広島芸術学会 芸術展示 第10回展「不在の存在論」

 
会期
2017年2月21日(火)~2月26日(日)
[会期中無休]
[入場無料]

 
出品作家
広島県立美術館県民ギャラリー:中山 いくみ(以上、招待作家)、久保田 貴美子、越川 道江、才田 博之、
椎木 剛、田川 久美子、竹村 信子、千田 禅、根木 達展、一鍬田 徹、 船田 奇岑、的場 智美、三浦 実一、
藪野 圭一(以上、広島芸術学会会員)
ギャラリーG:諌山 元貴、柴川 敏之(以上、招待作家)、范 叔如(以上、広島芸術学会会員)


開場時間
広島県立美術館県民ギャラリー 9:00~17:00 ※2月24日(金)は19:00まで
ギャラリーG  11:00~19:00 ※2月26日(日)は17:00まで
 
主催
広島芸術学会

広島芸術学会 芸術展示 第10回展「不在の存在論」

地域に根差した学会として、広範に活動を続けている広島芸術学会。同会の設立20周年の機会に合わせて規模を拡大し、隔年で実施している「芸術展示」を開催致します。

テーマは「不在の存在論」。広島では、原爆投下により多くのものが失われました。しかし、それにもかかわらず、私たちのそばに残り続けるものがあるのではないかと思います。持ち主の失われた被爆遺物が、いまもなお強固に存在感を感じさせるように。

本展では、広島芸術学会会員と、広島ゆかりの招待作家を併せた、17名の作家たちの作品を同時期に2か所の会場でご紹介します。広島に住まい、思索を深めてきた作家ならではの「不在」を表現した作品群をぜひご覧ください。


出品作家によるアーティストトーク (司会:山下寿水[本展企画担当者、広島県立美術館学芸員])
2月25日(土) 14:00~(ギャラリーG) 14:30~(広島県立美術館 県民ギャラリー)
 
会場
広島県立美術館県民ギャラリー
〒730-0014 広島市中区上幟町2-22 TEL.082-221-6246
ギャラリーG
〒730-0012 広島市中区上八丁堀4-1公開空地内 TEL.082-211-3260

 

チラシは、以下のリンクからダウンロード可能です

不在の存在論(pdf)

 

 

― 次回第117回例会のご案内 ―

下記のとおり第117回例会を開催いたします。多数お集まりください。

例会終了後に、忘年会を兼ねた懇親会を開催しますのでふるってご参加ください。会場は例会会場 近辺、会費は3,500円程度の予定です。詳細は当日、お知らせいたします。

日時:2016年12月17日(土) 15:00~17:00

会場:サテライトキャンパスひろしま 604中講義室(6階)

(広島市中区大手町1-5-3 広島県民文化センター内 Tel.082-258-3131)

 

<研究発表要旨>

① 戦後台湾の日本語文学―黄霊芝「自選百句」の方法―

下岡友加(広島大学大学院文学研究科准教授)

黄霊芝(1928-2016)は、創立当初(1970)から台北俳句会の主宰をつとめた俳人であり、『台湾俳句歳時記』(2003、言叢社)の著者である。黄の俳句暦は60年に及んだが、彼が最終的に行き着いた俳句観を知る手がかりとして「自選百句」がある(『戦後台湾の日本語文学 黄霊芝小説選2』2015、溪水社)。

本発表は、まず「自選百句」が「台北俳句集」「黄霊芝作品集」「候鳥霊芝合同俳句集」「台湾俳句歳時記」等、過去の黄の句からどのように選ばれ、構成されているかを詳らかにする。句の初出年代からすれば、「自選百句」は黄の長い句歴に広くまたがり、年代ごとの代表句をほぼ平等に拾うかたちで構成されていることがわかる。また、選ばれた百句をリズム、音調、季語、取り合わせの観点から分析すると、結果として次の四点が特徴として指摘できる。第一に、定型を基調とした句が92句を占め、自由律俳句は多くない。第二に、リフレインによる音調への高い意識が見られ、百句の結びにその典型句が集中して置かれている。第三に、季語は99句に採用され(台湾季語30句、日本季語69句)、重要な要素として機能している。第四に、黄霊芝俳句の基本構造として既に指摘のある「二章体の配合」(磯田一雄)、「両物対立原理」(阮文雅)といった方法が確認され、その取り合わせのために定型が破られる場合がある。その他、口語的表現の採用や自然物と人間を同等に捉える世界観、諧謔性や遊びの要素等を見てとることができる。

黄は生前、「俳句は日本の先生が開拓した分野だけど、それに巻き込まれるのではなくて、という気持ち」(2013.7.14インタヴュー)があると話していた。本発表はそのような彼の追究する独自性が、実際にどのように表現として定着しているかをみる試みである。

 

② ピエール・ボナール作《桟敷席》に関する一考察―ベルネーム=ジュヌ画廊との関わりを中心に―

渡辺千尋(呉市立美術館学芸員)

ピエール・ボナール(1867-1947)はモーリス・ドニやポール・セリュジエらとナビ派を結成し、本格的に画家としての活動を始めることとなるが、1900年以降ナビ派の活動が収束すると、その後は特定の芸術動向には属さず画業を続けた。ボナールは画業の初期からポール・デュラン=リュエルやアンブロワーズ・ヴォラールといった、パリの有力な画廊で個展やグループ展を開催したが、ベルネーム=ジュヌ画廊もボナールの画業形成において大きく関わった画廊である。現在もパリ11区で営業しているこの画廊は、1900年ごろ、先代からその息子たちであるジョスとガストンのベルネーム=ジュヌ兄弟に経営が引き継がれた。同世代の若く有望な芸術家たちの作品を取り扱いたいと考えていた兄弟は、1906年にボナールと専属的な契約を結び、以後公私に渡ってボナールを支援することとなる。

ボナールは兄弟の肖像画として2点の油彩画を制作しているが、1908年に制作された《桟敷席》では、ガストンの頭部が画面の上端で寸断されるという大胆な構図で描かれている。この頭部の寸断について、先行研究では、ボナールの兄弟に対する皮肉とする考えが見受けられる。しかしボナールは画業を通じて、画面の上端で人物像の頭部が寸断される構図を多用しており、ベルネーム兄弟もこの画面構成をボナール作品の特徴として認識していた。

本発表では、ボナールと、彼の画業において重要な役割を担ったベルネーム=ジュヌ画廊との関係を整理し、これまで十分な考察がされてこなかった《桟敷席》の作品解釈を試みる。

● 広島芸術学会第29回総会・大会のご案内

場所:広島県立美術館 地階講堂(広島市中区上幟町2-22)

《 総会 》                             9時30分~10時00分

《 大会 》                             10時10分~16時30分

◆ 研究発表

① ノスタルジア(Nostalgia)論―「生の記憶」と「時間の不可逆性」を基軸として   10時10分~10時50分 沼田有史(広島大学大学院総合科学研究科博士課程)

②「めづらし」さと「稽古」―中世和歌における表現理念と持続原理    11時00分~11時40分 土田耕督(日本学術振興会・国際日本文化研究センター)  

③ 川端康成における西行の美学           11時50分~12時30分 グェン ルン ハイ コイ(ホーチミン市師範大学)

― 昼休憩 ―         12時30分~13時10分

④ 積極的平和と芸術―「ゼロ平和」から見る芸術の創造的価値     13時10分~13時50分 田中 勝(東北芸術工科大学・文明哲学研究所)    

