広島大学大学院 医歯薬保健学研究院 分子病理学研究室

学部教育

教養ゼミ(1年生)

分子病理学研究室では、医学科のみならず、保健学科や薬学部についても色々な授業・実習を担当しています。

主な担当授業科目
医学科: 教養ゼミ(1年生:3年おき)、医療行動学(1年生)、病因・病態学(3年生)、臨床実習(5年生)、基礎配属実習(5-6年生)
保健学科: 病理学(2年生)
薬学部: 病理学概論(4年生)

教養ゼミ(1年生)

チューターとして担当する10名を対象に1年生前期に行ないます。通常は3年おきに担当となります。

一般目標(GIO)
自主的な学習によって支えられている大学教育へのオリエンテーションとして、知的活動への動機づけを高め、科学的な思考法と適切な自己表現能力を身につける。具体的には、医学・医療に関する学習を円滑に行うために、『疾患と医科学』をテーマとして、大学における学習方法や学習成果の発表方法に関する知識と技能および自主的な学習態度を修得する。
行動目標(SBOs)
1.テーマに関する資料、文献を収集し、解析できる。
2.テーマに関連した英文論文を理解できる。
3.テーマに関して学生や教員と討論できる。
4.テーマに関するレポートを作成し発表ができる。
5.テーマに関して新たな問題点を指摘できる。
学習内容(2008年度実施分)
がんは我が国における死因の第一位を占めており、人口の高齢化に伴って今後も増え続けるものと予測されている。一方、2003年にはヒトゲノムの塩基配列が解読され、がんの発生・進展の機構が分子・遺伝子レベルで詳細に理解できるようになってきた。まさに、ポストゲノム時代(Post Genome Era)である。それを新しいがんの予防・診断・治療に応用するゲノム医療(Genomic Medicine)が展開されつつある。テーラーメイド医療はそのひとつである。本教養ゼミでは『ゲノムとがん』の学習を通じて、今後の医学・研究・医療の方向性を考える。
また、最後の3コマは3学部(医・歯・薬)の混成グループで合同ゼミを行ないます。
教養ゼミ(1年生)

参加した学生の感想
教養ゼミは唯一専門的なことを学べる場だったので毎週水曜日が本当に楽しみでした。まず、がん細胞を顕微鏡で見るというのは初めての経験だったので、驚きと感動でいっぱいでした。また『ゲノムとがん』や『症例』については、自分たちで問題点を抽出し、系統立ててそれらを分類したり、分担して調べたり、発表や討論をする中で様々な知識を得られると共に、他の人たちの意見や考えも聞くことができて、自分にとっての刺激にもなりました。さらに自分たちで何事かをやり遂げることの充実感も味わうことができました。英語の論文を読むのは本当に難しくなかなか思うようにいきませんでしたが、今後にも役立つよい経験ができたと思います。

医療行動学(1年生)

一般目標(GIO)
医療や医学研究の現場を知り、その一端を担う医師となるべき心がまえと態度を自覚し、将来、医師になるための動機付けとする。
行動目標(SBOs)
・様々な医療の現場を知り、医師・医療従事者の仕事を理解する。
・医学研究の現場を知り、研究者の仕事を理解する。
実習の内容
医療における病理診断、病理解剖の重要性を学びます。具体的には、以下のような実習を行います。
1)病理業務の概要説明
2)大学病院病理部(病理診断科)の見学
3)がん等の組織切片の作成と組織染色、作成した組織標本(プレパラート)の顕微鏡観察
4)病理解剖の見学(時間内にあれば)
さらに、時間と興味があれば、消化管がんの分子病理学的研究(遺伝子やたんぱくの異常の解析)をみてもらいます。自ら求めればより多くの事を学ぶことができます。積極的な姿勢で実習に取り組みましょう。
■参加した学生の感想
専門分野の知識がまったくない私には難しいところがありましたが、これから先数年かけてしっかり学んでいこうと思います。実際に染色してプレパラートを作成して顕微鏡で観察と作業はほんの一部でしかありませんでしたが病理の大変さが分かりました。また、実習でお話を伺って、病理の仕事の重要性を知ることができ、『最終診断をするところ』という言葉の重みを感じました。これからの医学部での講義を一つ一つに真摯な態度で臨み、勉強していきたいと思います。本当にありがとうございました。
医療行動学(1年生)

