広島大学保健管理センター
健康応援シリーズー疾患編ー
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健康応援シリーズー疾患編ー

I6 皮膚の病気-わきが(腋臭症)・多汗症-
2003年発行

わきが(腋臭症)

[受診科]皮膚科

[原因]  汗を分泌する汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺の2種類あります。エクリン腺は全身の皮膚に分布し、水分を主とする汗を分泌して、体温を下げる働きをしています。アポクリン腺は、わきの下、乳房、外陰部などの限られた場所にのみ分布しており、思春期に分泌し始めます。分泌物はいろいろな物質を含むので、粘り気があります。
 わきがは、汗腺のうち、アポクリン腺から出る汗が原因となります。アポクリン腺から出る汗は、本来は無臭なのですが、皮膚に常在する細菌により分解されてにおいがでます。

[症状]
 発症はだいたい12、13歳以降です。思春期に特に強くなりますが、やがて軽くなり、40歳代以降はかなり症状が治まります。

[治療]
 汗っかきだけの問題なら、汗の対策をすればよいことです。ひとりで悩んでいないで、一度家族などの信頼できる人に、本当に自分にわきががあるかどうか聞いてみましょう。

 日常生活の注意としては、
 1.わき毛を剃り、入浴を欠かさないようにして、わきの下を清潔に保つ。
 2.薬用セッケンでよく洗い、毎日、下着を取り替える。
 3.アルコールを浸した脱脂綿かガーゼで、わきの下をよくふく。
 4.殺菌剤の入った市販の制汗剤を使う。

 わきがを根治させる良い治療法はあまりありません。電気分解による方法がありますが、根気がいる治療法で、一時的にはよくなりますが、またすぐに元に戻ってしまうことが多いようです。わきの下のアポクリン腺を皮膚とともに切り取るという手術もありますが、きずあとが残ったりしますので、決断は慎重にすべきでしょう。

 なお、実際にはそれほど不快なにおいがないのに、必要以上にわきの下のにおいを気にして、他人との交際まで避けるという人もいます。こうなると心の問題ですので、精神科医による治療が必要となります。


多汗症

 だれでも汗をかきますが、その量が異常に多い場合を多汗症といいます。全身的に汗をかく場合と、局所的に汗をかく場合とがあります。

[受診科]皮膚科

[原因・治療]
 原因として、全身性の病気(腫瘍、炎症、バセドウ病、糖尿病など)が潜んでいることもありますので、からだの調子が思わしくないときなどは、医師に相談しましょう。原因となる病気があるときには、その治療が第一となります。
 しかし、一般には体質が関係し、日常の汗に対する対策が必要になります。入浴やシャワーなどで皮膚の清潔を保ったり、寝具や衣類などの環境整備も必要です。また、水の取り過ぎも汗を増やします。水分の取り過ぎにも注意しましょう。

 手足だけに汗をたくさんかく人がいます。手を使う仕事、神経を使う仕事、緊張する人、生真面目な性格の人に多いようです。汗に対する日常の対策のほか、気持ちをほぐしたり、のんびりと過ごすことも大切です。精神安定剤が有効な場合もあります。