広島大学大学院理学研究科 地球惑星システム学専攻

研究グループと研究内容の紹介

地球惑星物質学

地球表層には約40億年前から現在に至るまでの地球の歴史を記録した岩石鉱物や、400-670 kmといった深さに至る地球内部からもたらされた岩石鉱物、また、人間生活に不可欠な金属を供給する岩石鉱物が露出しています。地球惑星物質学グループでは、世界中からこの様な岩石鉱物を採取し、化学組成分析、年代測定、変形組織解析、構造解析などを行い、大陸や日本列島の形成史の解明、地球で生じているダイナミクな変動現象のメカニズムの解明、金属鉱床の形成過程の研究、鉱物の結晶学的特性の研究を進めています。

  • 東アジア・日本列島の大陸・島弧地殻の形成史
  • 先カンブリア時代のプレートテクトニクスの解明
  • 岩石のレオロジー(破壊と流動に関する性質)の研究
  • 資源地球科学(鉱床学)に関する研究
  • 水-岩石相互作用に関する研究
  • オフィオライトによる古太平洋地殻の復元
  • 結晶学に基づいた鉱物の物理化学的性質の研究

安東 淳一 (教授)
星野 健一 (准教授)
早坂 康隆 (准教授)
Kaushik Das (准教授)
大川真紀雄 (助教)

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    北東シベリア・ウスチベラヤ山地から望むアナディール川(2007年8月)。基盤の岩石はマントルかんらん岩を主体としたオフィオライトからなり、デボン紀-石炭紀の地層やジュラ紀-白亜紀の付加コンプレックスを伴う。

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    活性酸素を結晶構造中に包接する鉱物(マイエナイト)の 結晶構造(O(3)-O(3)は隣接する席のどちらかが占有される)

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    須佐高山の磁石石(右上)中の磁鉄鉱にみられる 高温酸化組織の反射電子像(暗色部がイルメナイトのラメラ)

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    高感度・高分解能イオンマイクロプローブ SHRIMP
    5~30μmの非常に小さい領域の分析が可能な世界屈指の質量分析計。特に、岩石試料中に微量に含まれるウラン (U) と鉛 (Pb) の同位体分析を行う事により、岩石試料の形成年代を精度よく決定することができる。

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    西オーストラリアのストロマトライト
    28億年前に進化した光合成微生物シアノバクテリアは長い時間をかけて大量の酸素を放出してきた。ストロマトライトはシアノバクテリアにより潮間帯で作られるコブ状の岩石であり,現在では極く限られた場所にのみ発達してる。

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地球惑星化学

地球惑星化学研究グループでは,地球外物質(隕石、宇宙塵)の分析宇宙化学、マグマダイナミクスの地球化学,生命前駆物質の化学進化室内実験、化石・堆積岩・微生物の実験古生物学を総合し、約46億年間の太陽系、地球、生命の誕生と進化を研究しています。研究手法には、表面電離型質量分析計(TIMS)、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)、熱分解ガスクロマトグラフ質量分析計(pyrolysis-GCMS)、電子顕微鏡(SEM, TEM, EBSD)、放射光分析(STXM)など多様な分析技術を駆使しています。

  • マグマ地球化学と地殻-マントル間の物質循環への応用
  • 隕石に記録された衝撃変成履歴の解明
  • 火星表層で起きた水-岩石反応の解明
  • 南極や国際宇宙ステーションで採取した宇宙塵の分析
  • 生命起原に至る原始細胞的機能性物質の合成とナノ観察
  • 古生物学的・地球化学的手法を用いた堆積岩の研究
  • 微生物鉱物化作用から読み解く地球環境変遷

柴田 知之 (教授)
薮田 ひかる (准教授)
宮原 正明 (准教授)
白石 史人 (助教)

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    スタグナントスラブ形成および下部マントへの落下の数値シミュレーション。 Case 1, 2, 3は、スラブの流動則、および相変化のパラメータが異なるモデル である。物理パラメータに依存して作られるスラブの形状が変化することを 示している。上はプレートの運動速度(センチメートル/年)、下の色は温度 (青が低温・赤が高温)、点線は相境界を表す。時間は上から下へ流れる。 42.6 Myrという数字が沈み込みが始まってからの年代で、42.6百万年(4,260万年) を表す。

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    3次元マントル対流の数値シミュレーション。黄色が高温、青が低温の 等温面を表している。このモデルでは、粘性率は一定であると仮定している。

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    インドの地質調査で撮影した片麻岩(2010年)
    古原生代から中原生代の造山運動に伴って、このような強い変形・変成作用を受けた地体が形成された。こうした古い大陸の岩石は、大陸地殻の進化を理解し、現在の地球に起こっている類似のプロセスを解明するのに大変役立つ。

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    岩石の微細組織
    下地写真:上部マントル起源岩石の偏光顕微鏡写真。挿入写真:上部マントルを構成するオリビンの透過型電子顕微鏡写真。1 μmは1000分の1mm

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    隕石衝突により生成した衝撃ガラス(青色)と斜長石(赤色)の発光

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地球惑星物理学

地球・惑星の内部は形成時から長い時間をかけて運動し,その過程で分化することで現在のような構造になりました。現在の内部構造を調べることは物質の性質や内部での移動を知ることにつながり,逆に物質の性質や移動を調べることで現在の内部構造がどのような過程で形成されたかを知ることができます。地球惑星物理学グループでは,地震波解析,摩擦実験,高温高圧実験,数値シミュレーションなどの手法により,地球・惑星の固体部分の運動メカニズムと内部構造に関する研究を行っています。

  • スロー地震に関する研究
  • 地球内部構造に関する研究
  • 断層すべりと地震発生に関する研究
  • 水の移動と物質循環に関する研究
  • 高温高圧下での地球惑星物質の相変化に関する研究
  • 地球深部におけるマグマの性質に関する研究
  • マントル対流と流体の移動に関する研究

須田 直樹 (教授)
井上 徹 (教授)
片山 郁夫 (教授)
佐藤 友子 (准教授)
中久喜 伴益 (助教)
北 佐枝子 (助教)

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    長崎県野母半島での蛇紋岩調査

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    高温高圧変形透水試験機

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    入り皮

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    三瓶温泉調査

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    広島原爆床下サンプリング

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掘削資料物質科学 (附属理学融合教育研究センター連携部門)

海洋底や陸上の多様な地域から掘削されたコア試料は、地球表層や内部で起こるさまざまな地質学的現象、環境変動、物質循環などを記録しているこれらを系統的に解析することで過去から現在、未来の地球像に関する知見を得ることができる。このような観点から現在は以下のような研究テーマに取り組んでいる。

  • 堆積物・岩石の解析による地球表層の環境変動・物質循環の解明
  • 海洋底における生物地球化学的物質循環の解明
  • 断層帯のレオロジーと地震発生メカニズムの解明
  • コア試料の同位体・微量元素を用いた解析手法の新規確立

石川 剛志 (客員教授)
伊藤 元雄 (客員准教授)
富岡 尚敬 (客員准教授)
廣瀬 丈洋 (客員准教授)
星野 辰彦 (客員准教授)