[平野敏彦 HP: 2004/06/06]





Cedant arma togae,
武器はトーガ(平服)に道を譲り,

concedat laurea laudi.
(将軍の)月桂冠は(市民の)賞賛に勝らず。


-- Cic.off.1,77. --


マルクス・トゥリウス・キケロは
ローマ共和政末期を生きた
弁論家であり,政治家である。


略年譜









●:著作  ▽:法廷弁論  ▼:その他の弁論 ( ):散佚
岩波書店版『キケロー選集』収録の著作と巻数
Iwanami-Senshu-Pamphlet
写真提供

平野敏彦


前106年
 (0歳)
C.アティリウス・セラーヌスとQ.セルウィリウス・カエピオが執政官の年
アルピーヌム(ローマの南東約100km)の騎士階級の家に生まれる(1月3日)
前105年
 (1歳)
P.ルティリウス・ルーフスとCn.マッリウス・マークシムスが執政官の年

 

前104年
 (2歳)
C.マリウス(2回目)とC.フラウィウス・フィムブリアが執政官の年

 

前103年
 (3歳)
C.マリウス(3回目)とL.アウレリウス・オレステースが執政官の年

 

前102年
 (4歳)
C.マリウス(4回目)とQ.ルタティウス・カトゥルスが執政官の年
弟クィントゥス生まれる
前101年
 (5歳)
C.マリウス(5回目)とM'.アクィリウスが執政官の年

 

前100年
 (6歳)
C.マリウス(6回目)とウァレリウス・フラックスが執政官の年

 

前 99年
 (7歳)
M.アントニウスとA.ポストゥミウス・アルビヌスが執政官の年

 

前 98年
 (8歳)
Q.カエキリウス・メテッルス・ネポスとT.ディディウスが執政官の年

 

前 97年
 (9歳)
Cn.コルネリウス・レントゥルスとP.リキニウス・クラッススが執政官の年
ローマに転居
前 96年
 (10歳)
Cn.ドミティウス・アヘノバルブスとC.カッシウス・ロンギヌスが執政官の年

 

前 95年
 (11歳)
L.リキニウス・クラッススとQ.ムキウス・スカエウォラが執政官の年

 

前 94年
 (12歳)
C.コエリウス・カルドゥスとL.ドミティウス・アヘノバルブスが執政官の年

 

前 93年
 (13歳)
C.ウァレリウス・フラックスとM.ヘレンニウスが執政官の年

 

前 92年
 (14歳)
C.クラウディウス・プルケルとM.ペルペルナが執政官の年

 

前 91年
 (15歳)
L.マルキウス・ピリップスとSex.ユリウス・カエサルが執政官の年

 

前 90年
 (16歳)
L.ユリウス・カエサルとP.ルティリウス・ルプスが執政官の年
軍務につく
前 89年
 (17歳)
Cn.ポンペイウス・ストラボーとL.ポルキウス・カトーが執政官の年

 

前 88年
 (18歳)
L.コルネリウス・スッラ(・フェリクス)とQ.ポンペイウス・ルーフスが執政官の年

 

前 87年
 (19歳)
Cn.オクタウィウスとL.コルネリウス・キンナが執政官の年
 [補充執政官:L.コルネリウス・メルラ]
最初の著作
  ●『発見・構想論』2巻(?:前86年)

『発想論』岩波選集6巻
前 86年
 (20歳)
L.コルネリウス・キンナ(2回目)とC.マリウス(7回目)が執政官の年
 [補充執政官:L.ウァレリウス・フラックス]
前 85年
 (21歳)
L.コルネリウス・キンナ(3回目)とCn.パピリウス・カルボーが執政官の年

 

前 84年
 (22歳)
Cn.パピリウス・カルボー(2回目)とL.コルネリウス・キンナ(4回目)が執政官の年
前 83年
 (23歳)
L.コルネリウス・スキピオ・アシアティクスとC.ノルバヌスが執政官の年

 

前 82年
 (24歳)
C.マリウスとCn.パピリウス・カルボー(3回目)が執政官の年

 

前 81年
 (25歳)
M.トゥリウス・デクラとCn.コルネリウス・ドラベッラが執政官の年
最初の弁論を行う
  ▽クィンクティウス弁護弁論
前 80年
 (26歳)
L.コルネリウス・スッラ・フェリクス(2回目)とQ.カエキリウス・メテッルス・ピウスが執政官の年
  ▽アメリアのロスキウス弁護弁論 「ロスキウス・アメリーヌス弁護」岩波選集1巻
前 79年
 (27歳)
P.セルウィリウス・ウァティア(・イサウリクス)とAp.クラウディウス・プルケルが執政官の年
アテナイ,ロードス島,小アジアへ遊学(前77年に帰国)
前 78年
 (28歳)
M.アエミリウス・レピドゥスとQ.ルタティウス・カトゥルスが執政官の年

 