― 休憩 ―         13時50分~14時30分

◆ シンポジウム                      

14時30分~16時30分

テーマ:戦争画と「原爆の図」をめぐって―その政治性と芸術性の問題

(共催:広島県立美術館)

登壇者:平瀬礼太(美術史家)

             岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)

             西原大輔(当会会員、広島大学大学院教授)

             大井健地(当会会員、広島市立大学名誉教授)

司会:谷藤史彦(当会会員、ふくやま美術館学芸課長)

◆ 懇親会

大会終了後、会場の近くで懇親会を予定しています。

広島芸術学会第28回総会・大会のご案内

日時:2015年8月1日(土)9時30分~16時30分

場所:広島県立美術館 地階講堂(広島市中区上幟町2-22)

 

《 総会 》                                                                       9時30分~10時00分

 

《 大会 》                                                                    10時10分~16時30分

 

 ◆ 研究発表

  ① ノスタルジア(Nostalgia)論「生の記憶」と「時間の不可逆性」を基軸として 

 沼田有史(広島大学大学院総合科学研究科博士課程)                               10時10分~10時50分

  ②「めづらし」さと「稽古」中世和歌における表現理念と持続原理             11時00分~11時40分

         土田耕督(日本学術振興会・国際日本文化研究センター)   

  ③ 川端康成における西行の美学                                11時50分~12時30分

    グェン ルン ハイ コイ(ホーチミン市師範大学)

― 昼休憩 ―                                                             12時30分~13時10分

  ④ 積極的平和と芸術「ゼロ平和」から見る芸術の創造的価値                  13時10分~13時50分

    田中 勝(東北芸術工科大学・文明哲学研究所)                                    

                           ― 休憩 ―                                         13時50分~14時30分

 

 ◆ シンポジウム                                               14時30分~16時30分

テーマ:戦争画と「原爆の図」をめぐってその政治性と芸術性の問題

 (共催:広島県立美術館)

   登壇者:平瀬礼太(美術史家)

            岡村幸宣(原爆の図丸木美術館学芸員)

            西原大輔(当会会員、広島大学大学院教授)

            大井健地(当会会員、広島市立大学名誉教授)

    司会:谷藤史彦(当会会員、ふくやま美術館学芸課長)

◆ 懇親会

大会終了後、会場の近くで懇親会を予定しています。

 

第111回例会のご案内
下記のとおり第111回例会を開催いたします。お誘いあわせの上、多数ご参加ください。

 

高原の美術館と愛媛のニューウェーヴ探訪

郷土料理の昼食後、学芸員、地元の方のご案内で、久万高原町立久万美術館、砥部焼 工藤省治「春秋窯」、伊丹十三記念館、エヒメイズムを専用バスで見学します。

● 久万高原町立久万美術館は、地元の林業家・政治家として活躍した井部栄治氏収集のきわめて質の高い絵画・陶器などのコレクションの寄贈を受け、平成元年3月 に開館した木造建築の美術館です。『気まぐれ美術館』で有名な現代画廊の洲之内徹氏が収集に協力していたことでも知られています。山里の小さな美術館として著名ですが、なかなか訪れる機会がなかった方も多いと思います。現在「木の薫り-風景画を中心に」と題した所蔵品展が開催中です。

 

● 伊丹十三記念館は『芸術新潮』などでお馴染みの建築家中村好文氏の建築も見所ですが、父の伊丹万作を含めて、俳優・監督・著作家としてユニークな活動で知られる伊丹の多面性をそのまま実感できる新しい展示が印象的です。

 

● 今治タオルをはじめとして、近年愛媛県ではデザイン・ワークを活用した地元ブランドの発信が活発につづけられ、全国的にも注目を集めています。伝統ある焼き物の大産地砥部で新しい活動をつづける春秋窯、新しい動きの中心的存在であるデザイン事務所エイトワンの仕事を見ることができるアンテナショップ「エヒメイズム」も見学します。

日程:2015年5月17日(日) 

時間:集合11:00 松山観光港 ― 解散17:30 同所 

参加費:9,000円(専用バス料金+昼食代+保険料)

※ 参加人数によって若干の変動が考えられますのでご承知ください。

※ 松山までの交通費、博物館入館料は含みません(下記、備考欄を参照)。

参加申込:5月12日(火)までに、末永suenaga@gaines.hju.ac.jp またはファックス0848-37-0083までお申し込みください。

(先着順に受付、集合場所などの詳細をお知らせします。ただしバスの収容人数に達した場合は締め切ります。)

 

―備考―

◆ 広島宇品~松山観光港(船便:瀬戸内海汽船と石崎汽船の共同運行)

【往路】8:15 広島港宇品旅客ターミナル発(フェリー)→(呉港9:00)→ 10:55松山観光港着

    9:30 広島港宇品旅客ターミナル発(高速ジェット・フォイル船)→(呉港9:53)→ 10:47着

【復路】18:00 松山観光港発(高速ジェット・フォイル船)→(呉港18:55)→ 19:17広島港着

    18:05 松山観光港発(フェリー)→ (呉港20:00)→ 20:45着

【料金】広島~松山:フェリー[往復6,480円]、高速ジェット・フォイル船[往復13,490円]

(広島宇品の切符売り場は、ターミナルビルの東側の建物です)

※ 特に予約は必要ないと思われますが、各自でご購入ください。

※ 往復割引、片道割引、学生・シニア割引有り。往復で高速+フェリーの組み合わせ可能。

 

 

第110回例会のご案内
下記のとおり第110回例会を開催いたします。

日時:2015年3月15日(日) 15:00~17:20頃

会場:広島大学学士会館2階 レセプションホール

  (〒739-0046 広島県東広島市鏡山1丁目2-2 ※ 前ページに周辺地図を載せています)

 

<研究発表要旨>

① 「ベアトの富士山―オリエンタリズムから読み解く明治日本

              石本理彩(広島大学大学院総合科学研究科博士課程)

 近代化されつつあった明治日本において、あえてプリミティブな文化を前面にだす写真を撮影したベアト。その象徴として背景に描かれた富士山。それはかつて、西欧人が中東のエキゾチックな風俗を、モスクやアラベスク文様とともに捉えたのに近似している。

  日本初期写真史において最も重要な写真家の一人であるベアトと、最も重要な被写体の一つ富士山という組み合わせを選び、その図像をサイード的オリエンタリズムの視点から読み解くことで、ベアトが富士山をどのような意図で用いていたのかを抽出し、そこから欧米の人々に植え付けられていったであろう日本イメージを検証することが本発表の目的である。さらに、明治期の国際関係において、それらが産業として商業的に十分な役割を果たした一方で、精神的に果たした役割が何であったかを論じたい。

 研究方法として、第一にベアトの富士山の写真の中から、ジャンル別に分類し、その代表的なものを図像分析する。次に、同時代に来日したユーグ・クラフトの写真と比較検討することで、ベアトの富士山の特性について考察したい。

 

② 「中国における「幽玄」の解明―用例研究を中心に―」

        鄭子路(Zheng Zilu)(広島大学大学院総合科学研究科博士課程)

