Helicobacter pylori 関連疾患

ヘリコバクター・ピロリの発見以来、消化器病学は大きな変革を遂げました。これまで、解明できなかった様々な病態がヘリコバクター・ピロリの研究で明らかになってきました。この発見は20世紀の消化器病学のなかでも、もっとも大きな発見といわれています。当研究室では、ヘリコバクター・ピロリと胃癌との関連について基礎的、臨床的研究をおこない、独創的で新しい知見を社会に発信しています。

現在、日本人の約半数はピロリ菌が陽性とされています。ピロリ菌に関連する疾患としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎などがあります。胃癌や胃マルトリンパ腫などとの関連性も分子病理学的研究の結果、次第に明らかになってきました。

さらに近年では、特発性血小板減少性紫斑病や慢性蕁麻疹など、消化器疾患以外の病気にも関連があることが分かってきました。

現在、保険診療でピロリ菌の除菌治療が認められている疾患は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍に加え、2010年より胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、早期胃癌の内視鏡治療後が新たに適応追加されました。2013年2月には内視鏡検査で胃炎を確定診断した全てピロリ菌陽性の患者にまで適応拡大されました。
しかし、ピロリ菌除菌成功後後にも胃癌が発生してくることが分かっています。この除菌後に発見される胃癌の特性を解析し、正確な内視鏡診断に役立てる研究を行っております。




また、ピロリ菌の毒性因子に対する特異抗体を作成を東京大学 畠山政則教授と共同研究をおこない、その発現解析などを行っています。


現在、ピロリ菌の感染率の低下してゆく中で、ピロリ菌陰性者から胃癌発生が注目されています。ピロリ菌感染が関与していないHp陰性胃癌についても、その特性の解析、研究をしております。