前 77年
 (29歳)
D.ユニウス・ブルートゥスとMam.アエミリウス・レピドゥス・リウィアヌスが執政官の年
テレンティアと結婚(?:前79年)
娘トゥリア生まれる
前 76年
 (30歳)
Cn.オクタウィスとC.スクリボニウス・クリオーが執政官の年

 

前 75年
 (31歳)
L.オクタウィスとC.アウレリス・コッタが執政官の年
財務官(クァエストル)としてシキリアに赴任
前 74年
 (32歳)
L.リキニウス・ルクッルスとM.アウレリウス・コッタが執政官の年
元老院議員(セナートル)になる
前 73年
 (33歳)
M.テレンティウス・ウァッロ・ルクッルスとC.カッシウス・ロンギヌスが執政官の年
前 72年
 (34歳)
L.ゲリウス・ポプリコラとCn.コルネリウス・レントゥルス・クロディアヌスが執政官の年

 

前 71年
 (35歳)
P.コルネリウス・レントゥルス・スーラとCn.アウフィディウス・オレステスが執政官の年
前 70年
 (36歳)
Cn.ポンペイウス・マグヌスとM.リキニウス・クラッススが執政官の年
  ▽カエキリウス訴追者決定弁論(ウェッレース事件関連)
  ▽ウェッレース訴追弁論

「ウェッレース弾劾」岩波選集4・5巻
前 69年
 (37歳)
Q.ホルテンシウス・ホルタルスとQ.カエキリウス・メテッルス(・クレティウクス)が執政官の年
按察官(アエディリース)に就任
  ▽トゥリウス弁護弁論
  ▽フォンテイウス弁護弁論
  ▽カエキーナ弁護弁論
前 68年
 (38歳)
L.カエキリウス・メテッルスとQ.マルキウス・レークスが執政官の年
 [補充執政官:セルウィリウス・ウァティア]

 

前 67年
 (39歳)
C.カルプルニウス・ピソとM'.アキリウス・グラブリオが執政官の年
  ▽喜劇役者ロスキウス弁護弁論
前 66年
 (40歳)
M'.アエミリウス・レピドゥスとL.ウォルカティウス・トゥッルスが執政官の年
法務官(プラエトル)に就任
  ▼マニリウス法賛成弁論=ポンペイウスにインペリウムについて
  ▽クルエンティウス弁護弁論


「クルエンティウス弁護」岩波選集1巻
前 65年
 (41歳)
L.アウレリウス・コッタとL.マンリウス・トルクァトゥスが執政官の年
息子マルクス生まれる(?:前67年,前64年)
前 64年
 (42歳)
L.ユリウス・カエサルとC.マルキウス・フィグルスが執政官の年
次年度の執政官(コーンスル)選挙に当選
前 63年
 (43歳)
M.トゥッリウス・キケロとC.アントニウス・ヒュブリダが執政官の年
執政官に就任
カティリーナの陰謀事件を鎮圧
  ▼土地法について
  ▽ラビリウ弁護弁論
  ▼カティリーナ弾劾弁論
  ▽ムーレーナ弁護弁論




「カティリーナ弾劾」岩波選集3巻
「ムーレーナ弁護」岩波選集2巻
前 62年
 (44歳)
D.ユニウス・シラーヌスとL.リキニウス・ムーレーナが執政官の年
  ▽スラ弁護弁論
  ▽詩人アルキアース弁護弁論

「アルキアース弁護」岩波選集2巻
前 61年
 (45歳)
M.プピウス・ピソ・フルギ・カルプルニアウスとM.ウァレリウス・メッサッラ・ニゲルが執政官の年

 

前 60年
 (46歳)
Q.カエキリウス・メテッルス・ケレルとL.アフラニウスが執政官の年
前 59年
 (47歳)
C.ユリウス・カエサルとM.カルプルニウス・ビブルスが執政官の年
  ▽フラックス弁護弁論 「フラックス弁護」岩波選集2巻

前 58年
 (48歳)
L.カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスとA.ガビニウスが執政官の年
ローマ追放を決議され,マケドニアのテッサロニカに亡命(4月29日出国)
前 57年
 (49歳)
P.コルネリウス・レントゥルス・スピンテルとQ.カエキリウス・メテッルス・ネポスが執政官の年
追放解除が決議され,ローマに帰還
  ▼帰国感謝演説(元老院にて:9月5日)
  ▼帰国感謝演説(市民に対して)
  ▼家について(神官団の面前で)
前 56年
 (50歳)
Cn.コルネリウス・レントゥルス・マルケッリアヌスとL.マルキウス・ピリップスが執政官の年
  ▼占者の返答について
  ▼執政官の属州統治について 
  ▽セスティウス弁護弁論
  ▽ウァティニウス尋問弁論(セスティウス事件関連)
  ▽カエリウス弁護弁論
  ▽バルブス弁護弁論