「幽玄」は日本の中世文芸のみならず能楽論においても、重要な概念の一つであり、「もののあはれ」、「わび」、「さび」、「いき」と共に、日本美の典型、または「日本的なるもの」と見なされている。しかし、「幽玄」は、漢籍に由来する複雑な用語また概念である。従来の研究者の努力によって、日本の歌論や能楽論における「幽玄」の使用状況は、相当に解明されているが、不明の箇所も残り、とりわけ中国における「幽玄」の使用法はまだ明らかにされていない。例えば、能勢朝次氏は『幽玄論』において、「幽玄という語は、最初は仏教学者によって、仏法の深遠奥妙で窺測し難いという意を示すに用いられていたという事実がある」(思文閣、1981年、204頁)と指摘したが、最近証拠も出た。

「幽玄」の最初の用例を「どこに求められたらよいか」という問題の追究はそんなに大切ではないかもしれないが、日本の「幽玄」を考察する時に、まず中国における「幽玄」の原義を理解することには意義があり、避けられないことでもある。

筆者は中国の古典文献を網羅した『四庫全書』(1781年)を調査し、三百カ所以上の用例を見いだした。これらの用例は宗教経典から一般典籍にかけての様々な領域で出現し、かなり規範的に使われていた。

本発表では、これらの用例に基づいて、中国における「幽玄」の用例を時間順・ジャンル別に整理し、その意味、用法を吟味する。特に『古今和歌集・真名序』(紀貫之、905年)の成立以前の時期に於ける中国漢籍に於ける「幽玄」の原義、またそこに含まれる美的意味の解明を試みる。そのことで、日本への移入による変容等を探る基盤としたい。

 

第109回例会のご案内
下記のとおり第109回例会を開催いたします。

今回は、例年どおり2件の研究発表を行います。その後、懇親会も開きますので、是非ご参加下さい。

※懇親会の場所、時間等は当日お知らせします。

日時:2014年12月20日(土) 14:00~16:30

会場:広島YMCA国際文化センター  本館 4階 401会議室

  (〒730-8523 広島県広島市中区八丁堀7-11 ※ 前ページに周辺地図を載せています

 

<研究発表要旨>

① 「ジャン・コクトーとフランソワ・トリュフォーの映画に見る作家性の系譜」

              安部孝典(関西学院大学大学院文学研究科 研究員)

フランソワ・トリュフォー(1932-1984)は1950年代末のフランスで起こったヌーヴェル・ヴァーグの中心的映画監督であり、ジャン・コクトー(1889-1963)はその一世代前の芸術家、映画監督である。両者の接点はヌーヴェル・ヴァーグの隆盛期以前にさかのぼる。コクトーは59年のカンヌ国際映画祭において名誉審査委員長をつとめ、トリュフォーの監督デビュー作『大人は判ってくれない』(1959)に監督賞をもたらした。また、その翌年、トリュフォーはコクトーの遺作『オルフェの遺言』(1960)に資金協力し、製作費の確保に苦しむコクトーに救いの手を差し伸べた。こうした二人の親交や協力関係は、例えばアントワーヌ・ド・ベックとセルジュ・トゥビアナによる評伝の中に詳しいが、一方で具体的な両者の映画作品の比較はなされてこなかった。

 本発表では、前半でコクトーとトリュフォーの映画製作における親交の軌跡を簡単にたどり直し、後半で両者の映画に見られる逆再生やストップ・モーションといった特異な技法に着目し比較・検討する。そうした映画内時間の操作を検証することにより、ヌーヴェル・ヴァーグ以前の作家であるコクトーと、その中心人物であったトリュフォーの映画的表現における影響関係が見いだされるだろう。それらの分析を通してコクトーからトリュフォーへと連なるヌーヴェル・ヴァーグの作家性の系譜の一端を明らかにしたい。

 

② 「建築写真のモダニティー、あるいは新即物主義のリアリズムについて」

                       山下寿水(広島県立美術館 学芸員)

建築写真とは、主に、新規に作られた建築物をメディアで紹介するために撮影された写真のことである。当然のことだが、建築物は建てられた土地から動くことが出来ない。それ故に、古くから建築ジャーナリズムはイメージの伝達の為に写真を用いてきた。だが、ただ単純に建物を被写体とした写真のことが「建築写真」と言われるのではなく、あくまで建築写真的な撮影方法がそこでは遵守されてきた。

建築写真の制作手法における特徴の一つとして、画面からノイズを排除することが挙げられる。建築写真というメディアを巧みに使った一人としては建築家のル・コルビュジエが知られるが、人物や生活の痕跡といったノイズを画面から排除することで、建築写真は写真に特有の哀愁(それはかつてあった)を排除し、ある種の永遠性を示すといえる。

本発表では、そうした建築写真的空間と、1923年にマンハイム美術館館長のグスタフ・フリードリヒ・ハルトラウプによって提唱された、客観的、冷静なリアリズム表現を特徴とする新即物主義の作家としてカテゴライズされるアレクサンダー・カーノルトのノイズ性を排除した作品等を横断しながら、モダニズム美術―建築を再考する。

第108回例会のご案内

下記のとおり第108回例会を開催いたします。★ 詳細は、同封のチラシをご覧ください。

 

いちえプロジェクト第二回公演

一人芝居 「ぼっけえ、きょうてえ」鑑賞会

 

 

 今回の例会は趣向を変えて、演劇の鑑賞会です。観劇の後に広島芸術学会の会員とその同伴者の方のみ限定の時間をいただき、会場で出演者の方にこの作品についてお話をお聞きしたいと思います。今回の公演会場は名勝 縮景園の清風館。原作は日本ホラー小説大賞と山本周五郎賞を受賞した岩井志摩子の怪奇文学。歴史ある縮景園でどのような演出と演技が観られるのか、ご期待ください。

 

 

公演日時:  10月4日(土) 14:00~15:30 (開場は13:30)

出演者との対談: 公演後、30分間の休憩をとり16:00から16:45までを予定。 

公演会場: 縮景園 清風館 (730-0014 広島県広島市中区上幟町2−11)

集合時間: 10月4日(土) 13:15

集合場所: 縮景園 正門入口

     ※ここでチケットをお配りしますので、必ずお集まりください。

このチケットは縮景園の入園券も兼ねていますので、別途、入園券をお買い求めになる

必要はありません。

参加費: 1,800円  ※広島芸術学会会員の方の特別価格です。当日、チケットと交換します。

           ※会員以外の同伴者は通常の前売り価格の2,800円をいただきます。

申込締切:  9月15日(月・祝)

申込先: E-mail: wcwfg550@ybb.ne.jp (松田 弘)

    またはFax: 082-849-1528 (松田 弘)

        ① 氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名も)

    ② 連絡先の電話番号

    ※ 今回、会報に同封しましたチラシに、「◎チケット取扱」場所が記されていますが、

特別価格のため広島芸術学会会員としての申込と購入はできません。

必ず上記の申込先(松田)までメールかファックスでお申込みください。

 

広島芸術学会第28回総会・大会のご案内

広島芸術学会第28回総会・大会 案内

 

日時:2014年7月27日(日)9時30分~16時00分

場所:ひろしま美術館 講堂(広島市中区基町3-2)

 

《 総会 》                                                 9時30分~10時00分

 

《 大会 》                                                 10時10分~17時00分

 

 ◆ 研究発表

  ①「日本画と洋画のはざまで——知られざる画家三好光志について——」               10時10分~11時00分

    向井能成(呉市役所産業部海事歴史科学館学芸課市史編さん係)

