Activities

Report on 2016 HINDAS 3rd Regular Seminar


Organizer: HINDAS
Date: 1:00~5:20pm, Monday, 5th, September, 2016
Venue: Large Conference room, 1F, Faculty of Letters, Hiroshima University

 

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Katsuki Umeda(Chiba University)

「インドにおける乳牛改良の進捗と生乳生産構造の変容」(in Japanese)

本報告では、近年のインドにおける生乳生産の地域的動向について、特に乳牛改良の方針と進捗状況という点に着目して検討を行った。

1990年代以降、インドにおける乳牛・水牛飼養頭数の増加率は鈍化しているものの、生乳生産量は依然として増加し続けている。これは、乳牛改良の進捗によって、1頭あたり産乳量が増えた結果と考えられる。産乳量を飛躍的に増やすためには、優秀なヨーロッパ牛を種牡牛として導入し、交雑牛を増やすことがきわめて有効とされる。南部諸州(ケラーラ州・タミルナードゥ州・カルナータカ州)やマハーラーシュトラ州では、交雑牛の比率が高まっている。しかし、高温多湿な気候に交雑牛がうまく適応するとは限らない。マディヤプラデーシュ州・西ベンガル州・オリッサ州などでは、在来牛の選抜・改良を積極的に進めることにより、乳量増加を実現している。ウッタルプラデーシュ州やグジャラート州においては、高乳量種の水牛の増頭が進められている。その一方、東部諸州においては生乳不足が深刻化している。

乳牛改良を促進するためには、AI(人工授精)技術を普及させることが不可欠である。インド各地に計50か所の精液生産センターが設けられ、年間8,855万本の凍結精液ストローが生産されている。AI実施割合には明確な州間格差が認められ、生乳生産の動向と密接に関連していた。2021年次を目標年次とするNational Dairy Planにおいても、優良種畜の導入やAI普及の促進が、インド酪農の最重点課題に挙げられている。乳牛改良の加速化は、インド酪農の姿を大きく変える力を秘めていると言えよう。

                              

 

Kazuo Tomozawa・Lin CHIN・ Tatsuro Huruya(Hiroshima University), Nury I. (Lotus India Biz)

「デリー首都圏の工業労働市場ーハリヤーナー州最大の工業団地IMTマネサールを事例にー」(in Japanese)

本発表は、2015年12月〜2016年1月に実施したIMTマネサールの工業労働市場調査の中間報告である。デリー首都圏に含まれるハリヤーナー州では工業化が急速に進展しており、産業別には自動車工業とアパレル・繊維工業の雇用が卓越している。しかし、前者では請負比率が高い(65%以上)のに対して、後者ではそれが低い(30%未満)という大きな違いがある。本研究は、この2つの労働市場に着目し、その構造を提示することにより、インドの工業化が雇用面にもたらした意義を明らかにすることを目的としている。データの収集はアンケート票を用いた現地調査であり、自動車系ワーカー210名と軽工業系(アパレル・繊維に皮革、家具、その他手工業を加えた)ワーカー92名より回答を得た。両者の属性を比較すると、差異と共通点があることが見いだせた。まず差異については、州の全体傾向と同様に自動車系では請負比率が高い(60%)のに対して軽工業系では低い(21%)、自動車系ではヒンドゥー教徒が軽工業系ではムスリムがそれぞれ相対的に多い、学歴は軽工業系が明らかに低い、そして共に平均年齢は20歳台半ばであるが自動車系では20歳台後半以降の人数は急速に減少するのに対して、軽工業系ではそうした傾向はあるもののそこまで強くはない、といったことが挙げられる。最後の点については、特に自動車系において、20歳台後半以上の者に対して、企業・コントラクター側は雇用契約を結ばない・更新しない意向があることが予想される。共通点については、労働力を地元ハリヤーナー州ではなく、UP州とビハール州に依存してることであり、友澤(2016)で提示した請負ワーカーベルトと同様の供給地域を描き得ることである。今後は収集したデータを精査し、先行研究の成果も踏まえてさらに踏み込んだ考察を展開したい。

                             

 

Yoshimichi Yui(Hiroshima University), Masateru HINO(Chugoku Gakuen University),

V.R.Sharma (Univ. of Delhi)

「メガシティのアーバンフリンジにおける開発実態:マネサールの事例」 (in Japanese)

巨大化するデリーは幹線道路に沿ってさらなる拡大を続け,メガシティを形成している。なかでもデリー南郊に位置するグルガオンはインド国内で最も都市開発の進んだ新興都市のひとつで,さらに南側のマネサールへと拡張都市の形成へと展開している。本報告は,昨年度のマネサールの都市開発の概要や,空き家と空き地に関する住宅調査と住民属性に関する現地調査の報告に続いて,当地域内で顕著な高層のグループハウジング,PG(Paying Guest)とゲストハウスのすべてについて,2016年2月にマネサール・セクター1の住宅地区において実施した現地調査した結果を報告する。グループハウジングは開発地内北部にある開発公社によるグループハウスを除いて,他はすべて住宅協同組合(Corporation of  Housing Society)による建設で,半数は資金難から建設中断となっている。建設されたグループハウジングの大部分は,70~80%の住宅が賃貸住宅であった。このことから,投機目的でグループハウジングを建設が多く,居住予定の無い富裕層が不動産収入を得るために建設していることが予想された。また,工業地域に隣接した住宅地で,周辺に飲食店が少ないことからまかない付きの単身男性向けのPGが多く,ある程度の所得がある若年単身者が1部屋に1~4人で居住していることが明らかとなった。

                            

 

Etsuro Ishigami(Fukuoka University)

「インドICTサービス産業の発展について」 (in Japanese)

本報告はインドICTサービス産業が輸出規模(1000億ドル超)、輸出向け被雇用者(290万人超)の規模を「インド最大の民間部門」(NASSCOM)に拡大してきたが、輸出仕向け先の米国の圧倒的シェア、被雇用者一人当たり収益などではこの「高成長」においてあまり変化がない。報告者は、米国を顧客としさらに近年、米国多国籍企業の自社専用拠点がインドにおいてプレゼンスを増していることもふまえ、この産業の最大の解明されるべきポイントは米国とインドの関係ではないのかという問題意識から報告した。今回、報告者があらたに取り組んだ内容は、(1)米国商務省経済分析局の統計(BEA)などから見える構図を明らかにしたこと、(2)米港を中心とした多国籍企業のインドにおける研究開発と自社専用開発拠点の概要について検討したこと、(3)米国への人材移動という観点から、H-1Bビザ取得におけるインド企業、インド人のプレゼンスを議論したことである。

                            

 

 

    

 

    

 

 

 

   

      

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