スタッフ紹介

乳腺専門医養成WGリーダー<br />
片岡 健

女性で最も罹患率が高いがん~乳がん~

乳がんの罹患者数は、全国で年間5万人を突破しており、女性での罹患率はトップです。死亡数は年間約1万人。すべてのがんの中でも5番目の多さです。罹患率は、検査の意識が高まり早期発見の件数が増えたというのもあるのですが、最も大きな原因は食生活の欧米化によるものと考えられています。現在、日本人女性の約16人に1人が乳がんになると計算されますが、今後も増えていき欧米並みの罹患率になることが予想されます。

ここ数年で大きく変化した乳がん治療。

2004年頃から乳がん診断や治療は大きく変わりました。厚生労働省から乳がん検診にマンモグラフィ導入の指導があり、それに伴い乳がんの早期発見が増えました。当然、治療方法も変わり、20年前では乳がん=乳腺全切除が主だったのですが、現在では温存手術や縮小手術がメインになり、リンパ節転移がないと術前に診断された症例にはセンチネルリンパ節生検により郭清を省略することが標準治療になりました。
また手術だけでなく、薬物もこの10年間で劇的に進化しています。分子標的治療薬が何種類も臨床で使われるようになり、再発率もかなり下がってきました。分子標的治療薬は、骨髄抑制や脱毛、痛みなどがほとんどなく、多くの人が安全に治療できるようになっています。これからどんどん新薬が開発され、保険適用になる分子標的治療薬も増えていくでしょう。治療の進化による予後の改善が、今後、最も期待できるがん、と言えます。

専門医育成、チーム医療への取り組みが早かった広島大学。

片岡先生写真2広島大学では、乳がんのチーム医療を実践するため、「広島ブレストケア・セミナー」という医師や看護師、薬剤師でつくる会を、早くからはじめていました。乳がんにおいてチーム医療が大事な理由は、①他の臓器のがんに比べ再発してから死までが非常に長い病気であること、②乳がんは女性にとってのシンボルとも言える乳房にメスを入れるので、精神的サポートや緩和ケアが重要であることなどが挙げられます。これから乳がん治療の専門医を目指す人には、やさしさとチーム医療の実践力が絶対条件だと思います。
また、チーム医療の要とも言える乳腺専門医の育成にも積極的に取り組んでいます。平成23年度から広島県と共催で「乳がん認定医・専門医育成プロジェクト」を開始し、2年間で6名の乳腺専門医を誕生させています。今後も継続して専門医育成を行い、広島県における乳癌医療のレベルアップに大いに貢献できるように努力していきます。

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