  ②「サイト・スペシフィック彫刻の可能性と課題——日本のアート・プロジェクトを中心に——」

         村上祐介(広島大学大学院教育学研究科研究生)                              11時10分~12時00分

 

― 昼休憩 ―                                                                       12時00分~13時00分

 

  ③「ドラクロワの著述にみる文学と絵画」                                13時00分~13時50分

    西嶋亜美(尾道市立大学)                                      

― 休憩 ―                                                                         13時50分~14時30分

 

 ◆ 公開座談会                                                      14時30分~16時00分

テーマ:「芸術におけるメディアとオリジナリティ」

(主催:公益財団法人ひろしま美術館・広島芸術学会)

(1)基調発言  高橋 秀(倉敷芸術科学大学名誉教授)                      14時35分~15時05分

(2)高橋秀氏および登壇者による議論                                             15時05分~15時45分

   登壇者:谷藤史彦(ふくやま美術館学芸課長)

伊藤由紀子(インデペンダント・キュレーター、現代美術)

司会:古谷可由(ひろしま美術館学芸部長)

  (3)会場からの質問等                                                          15時45分~16時00分

 ※ 終了後、希望者は展覧会「東広島市立美術館所蔵:版-技と美の世界」展をご観覧いただけます。

   (会場にて、ひろしま美術館学芸員による解説あり。芸術学会会員は入場無料。終了17時。) 

◆ 懇親会 

大会終了後、会場の近くで懇親会を予定しています。

第107回例会のご案内

下記のとおり第107回例会を開催いたします。お誘いあわせの上、多数ご参加ください。

 

美術展関連企画:<風景と絵画>をめぐって

日時:2014年5月11日(日)14時~17時  

場所:尾道市立美術館(尾道市西土堂町17-19千光寺公園内 0848-23-2281)

 

<例会趣旨>

尾道を見下ろす千光寺公園は美しい新緑の季節を迎え、今多くの人々がここを訪れています。園内に位置する尾道市立美術館では、リッカー・コレクションとしても知られ、質の高い膨大な所蔵品を誇る東京の平木浮世絵財団の作品による「平木コレクション 美しき日本の風景―川瀬巴水、吉田博を中心に―」展(同封の案内チラシを参照)を開催しています。

江戸時代の浮世絵の名品から、著名な近代画家の作品までを幅広く紹介する一方、近年再評価が進む、戦前期に浮世絵の伝統を蘇らせた川瀬巴水、吉田博に焦点をあてた文字どおり「美しき」展覧会です。
 この機会に、幅広く古今東西の作例を見ながら、いろいろな文化において「風景」とは何なのか、それを描き出すとはどういうことなのか、を考えてみたいと思います。

さまざまな立場から議論に参加していただくことを期待し、そのための時間を十分にとる予定です。

会場は絶景を楽しめる美術館のスペースです。たくさんの方の参加をお待ちしています。

当日が展覧会の最終日です。展示をご覧になる方は例会開始前にご観覧ください。

                                      (末永 航)

開始:14時

 

● 講演① ヨーロッパの風景画・風景版画

末永 航(広島女学院大学国際教養学部教授・西洋美術史)

● 講演② 近代日本の風景版画

森山悦乃(公益財団法人平木浮世絵美財団主任学芸員・日本美術史)[予定]

● 講演③ 私の風景画について

范 叔如 FAN SHURU(アーティスト)

会員、非会員を問わず、本例会への参加費は無料です。

  入り口で入館の手続きをお済ませのうえ、会場にお入りください。

   尾道市立美術館へのアクセスについては、同封の、展覧会チラシの裏面をご覧ください。

 

第106回例会のご案内

下記のとおり第106回例会を開催いたします。お誘いあわせの上、多数ご参加ください。

 

日時:2014年3月1日(土)14時~17時頃

場所:広島大学総合科学研究科/総合科学部(東広島キャンパス) 東広島市鏡山1-7-1

    教養教育本部棟、第一会議室(2階南端)

   ※ アクセス案内:http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/access/higashihiroshima/

   ※ 構内周辺マップ:http://www.hiroshima-u.ac.jp/add_html/access/ja/saijyo4.html

バス停「広大西口」下車すぐ、正面の建物が教養教育本部棟です。「正面玄関」から入った上階が

第一会議室のある2階になります。当日は、付近に案内表示を設置します。

 

● 研究発表① 明治後期諷刺漫画における病気の表象:『東京パック』と梅毒を中心に

ロナルド・G・スチュワート(県立広島大学生命環境学部准教授)

● 研究発表② 『図本叢刊』の成立とその周辺

田中 伝(海の見える杜美術館学芸員)

 

<発表要旨>

①明治後期諷刺漫画における病気の表象:『東京パック』と梅毒を中心に|

この発表は明治後期諷刺雑誌の漫画を通じて当時の病気に対する社会的(文化的)態度を探る試みです。明治後期に発行された漫画雑誌は欧米漫画雑誌に範をとっていたため、この雑誌の漫画は従来の日本の諷刺画とはずいぶん異なりました。しかし、使用されている象徴および比喩、ユーモアなどの西洋漫画と異なる面もありました。この面で当時の文化的(特に都会文化の)考え方がある程度示唆されています。これらの漫画雑誌によく表れるテーマの一つは病気です。この漫画を見て、急激に変化しつつあった当時の社会の病気に対する考え方が見えるでしょうか。変化を窺えるでしょうか。この発表では、明治後期に人気を博した雑誌である『東京パック』(1905—1912)の漫画に窺える様々な病気の表象を紹介してから、その病気の一つである梅毒に注目します。日本における梅毒の文化史(医学史)研究を取り上げながら、明治後期漫画にある梅毒の描写でこの病気にたいする社会的な態度の変化が反映されているかどうかを考察します。この社会的・文化的態度を浮き彫りにするために欧米の梅毒史を簡単に振り返り、米国の19世紀はじめのメディアのなかの梅毒像も紹介し、日本の諷刺漫画と比較します。最後に『東京パック』およびもう一つの明治後期諷刺雑誌『滑稽新聞』に掲載された元老(当時韓国統監であった)伊藤博文(1841−1909)を諷刺する漫画に見える梅毒の表象を見せながら、この梅毒表象の意味をより深く探る予定です。

 

②『図本叢刊』の成立とその周辺

 日本と中国大陸両地域の長い交流の歴史の中でも、20世紀初頭の文化交流は、特に盛んであった。その中でも1920年代の日中の美術交流は、空前絶後というべき活況を呈していた。こうした潮流の中心的人物に、東洋美術史家の大村西崖(号帰堂、1868-1927)がいた。大村は、その該博な知識によるのみならず、上海や北京に在住する文人、画家、収蔵家らと交誼を結ぶことによって、地理的・歴史的にも幅広い視野で東洋美術史を論じることができた数少ない日本人のひとりであった。大村の主要な業績のひとつに出版事業があり、多くの美術書籍の刊行に携わったことが知られる。しかし大村がその晩年期、漢籍の復刻事業に精力を傾注したことは、ほとんど注目されてこなかった。本発表では、大村が1923年から1926年にかけて編輯・出版を手がけた稀覯な絵入り漢籍の復刻叢書『図本叢刊』を取り上げる。