病因・病態学 (3年生)

学生が主人公の学習方法であるテュートリアル方式を主として行います。自ら勉強する課題を発見し解決する姿勢が重要です。モデル・コア・カリキュラムに添って必須ポイントは講義します。実習では、代表的病変について、顕微鏡およびバーチャルスライドを用いて観察します。

病理コア画像」では、6年間の医学教育を理解するために必要最低限の病理画像を見ることができます。

授業の目標
(1) 【細胞傷害】
GIO:細胞傷害の原因と機序、反応および形態学的変化を理解する。
SBOs:細胞傷害の原因、それに対する反応の多様性、壊死・アポトーシスの機序と形態学的変化などについて説明できる。
(2) 【循環障害】
GIO:循環障害の成因と病態を理解する。
SBOs:虚血、充血、うっ血、浮腫を説明できる。出血の原因と止血の機構、血栓・塞栓・梗塞の病態と転帰、全身循環障害の病態などを説明できる。
(3) 【炎症】
GIO:炎症の概念とその修復過程を理解する。
SBOs:炎症の定義と徴候、原因別分類、炎症にかかわる細胞と生理活性物質、炎症・創傷治癒の経時的変化を説明できる。急性・慢性炎症や肉芽腫性炎症の特徴、代表的感染症の病理形態、免疫異常に基づく疾患の病態と形態学的特徴について説明できる。
(4) 【遺伝子異常と疾患・発生発達異常】
GIO:遺伝子・染色体異常と発生発達異常や疾患の発生との関連を理解する。
SBOs:遺伝性疾患と遺伝子異常との相違、疾患や発生発達異常を引き起こす遺伝因子・環境因子、染色体異常による疾患,メンデル遺伝の3様式などを説明できる。
(5) 【腫瘍】
GIO:腫瘍の概念と発生機構、病態生理や病理形態を理解し、その診断における意義を理解する。
SBOs:腫瘍の定義、良性腫瘍と悪性腫瘍の相違と形態学的特徴、腫瘍の内因・外因、発がん機構と遺伝子異常が説明できる。腫瘍の発育様式と転移経路、腫瘍と宿主の相互作用について説明できる。病期分類、細胞診、組織診、遺伝子診断、腫瘍マーカー・予後因子について概説できる。
(6) 【代謝障害】
GIO:代謝異常と蓄積症によって生じる多様な病態と形態学的変化を理解する。
SBOs:糖質・タンパク・アミノ酸・脂質・核酸・無機質などの代謝異常の成因と病態を説明できる。

病因・病態学 (3年生)


臨床実習(5年生)

1週間にわたり、病理学研究室(旧第二病理)および大学病院病理部と共同で行ないます。通常1週間おきに担当がかわります。分子病理学研究室担当の時は、剖検症例の分析・発表、手術症例の顕微鏡観察、受付・標本作製・鏡検過程の見学、関連病院病理診断科(呉医療センター、呉共済病院、広島鉄道病院)の見学実習などを行ないます。

