消化管研究室の概要

2014.4.1.

【基本的コンセプト】広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 消化器・代謝内科学(旧 第一内科:主任教授 茶山一彰教授)消化管研究室は,三好秋馬・梶山梧朗教授時代のなごりで,通称「4研(第4研究室)」と呼ばれています。本研究室は,消化管内視鏡診療が大好きな医師の集まりである という覆すことのできない基本的特徴があります。消化管研究室では,一般診療・研究以外に内視鏡診療にエネルギーをかなり費やすことになりますが,それは それで内視鏡専門医としての個々の技術向上につながることであり,皆一生懸命,力を合わせて切磋琢磨しています。
 研究内容に関しては,臨床研究と基礎研究をバランスよく両立して幅広い研究を行なうことを基本としています。基礎実験だけが研究ではありません。診療に還元できるレベルの高い臨床研究も極めて重要です。基礎研究が行いたい人には基礎的な仕事(実験中心)を,基礎研究よりも臨床研究が好きな人には臨床研究をというふうに,個人個人の興味や適性・能力に応じて研究テーマを与えています。臨床研究・基礎研究ともに,研究レベルのさらなる底上げに全力投球して頑張っているところです。なお,基礎研究を行なう人も臨床研究を行なう人も,消化管研究室の若い先生は皆平等に内視鏡診療に従事することが原則です。
 消化管内視鏡専門医としての実力を身に着けることと研究(基礎研究 & 臨床研究)を両立して行なっている本研究室に興味のある方は,いつでも気軽に御連絡下さい。現在,外国や国内の多施設の先生の見学・研修も実際に受け入れています。内視鏡診療・研究に情熱のある先生を歓迎いたします。



【診療】食道から肛門までの消化管の臨床を担当し,在学中はレベルの高い内視鏡専門医を目指してトレーニングを行っています。内視鏡診療は内視鏡診療科で,一般外来診察は消化器・代謝内科で行っています。現在,消化管癌(食道癌・胃癌・大腸癌など)・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病など)などの消化管疾患は急増しており,種々の内視鏡手技,内視鏡診断学,治療内視鏡学,臨床病理学などは消化管専門医に必須です。特に消化管内視鏡専門医は,患者数も多く社会的な需要が極めて高く,関連病院においても消化管専門医は絶対的に不足しています。下記の研修により,日本消化器病学会専門医,日本消化器内視鏡学会専門医などを目指した訓練を行っています。

1) 消化管X線造影検査(食道・胃十二指腸・小腸・大腸の造影と読影)
2) 消化管内視鏡操作手技(上部消化管内視鏡,小腸内視鏡,大腸内視鏡)
3) 内視鏡診断学(通常観察,色素内視鏡,拡大内視鏡,画像強調観察〈NBI & BLI〉,ダブルバルーン小腸内視鏡,小腸・大腸カプセル内視鏡,超音波内視鏡,超音波内視鏡下穿刺術など)
4) 治療内視鏡学(腫瘍の粘膜切除〈EMR〉,内視鏡的粘膜下層剥離術〈ESD〉,アルゴンプラズマ凝固療法,消化管出血に対する止血術,異物除去術,胃瘻造設術,狭窄拡張術,ステント挿入術など
5) 体外式超音波検査による消化管診断学(急性腹症,炎症性腸疾患,腫瘍,機能性消化管疾患など)
6) 消化管機能検査(体外式超音波検査,内圧測定,シンチグラフィーなど)
7) 化学療法(食道表在癌,悪性リンパ腫などに対する放射線化学療法など
8) 炎症性腸疾患に対する血球成分除去療法(GCAP, LCAPなど)・在宅経腸栄養療法
9) 消化器外科・病理との癌およびIBDに関する合同カンファレンス


【研究】基礎研究分野のみでなく,臨床研究にも力を入れています。症例1例1例を大切にしながらこれまで蓄積してきた多くの臨床材料を用いた研究,消化管研究室(4研)OBを中心とした強力な診療ネットワークを利用した多施設共同研究など,臨床データと基礎研究手法をうまく組み合わせながら,21世紀の臨床の場にフィードバックしうる「実地診療に役立つ研究成果」を目指すことを基本とし,基礎研究と臨床研究をバランスよく融和させながら日夜研究活動に頑張っています。基礎研究・臨床研究の選択は,個人の希望と適性・能力により決定し,自由な雰囲気でのびのびと研究活動を行なっています。

1) 腫瘍・癌(消化管癌の形態診断,消化管癌の内視鏡治療,化学療法・放射線治療,病理組織学,分子病理・分子生物学的手法,ゲノム解析などを用いた消化管癌の組織発生・増殖・浸潤・転移の病態解明など)
2) 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病などを対象に,臨床診断と治療,新しい画像診断学の開発,免疫学的あるいは分子生物学手法を用いた病態解明,Colitic cancer の発癌機構の解析など)
3) Helicobacter pylori 関連疾患(酸関連疾患,胃癌,MALTリンパ腫などの診断と治療,臨床病理学・分子病理学・分子生物学的手法を用いた病態解明)
4) 新しい内視鏡診断・治療,機器開発に関する研究(新しい内視鏡機器・技術開発,画像診断学,内視鏡治療学,内視鏡技術の精度管理,臨床・分子病理学・免疫学の内視鏡診断・内視鏡的摘除後の根治度判定法開発など)
5) 消化器検診(ペプシノゲン法,胃X線検査,便潜血,臨床疫学など)


消化管研究室ラボ(総合研究棟)
実験室1 実験室2
実験室3 培養室

【その他】希望する人には必要に応じて,基礎研究・診療技術研修ともに,国内外の適切な施設に積極的に留学し勉強することも可能です。

1) 海外との共同研究:リオグランデ州立大学(ブラジル),ハノーバー医科大学(ドイツ)など
2) 海外留学: MD Anderson Cancer Center(米国),ハノーバー医科大学(ドイツ)など
3) 国内留学・共同研究:国立がん研究センター,国立国際医療研究センター,広島大学大学院医歯薬保健学研究科各研究室,広島大学原爆放射線医科学研究所など