 本叢書は、刊行の初期段階においては、日本に所蔵される漢籍を原本としていたが、その後海を隔てた中国で所蔵される漢籍を復刻している。こうした復刻作業遂行の背景には、大村が計画した日本・中国両地域の画家の親善を目的とする美術クラブ「西湖有美書画社」の設立に関わる、大村と上海の人士とのつながりが存在する。大村の『図本叢刊』刊行事業を通して、当時の日中間の文化交流がどのような様相を呈していたのか、またその目的が何であったのか、さらに後世にいかなる影響を及ぼしたのかを指摘する。

 

第105回例会のご案内

下記のとおり第105回例会を開催いたします。お誘いあわせの上、多数ご参加ください。

なお、例会終了後に懇親会(忘年会)を予定しています。

 

日時:2013年12月21日(土)14時~16時 ※ 研究発表終了後に、発表者の重藤氏、ひろしま美術館学芸員の

            古谷可由氏による案内で、館内に展示されているゴッホ作品を鑑賞します。16時~16時40分。

            例会の参加者は入館料不要です。ただし、例会前に入館する場合は別途チケットが必要です。

場所:ひろしま美術館 講堂(広島市中区基町3-2 TEL: 082-223-2530)

  

● 研究発表① ファン・ゴッホの初期作品における色彩および技法―《農婦》の非破壊科学調査の内容について―  
   重藤嘉代(ウッドワン美術館学芸員)

● 研究発表② 廃墟/遺構を観光する―ダークツーリズムと「美」的体験のはざま―
   楊 小平(広島大学大学院国際協力研究科 客員研究員)

 

<発表要旨>

① ファン・ゴッホの初期作品における色彩および技法―《農婦》の非破壊科学調査の内容について―

今年、県下の美術館で、ファン・ゴッホに関連した展覧会が立て続けに3本開催される。県立美術館の「ゴッホ展」を皮切りに、現在ひろしま美術館で開催中の「ハーグ派展」、そして年明けに県美で予定されている「印象派を超えて展」である。各展では、それぞれパリ時代、オランダ時代、アルル時代の作品が紹介され、年代順ではないがファン・ゴッホ芸術の初期から円熟期までを通覧することができる。

今回の例会では、初期のオランダ時代にスポットを当て、画家の道を歩み始めたばかりのファン・ゴッホが、どのような色彩・技法を駆使し、どういったテーマを探求していたのか、ウッドワン美術館所蔵《農婦》の科学調査結果を踏まえて言及したい。

《農婦》(1884-85年制作)は、貴重な初期作品の一つでありながら、今から約60年前に施された修復や変色のため、本来の顔形や色彩が大きく変わってしまっている。その真実の顔に迫るべく、一昨年前の夏、ウッドワン美術館は吉備国際大学と合同で調査を実施。蛍光X線を用いた非破壊調査により、ファン・ゴッホが用いたオリジナルの絵具の特定を行うと同時に、修復前の古い写真からオリジナルの筆致を読み取り、描かれた当初の色彩で復元模写の制作を試みた。この《農婦》と復元模写は、一連の調査研究の成果をまとめたパネルとともに、現在、例会会場(ひろしま美術館)で開催している「ハーグ派展」にて公開中である。発表の内容とあわせて、是非作品を実見していただきたい。

 

② 廃墟/遺構を観光する―ダークツーリズムと「美」的体験のはざま―

 紅葉が染める秋の夜。広島平和公園内にある元安橋に立ち対岸を眺めると、半月が爽やかな白い光を発している。そして、その光の袂には原爆ドームが荘厳と佇み、その姿は静かに川面に映されている。原爆ドームの背後にあるビルは光を発し始め、ビルとドームの間、相生橋を走り抜ける路面電車は、秋の美しい風景に動きを与える。思わず「きれい」という言葉が脳裏に浮かぶ。しかし、廃墟のドーム、無数の遺体が浮かぶ元安川を思い返すと、美しい情景は灰色と化してしまう。

本発表では、「死」や「災害」といった、人間にとっての耐え難い苦難の体験を観光対象とする「ダークツーリズム(dark tourism)」を紹介し、廃墟/遺構を観光する実践と「美」的体験について論じる。日本において原爆ドームは観光資源として機能しており、日本人にとって非常に馴染み深い観光形態である。一方で、中国では戦争の記憶を「灰色記憶」、戦争の遺構や遺物の観光を「紅色観光」と称するように、廃墟や遺構の観光を「ダーク」、「紅色」という色で表現する。発表では、日本と中国の事例を取り上げ、それぞれの文化的文脈において廃墟/遺構を観光する悲しみと「美」的体験に揺れ動く人々の心を分析するとともに、欧米のダークツーリズムという概念の適用の可能性を検討する。

 

第104回例会のご案内

下記のとおり第104回例会を開催いたします。★ 詳細は、同封のチラシをご覧ください。

 

文化財と伊東豊雄建築の大三島周遊

touring around Omishima

秋の一日、瀬戸内海の要衝「国宝の島」を散策しませんか。

 

   古来、海と武人の守護神として尊崇を集めた大山祇神社には宝物館があり、武具では全国の国宝・

重要文化財の約8割が収蔵されています。源義経や鶴姫ゆかりの品々も収蔵されています。また、昨年

ヴェネツィア・ビエンナーレで<パヴィリオン賞(金獅子賞)>を受賞し、また本年は、“建築界のノーベ

ル賞”とも言われるプリツカー賞を受賞した伊東豊雄の建築の美術館が2つあり、見どころとなってい

ます。

 

  日程:2013年9月21日(土)

  時間:集合   08:20 JR広島駅新幹線口

途中乗車 10:00 JR東尾道駅

途中下車 17:05 JR東尾道駅

解散   18:40 JR広島駅新幹線口

  見学先:大山祇神社 宝物館、ところミュージアム大三島、伊東豊雄建築ミュージアム、

      岩田健 母と子のミュージアム(設計:伊東豊雄)

  参加費:4000円(入館料・昼食代は各自負担)

  定員:26名

  申込締切:8月31日(土)

  申込先:E-mail: thitoku@hiroshima-u.ac.jp、Fax:(082)424-7141(広島大学:一鍬田)

      氏名(同伴者がいる場合はその方の氏名も)及び連絡先を明記の上、お申込みください。

      ※ 会員以外のご参加は、参加費用が+1,000円となります。ご了承ください。

 

広島芸術学会第27回総会・大会のご案内

広島芸術学会第27回総会・大会 案内

 

日時:2013年7月13日(土)9時50分~16時30分

場所:広島県立美術館 地下1階講堂(広島市中区上幟町2-22)

 

《 総会 》                                     9時50分~10時20分

 

《 大会 》                                    10時30分~16時30分

 ◆ 研究発表

  ①「裂開-亀裂-逃走としての芸術作品―ハイデッガー-アドルノ-ドゥルーズ=ガタリにおける

思考しえないものの生成力」                                        10時30分~11時20分

    上野 仁(広島大学総合科学部特任講師)

  ②「その道は、長いというより広い ——1930年代後半のコーク・ストリートにみる

イギリスにおけるシュルレアリスム受容の一側面——」                  11時30分~12時20分

    石井祐子(日本学術振興会特別研究員/広島大学)

 

― 昼休憩 ―                 12時20分~13時20分

 

  ③「それを書くというべきか、描くというべきか——加藤信清の究極の文字絵と生涯」                             

    福田道宏(広島女学院大学国際教養学部准教授)               13時20分~14時10分

 

