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センター長挨拶

広島大学教育開発国際協力研究センター
センター長
吉田 和浩
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平成 28 年4 月

ご存知の通り、国際社会は、ミレニアム開発目標達成年である2015年の9月、2030年までの達成を目指して「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択しました。SDGsの第4に教育に関して「包摂的で公正な質の高い教育を確保し、すべての人々に生涯に亘る学習の機会を促進する」と掲げています。この目標のもと、実現すべき10のターゲットが設定されています。そして、この目標・ターゲットは、教育コミュニティがその総意として同じく昨年採択した「インチョン宣言」及び「教育2030行動枠組」と同じ内容となっています。

新しい教育目標は、ジョムティエン、ダカールと続いた「万人のための教育」を引き継ぎ、特に包摂性、学びの成果を重視し、また教育と実社会との接続、教育とその他の分野との連関の重要性について表明しています。さらにターゲット4.7では、身に着けた知識や技能が、ESD、平和の希求等を通じて持続可能な開発を推進することを強調し、教育の目指す方向性を示しています。是非、改めてご一読ください。

さて、この新たな教育枠組が突きつける課題の重さに、私たちはどのように対処すべきでしょうか。新しい枠組は、これまでの取組を脇において、ゴール・ポストを単により遠くに置き直したものではなく、現実の問題と真摯に向き合い、今何をすべきかを熟慮した結果を反映しています。「包摂的で公正な質の高い教育」を実現すること、その成果は知識や技能の使い方にかかっている事、これは、世界の構成員である我々一人ひとりに課された課題である、その実現のためには、みんなが手に手を携えて協力しなければならない、と私は考えます。従来のやり方で解決できていない、しかしこれ以上放置できない火急の課題に取組むのです。

平成9年に設立された広島大学教育開発国際協力研究センターは、まもなく設立20周年を迎えようとしています。途上国の教育開発に対する国際協力を、効果的効率的に実践するための拠点的研究センターとして、革新的な活動を続けてまいりました。これもひとえに、これまで頂いた多くの方々からの温かいご支援、ご鞭撻の賜物と、心から感謝しております。築き上げた協力関係を貴重な財産として最大限に生かし、また包摂的で公正な学びの成果を発現させることに向けてさらに広範の関係者の方々にもお力添えをいただきつつ、センターの任務を全うしてまいります。