活動状況

2017年度 HINDAS 第2回 研究集会 報告

【主催】南アジア地域研究 広島大学拠点(HINDAS)

【日時】2017年7月15日(土)14:00〜17:20

【場所】広島大学 文学研究科 1階 大会議室(東広島キャンパス)

【報告】

 三宅 博之(北九州市立大学)
 「廃棄物管理の社会配慮的側面を探るーバングラデシュ・南ダカ市の有価廃棄物回収児童調査を通して」

 

  

 

 鍬塚 賢太郎(龍谷大学)
 「インド地方都市における起業支援―ICTサービス分野での取り組み―」

インド地方都市におけるICTサービス分野での起業家の行動と,それへの支援策について報告した。起業家と,それを取り巻く環境もしくは外部性との関係から,地方都市における起業機会の特徴を明らかにすることを念頭に置いている。
インド地方都市では,州政府による若年層の雇用創出を企図した大企業の事業所誘致だけでなく,地元起業家の創業もみられる。本報告では,チャンディーガル,アフマダーバード,インドールでの現地調査に基づきながら,地元企業の活動実態について考察を加え,経営者の持つローカルな人的ネットワークに基づく創業と,情報通信技術を用いたグローバルな事業展開というところに,その特徴を見いだせることを指摘した。その上で,2016年からインド政府が開始した起業支援政策「スタート・アップ・インディア」と,それを受けて各州が展開し始めた「スタート・アップ」政策について紹介するとともに,ラージャスターン州ジャイプルでの州政府の取り組みについて,特にインキュベーション施設への聞き取り調査に基づいて中途報告を行った。
参加者からは,報告者の提示したインド起業家の「型」について質問があった。「シュンペーター型」のみでは捉えられない起業家の行動について,さらに議論を積み重ねる必要があるだろう。

 

  

 

 

 日野 正輝(中国学園大学)・由井 義通(広島大学)・V.R.Sharma(Univ. of Delhi)
 「デリー都心部になぜ高層ビルが建設されないのかーその意味と大都市圏の空間構造に及ぼす影響」
 

アジアの多くの大都市では1990年代以降都心部に高層ビルが林立する業務空間が形成されてきたが,デリーではコンノート・サーカス周辺で70・80年代に高層ビルの建設が多く見られたものの,90年代以降はむしろ少ない。本研究はその理由と,そのことが及ぼした都市圏全体の空間構造上の特徴を検討した。その結果,デリー都心部の高層ビル建築は用途地域指定と建築基準により難しい状況にあり,オフィス需要の増大には,都心部よりもDistrict Centerが対応する傾向にあることが判明した。しかし,District Centerも都市計画上,開発規模が限定されているため,副都心の形成には至らない。代わって,デリーの南西約25kmに位置するハリヤーナー州グルグラム(2016年グルガオンの名称変更)において大規模な業務空間の開発が行われている。インドの都市開発手法は州によって異なり,ハリヤーナー州では民間デベロッパーによる開発が1980年代からライセンス制の下で認められ,グルグラムでは積極的にデリーの外部経済を活かした開発が進められてきた。デリー州を含めた首都圏地域(4州にまたがる広がり)の開発計画の基本的スタンスは,デリーへの産業・人口の集中を抑制することにあり,業務空間の郊外開発は地域計画の目標とも整合する。

  

 

 

  

                  

 

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