 ◆ シンポジウム                                       14時20分~16時30分

テーマ:「芸術と教育を考える―芸術教育からアート教育へ―」

(1)基調報告  樋口 聡(広島大学大学院教育学研究科教授)

(2)事例報告

  ① 民間の造形教育機関「アトリエぱお造形教育研究所」の取組むArt Education

加藤宇章(造形作家/アトリエぱお代表 広島大学大学院教育学研究科)

 ②「音楽づくり」の現場の課題  寺内大輔(広島大学大学院教育学研究科講師)

 ③ 文芸とアート教育  竹村信治(日本古典研究、広島大学大学院教育学研究科教授)

  (3)討論

  (4)総括

 

◆ 懇親会 

大会終了後、県立美術館すぐ近くの「ななしや・上八丁堀店」にて懇親会を予定しています。

 

広島芸術学会第26回総会・大会のご案内

 日時:2012年7月21日(土) 9時30分~16時40分

 場所:ひろしま美術館 講堂(広島市中区基町3-2)

 《総会》  9時30分~10時20分

 《大会》  10時30分~16時40分

 

<研究発表>

 ① 「クール・ジャパンと韓流」/10時30分~11時15分

 広島大学大学院総合科学研究科 博士課程後期 崔 眞英

 ②「 アルフレッド・リヒトヴァルク/11時15分~12時

 ―文化政策としての芸術教育」

 東亜大学芸術学部アート・デザイン学科 准教授 清永 修全

<昼休憩> 12時~13時

③ 「19世紀初期のパリ音楽院における対位法/13時~13時45分  

 ―諸対位法の理論対立をめぐって―」

 お茶の水女子大学大学院研究院 研究員 大迫 知佳子

 ④「夜雨の美学」/13時45分~14時30分

 広島大学大学院総合科学研究科 教授 青木 孝夫

 

<シンポジウム>テーマ:芸術と地域/14時40分~16時40分

 

(1)基調報告「地・人・芸術 ―<芸術と地域>を問う」

 東亜大学大学院総合学術研究科 特任教授 金田 晉

 

(2)事例報告 

 ①「十八世紀アイルランド人画家ジェイム・バリー 

 ―カトリック刑罰法と<ケルト的崇高>」

 広島大学大学院総合科学研究科 准教授 桑島 秀樹

 ②「光州ビエンナーレを通して見た代案空間の可能性としての地域」

 インディペンデント キュレーター キム・スヨン(金 修英)

 ③「地域と展覧会の関係について-『廣島から広島』ド-ムが見つめ続けた街展の場合」

 広島県立美術館 学芸課長 松田 弘

 ④「木村伊兵衛氏・菊池俊吉氏たちが撮影記録した

 『LIVING HIROSHIMA』(1949年 広島県観光協会発行)を読む」

 写真家、広島の写真活用・保存の会 事務局長 松浦 康高10時10分~10時50分

 

99回例会のご案内

下記のとおり第99回例会を開催いたします。お誘い合わせの上、ご参加ください。
北四国は讃岐国、庵治石のふるさとで石の造形・石の民俗などを訪ねる〝石づくし〟の旅です。

日 程:平成24526()

[
行程]
8:30
JR広島駅北口集合─広島東IC09:15小谷SA─高松中央IC─(高松市内にて昼食)─イサム・ノグチ庭園美術館─石の民俗資料館─ストーンミュージアム─高松東IC18:15小谷SA─広島東IC─JR広島駅北口 19:00(解散予定) 
※往路、復路とも山陽道・小谷SAに立ち寄ります。

[訪ねる施設等]
源平合戦の舞台となった香川県屋島─。その東側に位置する五剣山に連なる山塊は良質の花崗岩の産地として知られています。ここから切り出される石材は、庵治の地名から「庵治石(あじいし)」と呼ばれています。ここには石の造形作品をめざす芸術家や石匠たちが素材を求めて集い、多くの作品を生み出してきました。今回の野外例会は「庵治石のふるさと」を訪ねます。

イサム・ノグチ庭園美術館
日系アメリカ人造形作家のイサム・ノグチ(19041988)は、1969年から20年間、年の半分を香川県牟礼郡牟礼町(現在は高松市牟礼町)に設けたスタジオで過ごし制作しました。ノグチの没後、スタジオ兼生活拠点を一般公開したのがこの美術館です。館内には150点余りの彫刻がありますが、その大半は未完成といい、生前の雰囲気を色濃く遺した美術館となっており、ノグチ芸術の全容を見ることができます。

石の民俗資料館
イサム・ノグチ庭園美術館から直線距離にして5,6百㍍ほど東にある博物館。常設展示では石と人間とのかかわりの歴史のほか、大正末期から昭和初期にかけての庵治石の切り出し、運搬、加工など、石匠の仕事の様子がジオラマにより臨場感をもって再現されています。参観当日、企画室では企画展「妹背裕の漆造形展-羅漢」を開催中。(~5/27

ストーンミュージアム
庵治石を素材とする立体造形などを展示する民間施設。1階には地元出身の彫刻家・三枝惣太郎の作品をはじめ、国内作家の石彫作品が展示してあります。また2階ではダイヤモンドやルビーなど、世界の貴石や宝石、化石、地元産出のサヌカイトを使った工芸品、アクセサリーを展示販売しています。 (K

●申込先 ひろしま美術研究所気付 広島芸術学会事務局 大橋啓一
       TEL082-506-3060 FAX082-506-3062 Eメールはこちら
●締  切 518() お申し込みは、必ずEメールかファクシミリでお願いします。
       その際、①お名前 ②連絡先電話番号 は必ずお書き添えください。
●参加費 会員5,000円(会員でない方は6,000円) (入館料・昼食代は各自負担)
●定  員 25名(先着順、定員を満たし次第、申し込み受付を締め切ります)

 

     98回例会のご案内

下記のとおり第98回例会を開催いたします。お誘い合わせの上、ご参加ください。

日 時:平成24218() 15時~
会 場:広島県立美術館 講堂

☆研究発表①/15時~16
二つの展覧会から見た具体美術教会の評価
―日本国際美術展・現代日本美術展への出品を通して―
神戸大学大学院芸術学専修 植松 篤

☆研究発表②/1615分~1715
感情の現象学  ―感性と理性の2元論を越えて―
広島大学大学院総合科学研究科 鎌田 勇

☆懇親会/18時~

① 二つの展覧会から見た具体美術協会の評価
―日本国際美術展・現代日本美術展への出品を通して―
神戸大学大学院芸術学専修 植松 篤

 具体美術協会(以下「具体」)は、物質性や行為を特徴とする実験的な制作活動によって知られている。その活動は、当初批評等において評価されなかったが、その一方で、会員達は自主企画以外の各種展覧会にも出品し、次第に地歩を固めていった。
例えば、本発表で取り上げる、当時権威のあった日本国際美術展及び現代日本美術展に一部の会員が招待され、展示の機会を得たということは、言い換えれば、美術界の中である程度の評価を得ていたのである。すなわち、「具体」の評価にはねじれがあったと言える。本発表は、上記展覧会を通して「具体」を考察することによって、「具体」がどのように受容されたのか、また当時の美術の状況について、その一端を明らかにしたい。


