臨時号
原爆展 in ザンビア


広島大学大学院のザンビアプログラムを利用し、
大学院生でありながら青年海外協力隊員でもある
広島出身の木村 光宏

8月6日から
任地のザンビア国リビングストンにおいて、
現地の人々と協力し、
「原爆展示」イベントを開催しています。

以下、彼から送られてくる内容を、順次紹介していきます。


2009年9月28日

8月6日〜11月31日の期間で開催中の「ヒロシマ原爆展」がザンビアの週刊紙「Sunday Post 」に取り上げられました。 首都から帰ってくる時にバスで配られた新聞を見ていると、なんとたまたまその 記事があったのですごくびっくりしました。 その記事では、原爆に関する詳しい内容が書かれており、「これは理解するのは 難しいんじゃないか・・・」と思ったり。。。
記事を見つけるや否や、がんばって自分の名前を探したのですが、 なぜか、ありませんでした。
まあ、この記事をみてお客さんが増えてくれたらと思います。

さて、この展示を始めてから博物館でいろんな人に会ってきました。 ザンビア人はもちろんのこと、観光で来ているヨーロッパの人々、アフリカの人 々、アメリカ人、中国人、日本人、、、などです。 それぞれの人で意見が違いますが、平和であって欲しいという意見は一緒である ようです。
この前はアメリカ空軍出身の夫婦と話ををする機会にめぐまれました。
話しかけたら、「おれはアメリカ兵として朝鮮戦争に行っていた。」と言ったの でかなりビビリましたが、理解のある人で最後にこんなことを言っていました。
「俺とお前はきっと違う意見を持っている。だけど平和であって欲しいという願 いは一緒だと思う。こういう展示は重要だと思う。おれはやっぱし平和が好きだ 。」

先日、国連で「核兵器のない世界」を目指す決議が可決されました。 これから核兵器の無い平和な世界に向かってくれればと思います。





2009年8月19日


爆展オープニングセレモニーの状況を報告します。

ザンビア、リビングストンはだんだん暖かくなり、手袋マフラーをしなくても学校に行けるくらいの気候になってきました。
2月に赴任し、約半年かけて準備してきた「原爆展」が、8月6日についに始まりました。
前日まで特設展示室は空のスペースがあり、不安に思っていましたがザンビア人スタッフが夜8時くらいまで作業をしてくれたおかげで何とか当日までに完成させることができました。

前日の夜はプログラムやコンサートがうまくいくか心配で、流れの最終確認をしたり、展示品に関する質問に答えられるよう準備したりとなかなか落ち着くことが出来ませんでした。ただザンビアに来てから、特に緊張する経験がなかったので、この緊張感を少し心地よく感じていました。

オープニングセレモニー当日は午前中に2学期最後の学校でのミーティングを済ませ、急ぎ足で博物館に向かいました。同僚によるとこの日の朝、広島の平和祈念式典をテレビでやっていたそうです。今までは自分はその場で歌っていたのに、今回は地球の反対側のザンビアで同じように歌うのかと思うと、少し違和感がありましたが、このように広島での活動が世界に広がっていったらいいなと思いました。

博物館に着くと、なんと会場が予定と変わっていました。エントランスでの開催を予定していたのですが、結局博物館の中庭で行われました。開会が近づくとJICAザンビア事務所の鍋屋所長やリビングストンの市長や校長をはじめとするリビングストンの学校関係者が参列し、会場の緊張感がだんだん高まってきました。うちの学校の生徒たちも、緊張のためかそわそわしている様子です。14時30分開会の予定だったのですが、南部州長の到着が遅れ、結局予定より20分遅れでスタートしました。


左から博物館館長、鍋屋所長、州長、市長となっています。


写真はテープカット前に特設展会場です。

ザンビア国家斉唱の後、まず始めに館長の挨拶がありました。ここでは博物館の歴史、博物館に対する日本からの支援や特設展開催の経緯等が話され、次に鍋屋所長により日本復興の取り組みやザンビアへの支援に関しての話がありました。その後市長や州長からザンビアの現状に関する話を頂きました。最後に自分の配属先の生徒によるコンサートがありました。体育の時間に練習した伝統ダンス、その後ヒロシマ平和のうたを歌い、アフリカのうたを披露しました。所長からは「発音がクリアーで聞き取りやすかった。よく練習したね。」とコメントをいただきました。コンサートの最後には半月かけて練習したエーデルワイスをリコーダーで披露しました。緊張のためか、テンポがどんどん速くなって、上手だったといえるかは分かりませんが、練習の成果はしっかり見えたように思いました。もっと練習して、アンサンブルが出来ればと思います。コンサート後、州長によるテープカットにより原爆展が正式にオープンしました。