「セスティウス弁護」岩波選集1巻


「バルブス弁護」岩波選集2巻
前 55年
 (51歳)
Cn.ポンペイウス・マグヌス(2回目)とM.リキニウス・クラッスス(2回目)が執政官の年
  ▼ピソ弾劾演説 
  ●『弁論家について』3巻
  (●『わが執政官時代』)
「ピーソー弾劾」岩波選集2巻
『弁論家について』岩波選集7巻

前 54年
 (52歳)
L.ドミティウス・アヘノバルブスとAp.クラウディウス・プルケルが執政官の年
  ▽プランキウス弁護弁論
  ▽スカウルス弁護弁論
  ▽ラビリウス・ポストゥムス弁護弁論
前 53年
 (53歳)
Cn.ドミティウス・カルウィアヌスとM.ウァレリウス・メッサラ・ルーフスが執政官の年
卜占官(アウグル)に就任
  ▽ミロー弁護弁論
  ●『法律について』執筆開始

「ミロー弁護」岩波選集2巻
『法律について』岩波選集8巻
前 52年
 (54歳)
Cn.ポンペイウス・マグヌス(3回目)とQ.カエキリウス・メテッルス・ピウス・スキピオ・ナシカが執政官の年

 

前 51年
 (55歳)
Ser.スルピキウス・ルーフスとM.クラウディウス・マルケッルスが執政官の年
属州総督(プローコーンスル)として小アジアのキリキアに赴任
    (49年1月にローマに帰還)
  ●『国家について』6巻完成[第4巻第9節〜第29節が「スキピオの夢」]


『国家について』岩波選集8巻
前 50年
 (56歳)
L.アエミリウス・パウッルス・レピドゥスとC.クラウディウス・マルケッルスが執政官の年

 

前 49年
 (57歳)
C.クラウディウス・マルケッルスとL.コルネリウス・レントゥルス・クルスが執政官の年
カエサルとポンペイウスの内戦で,ギリシアにいるポンペイウス陣営に(6月7日出国)
前 48年
 (58歳)
C.ユリウス・カエサル(2回目)とP.セルウィリウス・ウァティア・イサウリクスが執政官の年
ポンペイウスの敗北後,ブルンディシウムに戻る(47年9月末まで滞在)
前 47年
 (59歳)
Q.フーフィウス・カレーヌスとP.ウァティニウスが執政官の年

 

前 46年
 (60歳)
C.ユリウス・カエサル(3回目)とM.アエミリウス・レピドゥスが執政官の年
テレンティアと離婚
プーブリアと再婚
  ▽マルケルス弁護弁論
  ▽リガリウス弁護弁論
  ●『ブルートゥス』1巻
  ●『ストア派のパラドックス』1巻
  ●『弁論家の最高の類について』1巻
  ●『弁論家』1巻


「マルケッルスのための感謝演説」岩波選集2巻
「リガーリウス弁護」岩波選集1巻



前 45年
 (61歳)
C.ユリウス・カエサル(同僚執政官なし)が執政官の年
 [補充執政官:Q.ファビウス・マクシムス,C.トレボニウス,C.カニニウス・レビルス]
娘トゥリア死ぬ
プーブリアと離婚
  ▽デイオタルス王弁護弁論
  ●『弁論術の区分について』1巻
  (●『慰め』)
  (●『ホルテンシウス(哲学への誘い)』)
  (●『カトゥルス』・『ルクッルス』[=『アカデミカ前書』2巻])
  ●『アカデミカ〔後書〕』4巻
  ●『最高善と最大悪について』5巻
  ●『トゥスクルムにおける討論』5巻
  ●『神々の本質について』3巻


「デーイオタルス弁護」岩波選集1巻
『弁論術分類』岩波選集6巻




『善と悪の究極について』岩波選集10巻
『トゥスクルム荘対談集』岩波選集12巻
『神々の本性について』岩波選集11巻
前 44年
 (62歳)
C.ユリウス・カエサル(5回目)とM.アントニウスが執政官の年
 [補充執政官:P.コルネリウス・ドラッベラ]
  ▽アントニウス弾劾弁論=ピリッピカ
    (第1回目が9月2日,その後43年まで14編)
  ●『老年について(大カトー)』1巻
  ●『卜占について』2巻
  ●『友情について(ラエリウス)』1巻
  ●『運命について』1巻
  ●『トピカ』1巻
  (●『栄光について』)
  ●『義務について』3巻
「ピリッピカ−アントーニウス弾劾」岩波選集3巻

『大カトー・老年について』岩波選集9巻

『ラエリウス・友情について』岩波選集9巻
『運命について』岩波選集11巻


『義務について』岩波選集9巻
前 43年
 (63歳)
C.ウィビウス・パンサ・カエトロニアヌスとA.ヒルティウスが執政官の年
 [補充執政官:C.ユリウス・カエサル[オクタウィアヌス],Q.ペディウス,P.ウェンティディウス,C.カッリナス]
暗殺される(12月7日:弟クィントゥスも)



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