<選択科目>

プログラムの特徴 及び 診療科紹介

内視鏡診療科とは,内視鏡を用いて疾患の診断および治療を行う診療部門である。平成25年9月に開設された診療棟では,消化管内視鏡診療,胆膵内視鏡診療,呼吸器内視鏡診療が「内視鏡診療科」として集約された。専用の内視鏡透視室も2室設けられ,小腸内視鏡診療や胆膵内視鏡診療,食道胃静脈瘤硬化療法など並列進行できるようになり,うち1室は陰圧管理による感染対策が行われている。本研修では,消化器疾患を中心とした内視鏡医学,および,それに基づく内視鏡診療の実際を研修し,臨床医が実地臨床で直面する頻度の高い消化器疾患に対する診療ストラテジーおよび内視鏡的アプローチの実際を理解する。当科では,消化器疾患の病態学,診断・治療の実際について内視鏡診療が関与する部分を中心に実践的な研修を行なう。関連領域の研究会/学術講演会,カンファレンス,セミナー,症例検討会なども非常に充実している。マンツーマンの実技指導体制も整っており,多くの先生の研修を歓迎します。

【専門領域】

内視鏡医学,消化器病学(消化管,胆膵疾患)

【対象代表的疾患と診断・治療】

消化管内視鏡検査の基本実技,消化管X線造影検査の基本実技,体外式超音波検査の基本実技,食道(中/下咽頭領域も含む)・胃・小腸・大腸の悪性腫瘍及び各種良性腫瘍,炎症性腸疾患,感染性腸炎,食道胃静脈瘤,食道炎,胃炎,胃十二指腸潰瘍,Functional dyspepsia(FD),炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病),Irritable bowel syndrome (IBS),胆膵の良性・悪性疾患などに対する内視鏡診断(拡大・画像強調・超音波内視鏡など)と内視鏡治療(癌に対する内視鏡的切除: polypectomy/EMR/ESD,組織破壊療法〈APCなど〉,止血術,狭窄拡張術,異物除去術,胃瘻造設術,食道胃静脈瘤硬化療法,膵胆道の内視鏡的アプローチなど)

研修到達目標

【一般目標】

  1. 基本手技
    内視鏡器機のしくみと基本的操作法をよく理解し,内視鏡検査に必要な安全で確実な知識と手技を修得する。
  2. 救急医療
    吐血・下血,急性腹症などの消化管救急患者に対応できる基本的診療能力を修得する。
  3. 腫瘍性疾患
    食道・胃・小腸・大腸の悪性腫瘍および各種良性腫瘍の診療に必要な臨床病理学・腫瘍病理学、内視鏡診断・治療学の理解。
  4. 炎症性疾患など
    炎症性腸疾患,食道炎,胃炎,胃十二指腸潰瘍の診療に必要な知識と治療法の修得。その他の消化管疾患に対する内視鏡治療法の理解。

【行動目標】

1. 基本手技

    1. 各種内視鏡器機の構造・機能と基本的操作法の理解。
    2. 正常消化管・胆膵の解剖の理解。
    3. 各種内視鏡検査の適応と禁忌、合併症の理解と,インフォームドコンセントに必要な事柄の修得。
    4. 各種内視鏡検査の前処置法・Sedationを理解する。
    5. 安全にルーチン上部消化管内視鏡検査が行える。
    6. 内視鏡器機洗浄と消毒,感染予防に関する理解。
    7. 生検および病理組織標本の正しい取扱いができる。
    8. 検査結果の記載ができる。
    9. 紹介状,依頼状,診断書が適切に記載できる。

2. 救急医療

  1. 緊急内視鏡施行の適応と内視鏡施行時の循環動態に関する理解。
  2. 消化管出血に対する内視鏡的止血法の理解。
  3. 上部消化管出血に対する内視鏡的止血の理解。
  4. 下部消化管出血に対する内視鏡的止血の理解。
  5. 消化管異物の診断と治療法の理解。
  6. 内視鏡的異物摘出法の理解。

3. 腫瘍性疾患

  1. 消化管腫瘍の診療に必要な臨床病理学・腫瘍病理学の理解。
  2. 消化管腫瘍の診療に必要な内視鏡診断学の理解。
  3. 色素内視鏡の原理と分類の理解。
  4. 消化管腫瘍の診療に必要な内視鏡治療法・手技の理解。
     ・早期食道癌内視鏡的粘膜下層剥離術の適応・手技の理解。
     ・早期胃癌内視鏡的粘膜下層剥離術の適応・手技の理解。
     ・早期大腸癌内視鏡的粘膜切除術や粘膜下層剥離術の適応・手技の理解。
     ・内視鏡的組織破壊療法の適応・手技の理解。
  5. 悪性腫瘍に対する化学療法・放射線療法の効果判定の理解。
  6. 超音波内視鏡検査,体外式超音波検査の診断学と手技の理解。
  7. 消化管X線造影検査の診断学と手技の理解。