② 感情の現象学 ―感性と理性の2元論を越えて―
広島大学大学院総合科学研究科 鎌田 勇

 「感情」は理性、知性、思考に比し、常に後者によって制御されるべき下位の心的要素と見なされてきた。芸術は、感情そのものの表出ではなく、より高次の表現形態に表象された創造として別格扱いされてきた。即ちある種の知的創作として、理解にも知的要素が要求される。だが、近年「合理的」、知的行為者としての人間像が浸食されつつある。20世紀は科学技術、民主主義等近代西洋的理性がその高みに達したはずであるが、同時に戦争の世紀であった。ポストモダニズムは知的構築物への疑義であった。21世紀に入っても繰り返される経済的危機は、合理的経済行為者としての人間像を危うくし、非合理的行為者像を組み込んだ行動経済学が勢いを得ている。
 昨今、新進化論、比較行動学、情動の心理学、認知科学、脳科学等は、日陰者扱いだった感情にスポットを当て始めている。「思った以上に」行動決定要因として大きく、手強く、知的制御が難しいことが認識されている。「直感」の重要性も理解され始めている。
 しかし、喜び、悲しみ、怒り等感情は、人生に意味や意義を与えている。感情は知性の平行物或いは認識の二次的構成要素ではない。むしろ知性と感性の区分が恣意的なのである。本発表は、直感の学としての、即ち感性の学としての現象学に基づき、しかし「意識の学」と合理主義に留まっていたその限界を超えて、感情の真の姿にアプローチすることを試みる。

    97回例会のご案内

下記のとおり第97回例会を開催いたします。お誘い合わせの上、ご参加ください。

日 時:平成231217() 15時~
会 場:広島芸術専門学校(ひろしま美術研究所)4階講義室
     (広島市南区的場町1-8-15 TEL082-506-3060)

☆研究発表①/15時~16
19
世紀における自然科学の作品化と「崇高」-アーダルベルト・シュティフターの文学-
日本学術振興会 特別研究員 中野逸雄

☆研究発表②/1615分~1715
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「夜の絵画」について―その闇の意味―
ふくやま美術館 学芸員 平泉千枝

☆忘年会/18時~

19世紀における自然科学の作品化と「崇高」-アーダルベルト・シュティフターの文学-
日本学術振興会 特別研究員 中野逸雄

 アーダルベルト・シュティフター(1805-1868)は19世紀オーストリア、リアリズム文学を代表する作家である。特色の一つは、自然を精細に描いて、崇高を表現する点にあると言われている。本発表ではまず、シュティフターの「崇高」表現が、近代自然科学の展開と密接に関連していることに着目する。短編集『石さまざま』(1853)の「序文」はカント『判断力批判』「崇高の分析論」、なかでも数学的崇高に関する部分を参照していると、マティアス・マイヤーらは指摘する。「数学的崇高」では、悟性の認識の限界を越えた絶対的な「大きさ(偉大さ)」は、自然の広大な空間の経験から、類比的に認識されるという。
 シュティフターは、こうした「数学的崇高」と関連する自然の偉大さを表現するにあたって当時の自然科学の議論に大きな関心を寄せている。主体の感覚的認識の限界を踏み越えた典型的に大きな対象を描き出すことのみが、シュティフターの崇高ではない。シュティフターは目の前の小さな自然に内包される空間表象、時間表象の無限を表現することを追求する。こうした方向へ崇高の表現を拡げていくには、自然科学の対象認識を基にしながら、それを越えて、自然経験の位相を複雑化しなければならない。そのような方法が、作品に結実し、代表作『晩夏』(1857)は生まれた。19世紀中葉におけるカントの崇高論と自然科学との接近は、どのようにして「崇高」における自然経験の様相を変容させたのか。本発表では、『晩夏』の分析をとおして、シュティフターの「崇高」表現の独自性を明らかにしたい。


②ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「夜の絵画」について―その闇の意味―
ふくやま美術館 学芸員 平泉千枝

 17世紀前半にフランス北東部、ロレーヌ公国で活動したジョルジュ・ド・ラ・トゥール(15931652)は、今日「夜の画家」と称される。これは画家がイタリアのカラヴァッジョらに影響された明暗画法で、夜の場面を繰返し描いたことによる。しかし画家がこだわったテネブリスム(暗闇主義)の表現には、流行の様式という以外に、何らかの思想や意味性が込められていたのだろうか。伝統的に神や理性の光といった象徴的解釈が行われる「光」の表現に比べ、夜の絵画の「闇」の意味は充分に論議されてきたとはいえない。今回、この点に焦点をあて、当時ロレーヌに進出していた跣足カルメル修道会の神秘思想などを手がかりに、「夜の絵画」の意味を探る。

    96回例会のご案内

96回例会(野外例会)をつぎのとおり開催します。お誘い合わせのうえ、多数ご参加ください。

日   時:平成23115() 13時~16時頃
集合時間:13
集合場所:JR広島駅北口 ホテルグランビア広島前
参 加 費:1000
〈訪問先〉
13
30分~ 大野ギャラリー(広島市中区西白島町22-15 TEL082-221-9107
15
時~ ヒロセコレクション(広島市中区千田町3-9-10 TEL082-247-2450

■大野ギャラリー
広島に拠点を置く()大野石油店が平成10年の社屋改築に際し、それまで収集してきた小磯良平画伯の作品を公開するため、同社屋の3階に設置されたものです。収蔵作品は約350点の多数にのぼり、神戸市立小磯記念美術館、兵庫県立美術館に次ぐ、国内有数のコレクションとして知られています。普段はそのうちの90点ほどが展示されています。開催日は祝日を除く毎週水曜日ですが、今回の広島芸術学会例会のために、特別公開していただけることになりました。入場料は無料。
http://www.ohno-group.co.jp/social/

■ヒロセコレクション
広島市内で開業する漢方医の広瀬脩二氏が収集した現代美術のコレクション。これらの作品群は1970-80年代から海外の先鋭作家を中心に収集されてきたもので、自らの診療所の1階を改装して、今年8月6日から公開・展示されています。展示替えは年4回ほどで、1回の展示は約2、3ヵ月間。公開は金・土・日曜日の14時~18時までとなっています。観覧料は一般500円、学生300円。
http://hyphen.cc/news/2011/07/hirose-collectionopen.html


●申込先: ひろしま美術研究所気付 広島芸術学会事務局 大橋啓一
TEL
082-506-3060 FAX082-506-3062 Eメールはこちら

●締  切:1031() お申し込みは必ずEメールかファクシミリでお願いします。
       その際、①お名前 ②連絡先の電話番号をご記載ください。

広島芸術学会第25回総会・大会案内

日時:2011724()10時~17
場所:広島県立美術館 講堂
   (広島市中区上幟町2-22 TEL082-221-6246

《総会》 10時~1030
《大会》 1030分~17


<研究発表>
①伝統工芸産業における芸術家の「創造性」の変容について (1030分~1130分)
―石川伝統工芸イノベータ養成を一つの事例研究として-
広島大学大学院博士課程後期 廖 偉汝  

②日本におけるオルガン文化 (楽器、作品、オルガン界) (1130分~1230分)
1945年以降を中心に―
エリザベト音楽大学大学院博士後期課程修了 佐々木 悠                               

<昼休憩> (1230分~1330分 )