写真はうちの生徒のリコーダー演奏。エーデルワイスを演奏しました。

特設展示室には「第二次世界大戦の概要」、「原爆による被害」、「日本の復興」、「世界平和に向けて」という流れで写真やオブジェクトが配置されています。第二次世界大戦のコーナーは博物館側がアレンジしたもので、写真や文章による説明だけでなく、日本語で書かれた兵士に宛てた手紙や日の丸の旗の展示があります。日本語が書いてあるものは、博物館の所蔵品でザンビアの植民地時代に宗主国イギリスと共にアジアに戦争に行ったときに持って帰ったものだそうです。この展示の後に原爆のポスター展示が始まります。


州長を始め、ザンビアの人々は廃墟と化した広島の町の様子に興味を示していました。「これはひどい・・・」とつぶやきながら、数分間写真の前にたたずんでいました。また戦後の日本が受けた援助に関しても興味を示しておられました。「日本もこんな時代があったのか」と驚いていました。州長が展示室を出られる時には「世界に平和が訪れますように。」と言葉を残して帰られました。

この「原爆展」を通して、これからもいろいろな人と話をしていけたらと思います。

写真:


特設展示室内部の様子です。手前に見えるのが原爆の石。


ザンビア人の持って帰った日の丸の旗です。東南アジアのほうにイギリス軍と戦争に行った時に持ち帰ったものだそうです。


州長、市長、所長に展示について説明をしているところです。


州長がコメントブックに感想を書いているところです。



イベントと原爆展の進捗報告

8月6日〜11月30日の期間で「原爆展」を任地のリビングストン博物館で開催します。
今日は2つのイベントと進捗状況の報告です。
まずは、広島の原爆の日にあたる8月6日のオープニングのイベントについてです。 内容は以下のようになっています。
館長挨拶
JICAザンビア事務所所長スピーチ
リビングストンの市長スピーチ
コンサート(byうちの学校の生徒)
・ヒロシマ平和のうた(平和祈念式典で歌う曲です)
・song of AFRICA
・南アフリカのうた(There is one thing)
・ザンビアの合唱曲(3曲)
・エーデルワイス(リコーダーと合唱)
後援:在ザンビア日本大使館、広島大学、広島原爆資料館、広島県協力隊OB会、広島県協力隊を育てる会

所長には戦後の日本の発展を話していただく予定です。
うたの練習は大変だった・・・
リコーダーは2週間前に着いたばかりで、間に合うか心配・・・エーデルワイスは大学時代の合唱団のパクリです。
また、長崎の原爆の日にあたる8月9日にも 同博物館で他の協力隊(12名程度)のメンバーと協力してイベントを企画しています。 詳細は以下の通りです。
タイトル:JOCV school 〜Join!Enjoy!Discover!〜
対象:中学生や高校生
目的:さまざまなバックグラウンドを持つ協力隊によるイベントを通して、学ぶことや発見することの楽しさを伝える。
内容:
−平和学習(原爆について)
−音楽(ザンビアのプロドラマーとソーラン隊による)
−日本文化の展覧会(日本大使館よりお借りした資料の展示)
−踊りや歌
−折り紙、絵画教室
−サイエンスショー
−健康について

ソーラン隊とは踊りを通して、日本の文化を紹介している協力隊メンバーによるグループです。 今回は有志で協力してくださる予定となっています。 初めての試みなのでどうなるか不安はありますが、最善をつくします。
おととい、首都から「原爆の石」が届きました。
これは独立40周年記念に広島から送られたもので、これも展示に使用されます。
首都の博物館の所蔵品なのですが、
地球の反対側からこのように平和を祈念する「原爆の石」がプレゼントされていたことには驚きました。
広島が世界に平和を訴えている都市なのだと改めて実感しました。

ザンビアの独立記念日に日本より贈られた「原爆の石」(ルサカ博物館所蔵)の展示
石には聖母マリアが彫られており、この石が展示室の中心にきます。


今日は、リビングストン博物館の特設展示室で写真の設置作業をしてきました。
50枚近くある写真を職員と吟味(格闘?)しながら、ポスターのアレンジをしました。
多少の問題はありますが、かなり満足のいく仕上がりです。ポスターのアレンジをしている時、
「原爆で何もなくなったのに今ではルサカ(首都)よりも発達している。こんな都市が世界にあるだろうか?」
「なぜ、人間に対して爆弾を使うのか?」
「学校で習ったけどここまでのものとは思わなかった。平和のために歴史を振り返るのは重要なことだ。」
とのコメントを頂きました。
これから3ヶ月間これらの写真を通していろいろな人と話が出来るのが本当に楽しみです。


木村 光宏 2009年8月1日

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