あえて広島の現実と比較してみるのだが、旧日本銀行の活用を福岡の赤煉瓦文化館に置き換えてみれば、そこに際立って見えてくるものは、行政のやる気のなさだ。旧日本銀行の有効活用の一つとして私たちは「文学館」を主張したが、結果的には、貸会場として(しかも、空調やエレベーターは停止したまま、備品類はお粗末としかいいようのないシロモノで)落ち着くらしい。
福岡市総合図書館の担当の方のお話では、財政的には広島と同じように厳しく、「文学館」に学芸員二人を嘱託として確保しているにすぎない。(広島市中央図書館の<広島文学資料室>は、専任の配置もなく単独の予算はゼロ) それでも、「福岡文学館」の次回の企画展<「本」を創る、フクオカ出版物語>の案内チラシ(文庫本カバーとしても利用できる)からも、熱い意気込みが十分伝わってくる。その気合の入ったチラシ文章の表題は「出版活動は都市文化のバロメーターです」とくる。ついつい「文学は平和?都市のバロメーターですか」といいたくなった。
もちろん、福岡と広島は都市の規模も歴史も違い、単純比較することはできない。しかし、無策に近い広島の実態を突きつけられ、都市の品格ということを改めて考えさせられた。(2003年7月7日記)