,実は,この管楽八重奏曲は,ボン時代の作らしく,当時のナチュラル・ホルンで吹くと,超絶技巧を要する曲なのだが,管楽八重奏曲としては,出版されないままでいて,これをもとに編曲した弦楽五重奏曲変ホ長調作品4が先に出版された.そして,ずっと後になってから,オリジナルの管楽八重奏曲変ホ長調が作品103として出版されたらしい.オリジナルの弦楽五重奏曲ハ長調作品29のほうは,シューマンが弦楽四重奏曲第2番ヘ長調作品41-2で楽想を相当パクッているような気がするのは,私だけでしょうか(シューマンは,弦楽四重奏曲を書くために,ベートーヴェンの弦楽四重奏曲を熱心に研究したということになっているらしいが,実は,弦楽四重奏曲のほうではなくて,弦楽五重奏曲のほうに影響を受けているんではないか,と十数年前から思っている).


ブルックナー/弦楽四重奏曲ハ短調(1862/63)
ブルックナー/弦楽五重奏曲ヘ長調(1878/79)
ブルックナー/弦楽五重奏のためのインテルメッツォ(間奏曲)

マーラー/ピアノ四重奏曲イ短調(断章)



戻る→