一般目標(GIO)
適正な医療の推進のために、病理診断、細胞診及び病理解剖の医療の中における位置づけと病理医の役割を理解する。
行動目標(SBOs)
1. 病理組織診断依頼書の書き方が説明できる。
2. 検体の適切な提出法、固定法を説明できる。
3. 検体採取から病理診断までの一連の作業を説明できる。
4. 手術材料の切り出しの方法と意義を説明できる。
5. 標本の顕微鏡観察が正確にできる。
6. 悪性腫瘍については取扱い規約に従って、切り出し、診断ができる。
7. 病理診断をつけた例をカンファレンス等で呈示し、解説ができる。
8. 術中迅速診断における標本作成過程及び診断過程を述べることができる。
9. 細胞診の役割、検体提出の方法、診断法を説明できる。
10. 病理解剖における臨床経過と病理組織学的所見の相関を述べることができる。
11. 解剖に関する法的事項、手続き等を説明できる。
12. 病理検査業務における細胞検査士、臨床検査士の役割を説明できる。
■参加した学生の感想
臨床実習(5年生)
・病理診断が確定診断となるため、確信をもって適切な所見を述べることの
 大切さがわかりました。
・病理の実際の現場を見ることができとてもいい勉強になりました。
 付きっきりで指導していただいた○○先生に感謝します。
・担当した症例がむずかしい病態であり、文献や論文から情報を得ることの重要性を知ることが
 できました。
・臨床医と病理医が密に連携することが重要であると実感しました。病理に興味がわきました。


基礎配属実習 (5-6年生)

6週間にわたって希望する研究室に配属となり、実験や実習を行ないます。分子病理学研究室は、診断病理と実験病理の2本立てです。

一般目標(GIO)
病理診断・病理解剖の医療の中における位置つけおよび代表的疾患の病理組織像を理解する。また、分子病理学的研究の基本的手技を理解し、がん研究の楽しさを知る。
行動目標(SBOs)
1) 実践医療における診断病理についての実習 Diagnostic Pathology
病理診断の基礎的事項に加えて代表的疾患の病理組織像を学ぶことができます。
・ 病理組織診断・細胞診の実習
 (肉眼観察、切出し、標本作製、組織染色、免疫染色、顕微鏡観察、病理診断、迅速診断の見学)
・ 病理解剖の見学・実習
・ 関連病院の病理診断科での見学・実習(1週間程度)
(呉医療センター、呉共済病院、東広島医療センター、広島鉄道病院、
 広島市医師会臨床検査センター、他) 
2) がんの実験病理(分子病理学的研究)についての実習 Molecular Pathology
がんについてゲノム科学を駆使した実験で研究の楽しさを知ることができます。
・ がん組織/血液からのDNAの抽出と解析;PCR-SSCP法、PCR-RFLP法、
 シークエンス等による遺伝子変異や多型(SNP)などの検出; CpGメチル化の検討
・ 遺伝子の発現異常の解析;cDNA microarray、real-time RT-PCR
・ がん細胞株を用いた細胞生物学的解析(invasion assay、MTT assayなど)
病理診断中心の実習、あるいは、病理学的研究中心の実習どちらにも対応します。
もちろん、両方も歓迎です。学生ひとりに大学院生等が1名チューターとして付き、実習の指導や様々な相談にのります。
皆さん、是非、分子病理学研究室にきてください。楽しく一緒に勉強しましょう!基礎配属実習 (5-6年生)