4. 炎症性疾患など

  1. 炎症性腸疾患の鑑別診断、重症度診断の理解。
  2. 食道炎の診療に必要な知識と治療法の理解。
  3. 胃炎,胃十二指腸潰瘍の診療に必要な知識と治療法の理解。
  4. 消化管機能性疾患に対する知識と検査法の理解。
  5. 消化管狭窄に対する内視鏡的ブジー拡張・ステント挿入の理解。
  6. 経皮内視鏡的胃瘻造設術に必要な知識と手技の理解。
  7. 食道・胃静脈瘤内視鏡治療に必要な知識と手技の理解。
  8. 内視鏡的逆行性膵胆管造影法に必要な知識と手技の理解。

研修医が経験できる症状・病態・疾患、診察法・検査・手技等(代表的なもの)

消化管X線造影・体外式消化管超音波検査・上部消化管内視鏡検査は,指導医のもとで研修医にも実際にマンツーマンで実技指導する。内視鏡検査実施の前に胃と大腸の模型による内視鏡操作の研修を行なう。

専門研修

1ヶ月の自由選択枠では,体外式消化管超音波検査・上部消化管ルーチン内視鏡検査操作や観察・写真撮影を指導医のもとで実技指導しているが,将来の専門性を考慮に入れ2ヶ月以上研修を希望する場合は,実技指導目標のレベルを上げ,また範囲も広げて実技指導を行う。研修終了後は,内視鏡診療の基本である消化管内視鏡診療を後期研修病院で自立して行うことができることを到達目標とする。

■研修医が経験・習得できる代表的なこと

1)症状

  • 胸焼け,腹痛,急性腹症,下痢・便秘,消化管出血など。

2)病態・疾患

  • 食道・胃・小腸・大腸の悪性腫瘍及び各種良性腫瘍
  • 炎症性腸疾患,感染性腸炎
  • 食道炎,胃炎,胃十二指腸潰瘍
  • 食道胃静脈瘤
  • 機能性消化管新患(FD/IBS)

3)診察法・検査・手技等

  • 通常/色素内視鏡診断
  • 画像強調内視鏡観察(拡大・NBI/FICEなど)
  • 超音波内視鏡診断
  • 消化管X線造影検査
  • 腫瘍の内視鏡切除(ポリペクトミー、EAM、EMR、ESD、組織破壊療法など)
  • 消化管狭窄拡張術
  • 胃瘻造設術
  • 異物除去術  など

研修方法

【研修場所】

内視鏡診療科(診療棟地下1F)での外来研修が中心となるが,腫瘍の内視鏡治療前後のインフォームドコンセント,局所・全身管理に関する病棟研修も行なう。生理機能検査(診療棟2F)で体外式消化管超音波検査も研修する。

【検査・手術】

月曜から金曜まで毎日消化器内視鏡診療・画像診断の研修を行なう。消化器内科初期臨床に必要な内容を指導医の指導のもとに実施するとともに,実技指導を取り入れて理解を深めるとともに有る程度の技術習得も目指す。

【講義・カンファレンス】

必要に応じて講義を行なう。院内カンファレンス,症例検討会,学会,研究会/学術講演会には積極的に参加することとする。

【評価方法等】

1ヶ月毎に評価し,最後に総合評価をする。

週間スケジュール

  午 前 午 後
主として消化器内視鏡診療 消化器内視鏡治療
消化管X線造影検査 講義・実技セミナー・カンファレンス
主として消化器内視鏡診療 消化器内視鏡治療
体外式消化管超音波検査 講義・実技セミナー
主として消化器内視鏡診療 消化器内視鏡治療

 

指導体制

【専任指導医(主治医)数とその役割】

科長(教授)1名,診療講師5名(これに,消化器・代謝内科の内視鏡診療担当医師が加わる。)全体で37名。

【上級指導医(准教授・講師)の明記とその役割】

上野義隆 診療講師:消化管疾患の病態学,内視鏡診断学・治療学の実地指導を行う。
岡 志郎 講師(消化器・代謝内科):消化管疾患の病態学,内視鏡診断学・治療学の実地指導を行う。
芹川正浩 診療講師(消化器・代謝内科):胆膵内視鏡診療に関する指導に当たる。
他に,佐野村洋次 診療講師,石井康隆 診療講師(消化器・代謝内科),林 亮平 診療講師,保田智之 診療講師,弓削 亮 診療講師を中心に,消化器・代謝内科の内視鏡診療担当医師とともに研修医のマンツーマン指導を行う。

【全体の統括指導医(教授)の明記とその役割】

田中信治 教授(科長):研修全体の統括指導を行う。


※ 上記内容について変更が生じる場合があります。