
がんプロフェッショナル養成プランは、文部科学省による大学教育改革の支援を目的としたGP(GoodPractice、優れた取組)として始まったものです。この事業が開始される前年には「がん対策基本法」が制定され、法律制定の発端となったのはがん患者団体による政府への要望でした。さらにその背景にはがん医療の進歩があります。ここ20年で医学は著しい進化を遂げています。例えば、明治維新から1990年までに我が国に導入された医学的知識の量を1とすると、1991年から2000年までに発見された知識は100、2001年から現在に至るまでもさらなる勢いで発展しています。現在の日本の医療レベルは非常に高いといえます。大腸がんの5年生存率は世界1位であり、WHOが2002年に発表した国別の医療技術レベル評価でも1位です。にもかかわらず、国内の医師数は大変不足しています。人口に対する医者の数はOECD加盟国30ヵ国で27番目、またGDPに対する国民1人あたりの医療費も下位です。私としては、大変残念に思いますが、今後15年くらいは医療制度は非常に厳しい時代が続くと考えています。
しかし、このような状況だからこそ実際の患者さんを救える医師がさらに使命感を強くする義務があります。がん患者は増加しており、死亡数も増えています。日本は本来、がん専門医師を含め医師数が世界一であってしかるべきです。がんプロは社会的ニーズに応える素晴らしいプログラムであり、広島大学は優秀ながん専門医を育てるだけのシステムを備えています。がん専門医の資格をとることは大変厳しいことです。しかし、日本はがん専門医を必要としています。がん医療均てん化 のため、多くの学生や医師ががんプロに参加することを願っています。