参加した学生の感想
分子病理学教室での実習に取り組んできて、ほんとうに密度の濃い実りある実習だったと思います。基礎配属先を選ぶに際しては、病理診断に興味があり、臨床に直結することを学ぼうと分子病理学教室にしたのですがが、6週間を振り返ると実験の手技についても学び、カンファレンスにも参加し先生方の研究内容を聞くことで分子病理学的ながん研究に興味がわきました。もちろん、様々な疾患の病理組織像を学ぶことによって知識を深めることもできました。全体を通して先生方にはとてもよく接していただきました。また、病理についてのみならず、将来の進路のことなどについても、いろいろ相談に乗ってもらうことができ感謝しています。勉強になったのはもちろんのこと、とても楽しい時間を過ごすことができてよかったです。ありがとうございました。
2011-12年度 参加者1名
2012/1/4-2/10: 箱田啓志(焼肉河月)
2010-11年度 参加者11名
2011/1/4-2/10: 飯尾澄夫、大窪修平、大場拓哉、川口頌平、柴田真美、馬場健太(アンデルセン)
2011/2/14-3/25: 久保川佳子、遠矢希、原武大介、宗近由貴、山田恭平(スペイン料理バスク、アンデルセン)
2009-10年度 参加者12名
2010/1/4-2/12: 谷口恒平、森洋子、寺田晋作、服部拓也(鶴亀、アンデルセン)
2010/2/15-3/26: 内川慎介(アンデルセン)
2010/5/10-6/18: 藤岡弓朗、向原伸太郎、中村耕樹(アンデルセン)
2010/6/21-7/23: 北川浩樹、桑原研、小川あかり、小川知子(オリエンタルH)
2008-2009年度 参加者12名
2009/1/5-2/13: 荒木洋一朗、白石泰尚、須澤仁、福岡正隆(わらじ)
2009/2/16-3/27: 河島茉澄、小早川真未、藤本亜弓(豆匠)
2009/5/11-6/19: 沖剛、中西泰之、赤羽慎太郎、大久保陽策、甲元公子(アンデルセン)
2007年度(H21年卒)
2007/12/17-2008/2/1: なし
2006年度(H20年卒)参加者4名
2007/1/9-2/9: 浦岡直礼、西山昌志、野瀬大補、林優美(わらじ)
2005年度(H19年卒)参加者5名
2005/4/11-5/13: 石川優樹、上原慶一郎、岡田恭江、鈴木絢子、武本知子(まつばら)
2004年度(H18年卒)参加者5名
2004/4/9-5/14: 藤井将義、池田尚子、北川麻紀子、美山貴彦、佐田友藍(わらじ)
2003年度(H17年卒)参加者6名
2003/1/8-2/7: 一ノ瀬信彦、浦部和秀、真田道夫、田辺真奈美、谷峰直樹、三隅俊博(豆匠)
2002年度(H16年卒)参加者6名
2002/1/8-2/8: 大森慶太郎、川瀬理恵、川副宏、安井博規、山田大作、山本陽子(リーガ)
2001年度(H15年卒)参加者4名
2001/1/9-2/9: 陳莉微、中村優子、三浦奈央子、夜陣真理子(明洞)
2000年度(H14年卒)参加者5名
2000/1/11-2/10: 安部良、石橋幸四郎、小野麻由子、橋本義政、矢野修也
1999年度(H13年卒)参加者7名
1999/1/8-2/10: 上田静世、椎木倫子、須藤なほみ、仙谷 和弘、信実孝洋、杉山緑、村上京香(磯の坊)
1998年度(H12年卒) 参加者2名
1998/1/8-2/10: 徳永史登、中村浩之(プリンスH)
※( )内は、歓迎会あるいは打上げの場所

非常勤講師

樋野興夫先生(順天堂大学 病理・腫瘍学)
樋野興夫先生(順天堂大学 病理・腫瘍学)
落合淳志先生(国立がん研究センター 臨床腫瘍病理部)
落合淳志先生(国立がん研究センター 臨床腫瘍病理部)
谷山清己先生(国立病院機構呉医療センター 臨床研究部)
谷山清己先生(国立病院機構呉医療センター 臨床研究部)
國安弘基先生(奈良県立医科大学 分子病理学)
國安弘基先生(奈良県立医科大学 分子病理学)
國安弘基先生(奈良県立医科大学 分子病理学)
黒田誠先生(藤田保健衛生大学医学部 病理診断科)

チューター制度

学生10名1グループとして、教授を中心とした各研究室の教員が相談にのり、助言をするのがチューター制度です。主な役割は、修学指導と生活指導です。1年生前期には、このグループ単位で週1回教養ゼミが開講されます。
 安井教授のチューターグループでは、折々に楽しいチューター会を開いています。もちろん、ワインは20歳になってからです。

樋野興夫先生(順天堂大学 病理・腫瘍学)
落合淳志先生(国立がん研究センター 臨床腫瘍病理部)



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