PNA-FISH法を用いた生物学的放射線被ばく線量評価


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放射線が人体にあたると、遺伝子をコードしている染色体DNAに傷をつけます。通常、傷ついた染色体DNAは速やかに修復されますが、修復に失敗してエラーが発生してしまうことがあります。染色体異常は、切断されてしまった染色体DNAが間違って本来とは異なる場所に結合されてしまうことから形成されます。このような染色体異常では、本来の遺伝子の情報が改変されてしまいます。このような改変された遺伝子の情報が蓄積することが、被ばく傷病者でのがんや白血病の発症に繋がると考えられています。一方、染色体異常の頻度は、被ばくした放射線の量と良く相関することが知られています。このため、染色体異常の頻度を調べることにより、被ばく傷病者がどのくらい強い放射線を受けたのかを推定することが可能です。

 通常の染色体の解析にはギムザ染色で染めた染色体標本(A)が用いられますが、正確な解析を行うためには高度な訓練と経験が必要です。そこで、私たちはFISH法を用いて染色体の一部を赤色と緑色に染めることにより、染色体解析を効率的に行うことができる方法を開発しました(B, C)。この方法の詳細についての報告は、Radiation Research誌2012年5月号に掲載されました(D)。































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