
緩和ケアの専門知識と実践能力が高い看護師を養成。
広島大学のがん看護専門看護師養成コースでは、緩和ケアを専門科目として取り入れています。がん看護の実践において、がん患者さんやそのご家族が有する様々な苦痛や苦悩に対し、的確なアセスメントと効果的な支援を提供することが重要です。特に、がん看護専門看護師は、がん看護の学問基盤を持ち、疾患や症状のメカニズムを正しく理解し、エビデンスに基づいた適切な看護援助ができなければなりません。本コースでは、身体的な側面のみならず、心理社会的な側面にも注目し、サイコオンコロジーに関する講義も取り入れております。広島大学ではサイコオンコロジー領域の研究や実践が行われており、全国レベル的にも恵まれた環境になっていると思います。
がん患者と家族のQOL維持向上を目指す支援の探求。
1990年のWHOの定義では、緩和ケアとは「終末期(おおよそ死の6ヶ月前)に行う」ものであったのですが、2002年には「疾患の早期から、治療と同時に行う」とされました。つまり、昔は治療の見込みがなくなった患者に対し、終末期に入ると治療方法を“ギアチェンジ”していたのですが、近年ではがんと診断されたと同時に緩和ケアを始め、終末期ケアへの“シームレスな”移行ができるよう努めます。緩和ケアのゴールは患者さんとそのご家族のQOLの維持向上です。医療者はがん患者さんとそのご家族が望む生活を送ることができるよう切れ目のない支援の提供を目指します。本コースでは、がんによる苦痛症状のみならず、治療がもたらす悪影響の予防や緩和法についても探求します。
がんチーム医療の優れたコーディネーターに。
近年、がん治療はチームで行われます。医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカーなどで構成されますが、その中でもがん看護専門看護師は優れたコーディネーターであるべきと考えます。がん看護専門看護師本人が、個々の患者、またはそれぞれの病院のニーズに合わせた実践ができると同時に、チームとして患者に対しベストな医療を提供できる態勢を専門看護師の立場から調整することが重要です。2009年11月時点において、がん看護専門看護師は全国でも128名であり、広島県では3名しかおりません。次の人材が一日も早く必要とされているのです。



