浮遊粒子状物質集塵装置の高性能化

 各種の固定発生源から排出される浮遊粒子状物質の内,2.5μm以下のPM2.5,特に,粒子個数では大部分を占める0.1μm以下のPM0.1は喘息や 気管支炎を始め人体に多くの影響を与えると考えられており,これらを大気中から除去・回収することは重要かつ急務の課題です.
 一定の吸引流速下であってもPM0.1~PM2.5を任意の粒径で捕集可能な分離径制御流同伴型サイクロン式集塵装置を開発しています.また,同時に有害成分を除去するシステムや粒子合成と生成粒子の分級・捕集を同時に行う粒子製造プロセスの構築に関する研究・開発を行っています.
マイクロ波加熱流動層による超迅速固相反応装置の開発

 マイクロ波加熱法は物質の電気双極子や電荷を直接振動させ加熱する方法であり,急速加熱や選択的な加熱が可能であり,ヒートスポットやスーパーヒートが発現することが知られています.マイクロ波加熱により,様々な化学反応の収率や選択率の向上や反応時間の短縮が実現します.マイクロ波加熱と流動層を組合せた新規な固相反応装置を開発し,1/30の反応時間で機能性材料を合成することに成功しました.また,この技術を応用した燃料ペレットの焼結法についても研究しています.
マイクロ波加熱を利用した化学プロセスの高度化と機構解明

 マイクロ波加熱により,様々な化学反応の収率や選択率の向上や反応時間の短縮が実現することが知られています.しかし,その効果が全く現れない場合も見られます.そこで,マイクロ波加熱に見られる様々な特徴と原料や製品,中間生成物の性状の相関を検討することで,マイクロ波加熱による化学反応の機構解明を行っています.さらに,マイクロ波とメカノケミカル処理装置を組合せた反応装置などを開発し,機能性材料やナノ粒子を合成するプロセスを高度化・グリーン化する研究・開発を行っています.

フライアッシュのフィリップサイトへの再資源化

 石炭火力発電所などから排出されるフライアッシュなどの焼却灰は,再利用することが法律で義務づけられています.この焼却灰を水熱処理することでゼオライトの一種であるフィリップサイトを合成し,ダイオキシンの発生抑制剤や放射性物質の吸着剤として再利用することを目指して,研究・開発を行っています.また,様々な性状を持つフライアッシュから常に一定品質のフィリップサイトを高純度に合成するための技術開発にも成功しています,さらに,籾殻焼却灰とフライアッシュの同時再資源化法についても研究しています.

廃棄物焼却飛灰・家畜骨粉の高プロトン電導性材料への再資源化

 一般廃棄物の焼却飛灰の排出量は年々増加し,そのほとんどが埋立処理されており,再資源化・有効利用に関する研究が少ない現状です.そこで,焼却飛灰の新規な再資源化法として,燃料電池や電気二重層キャパシタなどの次世代デバイスに利用でき,今後の需要拡大が見込まれる高プロトン電導性材料を合成するプロセスを開発・構築する研究を行っています.また,再資源化した本材料をプロトン電導膜に利用した燃料電池の高温駆動性および発電特性の向上と低コスト化を目指した検討を行っています.さらに,家畜骨粉等からについても同様の検討を行っています.
 これらの検討を通して、循環型社会構築のための廃棄物再生とエネルギー問題の解決に貢献することを目指しています.

閉回路粉砕分級システムの最適化

 閉回路粉砕分級システムは,粉砕効率が高く,分布幅が狭い製品粒子を得ることができる微粒子プロセスです.粉砕機,分級機それぞれの性能が製品微粒子の粒度分布に与える影響を明らかにすることで,本システムの最適化を行っています.さらに,製品粒子の粒度分布だけでなく,結晶性も制御することで,高機能化・多機能化する微粒子材料に対する要求を満足できるように検討を進めています.

沈降天秤法による粒度分布測定技術の開発

 粒度分布は最も基本的な粒子物性の一つです.この粒度分布を測定する機器は数多く市販されています.しかし,いずれの機器も比較的高額であり,安価で精度の高い測定機の開発が求められています.そこで,液相沈降法の一種である沈降天秤を自動化するとともに,測定部の形状を最適化し,新規なデータ処理法を導入することで安価であっても精度の高いストークス径が測定できる粒度分布測定機を提案しています.