大腸内視鏡検査

大腸内視鏡検査とは、結腸、直腸を対象として(時に回腸末端部も)、内視鏡を体内に挿入し観察して疾患を診断するとともに病態を把握する検査です。通常内視鏡検査と色素を撒くことにより病変を分かりやすくする色素内視鏡検査、ズーム式拡大内視鏡を用いて表面構造を詳細に観察する拡大内視鏡検査があります。

大腸で行う色素内視鏡検査では、色素液の凹面へのたまり現象を応用して凹凸を強調させるコントラスト法(インジゴカルミンなど)や粘膜の分泌物や細胞成分との特異反応を利用する反応法(クリスタルバイオレットなど)がよく行われます。

拡大内視鏡検査 は色素撒布後(インジゴカルミン、クリスタルバイオレットなど)あるいはNBIなどの画像強調観察により、大腸腫瘍の表面微細構造を拡大し、詳細な観察により腫瘍の性質や深達度、範囲を正確に診断する検査法です。現在は通常の大腸内視鏡に組み込まれており簡便に行えるようになっています。

また、病変の一部を採取して顕微鏡で詳しく診断する生検組織検査も同時に行います。

大腸内視鏡システム
オリンパス社製
EVIS LUCERA ELITE
フジフィルム社製
LASEREO
大腸内視鏡スコープ
(オリンパス社製CF-HQ290シリーズ)
正常の大腸内視鏡像
大腸は屈曲やひだがあるため、体位変換や空気量を調節しながらスコープを進めて行きます。

NBIによる大腸ポリープ視認性の向上
通常観察像 NBI観察像
径2mm大の小ポリープ。病変はNBI観察により茶褐色に描出され視認性が向上しています。

自家蛍光システム(autofuluorescence imaging system; AFI)による
病変の視認性向上

通常観察像 AFI観察像
淡緑色の背景粘膜に対し病変部は赤紫色(マゼンタ)に表示されます。

大腸拡大内視鏡観察

通常観察像 NBI拡大観察像 色素拡大観察像

大腸腫瘍に対してNBI拡大観察や色素散布後の拡大観察により、表面微細構造を拡大し、詳細な観察により腫瘍の性質や深達度、範囲を正確に診断してゆきます。



症例一覧

症例 1 症例 2
有茎型(0-Ip)腺腫
表面が発赤調のポリープで、長く太い茎(stalk)を有する。通常観察のみで比較的規則的な管状pit(IIIL型pit)が診断可能。
無茎型(0-Is)腺腫
表面平滑な発赤調の無茎型病変である。拡大観察しなくても規則的な管状pit(IIIL型pit)が診断可能。
症例 3
鋸歯状腺腫(0-Is)
発赤調で松毬様のpit構造を認める。
症例 4
有茎型(0-Ip)腺腫内癌
茎は隠れているが病変頂部に発赤した陥凹面を認め、同部位にて癌を認めた。
症例 5
有茎型(0-Ip)SM高度浸潤癌
病変頂部が崩れて決潰している。
症例 6
a)無茎型(0-Is)SM高度浸潤癌
b)無茎型(0-Is)腺腫
a) は b) に比べて、表面粗造・易出血性で病変周囲に
粘膜のひきつれを認め、周囲の白斑が著明である。 
症例 7
無茎型(0-Is)SM高度浸潤癌
病変頂部の表面が不整な緊満感を伴った無茎性病変である。 
頂部にpit構造らしきものが観察されるが明らかに不整である。
症例 8
無茎型(0-Is)SM高度浸潤癌
病変表面が凹凸不整で緊満感を伴った無茎性病変である。周囲に白斑を認める。
症例 9
無茎型(I)進行(MP)癌
緊満感を伴った分葉結節状の病変で、表面は粗造・不整であり 
滲出物の付着もある。周辺から粘膜のひきつれと白斑を認める。
症例 10
無茎型(I)進行(SS)癌
緊満感と易出血所見を認め、結節状隆起間には潰瘍形成を認める。周囲の白斑も著明である。
症例 11
表面陥凹型(0-IIc)腺腫
発赤した境界明瞭な不整型の陥凹面を認める。色素散布にて陥凹面が明瞭になる。
クリスタルバイオレットによる拡大観察にて、IIIs型pit patternを認める
症例 12
表面陥凹型(0-IIc)M癌
発赤した陥凹性病変で周囲に軽度の辺縁隆起を伴う。
クリスタルバイオレットによる拡大観察にて、不整なpit構造を認めIIIL型pit patternを認める。
症例 13
表面隆起型(いわゆる0-IIa+dep)腺腫
病変の表層に棘状の陥凹を認める。
症例 14
表面陥凹型(0-IIc)M癌
発赤した浅い陥凹性病変。陥凹辺縁に不整形のはみ出し像
を認め、周囲から粘膜のひきつれを認める。      
症例 15
複合型(0-IIa+IIc)SM高度浸潤癌
発赤した面状の深い陥凹面を有する病変。陥凹面に腫瘍性血管の
増生を認め、周囲の立ち上がりは非腫瘍性粘膜で覆われている。
症例 16
複合型(0-Is+IIc)SM高度浸潤癌
明瞭な類円形の陥凹面を伴う隆起で周囲の立ち上がりは非腫瘍性粘膜(メラノーシス
のため非腫瘍部が明瞭である)で覆われ、いわゆるnon-polypoid growthである。
症例 17
複合型(0-Is+IIc)SM高度浸潤癌
周囲の立ち上がりはいわゆるpolypoid growthであり、星芒状の陥凹面を認める。
症例 18
複合型(0-IIa+IIc)SM高度浸潤癌
発赤調の明瞭な陥凹局面を有し、ヒダの集中像、壁の硬化所見を呈する。
症例 19
2型進行(MP)癌
陥凹面は凹凸不整で、壊死・滲出物の付着を認める。管腔壁の変形は認めない。
症例 20
2型進行(SS)癌
深い癌性潰瘍と管腔壁の変形・硬化所見を認める。
症例 21
LST-G 顆粒均一型(腺腫)
症例 22
LST-G 結節混在型(腺腫内M癌)
症例 23
LST-NG 平坦隆起型(腺腫内M癌)
インジゴカルミン散布にて溝様構造を認める。
症例 24
LST-NG 偽陥凹型(腺腫内M癌)
病変中央に浅い盆状陥凹を認める。


CT Colonpgraphy
通常観察像 NBI観察像
大腸仮想内視鏡として欧米を中心に大腸スクリーニング検査の1つとして臨床応用されています。進行癌やポリープの診断に有用です。(症例は上行結腸の進行癌)


大腸カプセル内視鏡
2014年1月に保険収載されました。大腸内視鏡検査で挿入困難な場合などが適応です。小腸用カプセルと異なり2方向にカメラを装備し、動きにあわせて4-35枚/秒と撮影する機能が搭載されています。

診療実績

大腸内視鏡検査件数の年次推移