③ アメリー・ノートンの自伝的小説と日本 (1330分~1430分)
バルセロナ自治大学大学院生 吉本由江

<報告>
美術館の危機管理 -東日本大震災を踏まえて- (15時~17時)
宇都宮美術館学芸課長 浜崎礼二 

<懇親会>
17
30分頃から広島県立美術館すぐ近くの「グランカフェ」で予定しています。


<広島芸術学会第25回大会資料>

●研究発表要旨

①伝統工芸産業における芸術家の「創造性」の変容について
―石川伝統工芸イノベータ養成を一つの事例研究として-
広島大学大学院博士課程後期 廖 偉汝

 芸術文化によるまちづくりが地域活性化の重要政策として広がりつつある一方、芸術文化と経済の関係性が、一段と研究者の関心を集めてきている。
 特に、「文化産業」については、ドイツ系の批判哲学とは別に1960年代から欧米の経済学者達が産業としての芸術文化を多面的に研究し、芸術と経済の両面性、文化産業の構造、産業組織などを分析してきた。
 さらに近年、文化産業の定義が広がり、文化を創造的産業として売り出すことが主唱されている。文化産業の「創造性」を生み出すのが、従来同様、芸術家や職人達であるとすると、芸術家、職人達が自らの創造的活動で産業に文化的価値を付与したと考えられる。だが、現代の文脈で、文化を経済的な産業と考えることに関し、また売れる文化に関し、果たして上記のような創造性をめぐる主張が、妥当ないし有効だろうか。この疑問については、下記の具体的事例の検討を通じて解答を試みてみたい。
 伝統産業については、経済の構造変化に対応するため、手芸や技術を守りながら、文化的価値の革新もしなければならない。文化産業の中で、総生産額が1億円以上である伝統工芸産業に注目し、固有文化の伝承と経済的価値の発見という両面性から、創造的な芸術家、職人のあり方を考察する。
 本稿は、石川県の石川伝統工芸イノベータ養成プロジェクトの実施と経済産業省の「文化産業」立国に向けてー文化産業を21世紀のリーディング産業」の内容を主要な検討対象とする。これらの計画の内実を検討することで、文化産業の生産者が、創造的な「芸術家・創作者」として自ら作品を商品化するメカニズムを解明し、併せて、職人の芸術家指向とブランドの獲得についての問題を検討することにしたい。


②「日本におけるオルガン文化 (楽器、作品、オルガン界
1945年以降を中心に」―
エリザベト音楽大学大学院博士後期課程修了 佐々木 悠

 日本にキリスト教がもたらされ、それとともにパイプオルガン (以下、オルガン) が導入されてから、1世紀半以上の年月が過ぎた。日本におけるクリスチャン人口は、今でも総人口の1パーセントを下回っている。 その中において、これだけの数のオルガンが設置され、受け入れられていることは、ただ驚きをもって受け止める以外にない。
 オルガンの我が国における歴史は古く、明治期に遡る。また日本人によって作品が作られるようになったのも、その頃からである。けれども、その数は非常に限られており、日本人による作品もどの程度演奏されていたのか、それは定かでない。しかし1945年以降のオルガンの普及により、状況は大きく変化した。特に1960年代以降、各地にコンサートホールが建設され、そこに大型のオルガンが次々と建造された。そしてそれは、作曲家の楽器に対する興味と関心を高め、創作や委嘱活動を一層加速するきっかけとなった。
 本発表は、この1945年以降に焦点を当てて、日本のオルガン文化の特徴を明らかにすることを目的とし、とりわけここでは、日本人の作品取り上げ、その内容の考察を行った結果を報告するものである。


③アメリー・ノートンの自伝的小説と日本
バルセロナ自治大学大学院生 吉本由江

 神戸で生まれ幼年期を過ごしたベルギーの現代作家アメリー・ノートン(1967-)は外交官であった父親の赴任に伴い、北京、ニューヨーク、バングラデシュ等に滞在し、ブリュッセルで大学を卒業した後、東京で2年間を過ごした。その後ブリュセルで本格的に創作活動を始めたノートンは、日本企業を舞台とした自伝的小説『畏れ慄いて』(1999年)でアカデミー・フランセーズ文学大賞を受賞した。本発表では、ノートンが一人称で語る自伝的小説を取り上げ、分析を試みる。
 地理的移動を契機とし、変化に富んだ少女時代と多難な思春期を過ごした作者にとって、自伝的小説の執筆は、第一義的に、様々な出来事に一貫したプロットを与える作業、「ナラティヴ・アイデンティティー」の再構築として捉えられる。幼年時代日本人であったと明言する作者の「日本性」の獲得は、独自の歴史解釈に基づき、日本の歴史性の中に自己の生の歴史を投射する暗喩によって構造化されている。
 後の作品では、アイデンティティーとしての「日本性」は、他の日本のエピソードにより、日本の部分像として修正されると共に、彼女の生の歴史を包括する独自性の一部として組み直される。ノートンの自伝的作品における「ナラティヴ・アイデンティティー」の再構築は、作者の自己認識の経緯を示していると同時に、散見される虚構性は、読者に向けた自己神話の構築と分かち難く結びついている。


●報告要旨

美術館の危機管理 -東日本大震災を踏まえて-
宇都宮美術館学芸課長 浜崎礼二

 本年、311日の東日本大震災は、東北関東圏を中心に甚大なる被害をもたらしました。その日以来、うち続く余震が起こるなか、当美術館としても地震に対する危機管理体制の見直しを数度にわたり更新しました。
 今回は、地震に対する備えを中心にご報告いたします。

★想定外の想定の必要性

 これまで、消防訓練等は頻繁に行っていたが、地震への危機管理もその延長線上で考えられていました。ところがこのたびの震災で、地震時には見直さなければならない点も多々あることを教訓として学びました。
 地震時には、マニュアル上できるとしていることができない場合があります。例えば、館内外への連絡、情報の収集、ライフラインの不通による障害等です。このほかにも通常できることができなくなってしまうというのが、地震の教訓でした。
 これらのことを、下記の3つに分類して報告します。
① 来館者の避難・誘導について
② 展示方法と作品について
③ 作品の保全・保管について

★最終的には意識の問題

 上記の報告をもとに、危機管理として最も必要なことは、職員が危機管理の意識をいかに持つかということを実感しました。ハード面よりもソフト面での備えは、すぐにでき、繰り返し訓練することでよりベターな危機管理体制をもたらすものと感じました。また、526日に開かれた全国美術館会議での震災被災地での報告等もご紹介し、今後の「美術館の危機管理」についてご報告します。

    95回例会のご案内

95回例会(野外例会)をつぎのとおり開催します。お誘い合わせのうえ、多数ご参加ください。井原線沿線西部は古くから備南文化の中枢部。その粋に触れます。

日 時:平成23529()
会 場:備南地域の美術館、記念館など 

集合場所:JR広島駅北口集合
集合時間:8:50
9:30ごろ小谷SA乗車可、帰路下車も可
※福山地区参加者は、10:50華鴒大塚美術館集合、ふくやま美術館下車可

[日程] 5月29() 8:50 JR広島駅北口集合(9:30ごろ山陽道・小谷SAでの乗車可)─広島東IC─小谷SA(乗車可)─福山東IC─井原市・華鴒大塚美術館─(昼食)─神辺町・造酒屋「天寶一」又は廉塾・菅茶山旧宅/神辺本陣─菅茶山記念館─ふくやま美術館─小谷SA(下車可)─広島東IC─JR広島駅北口 18:30(解散予定)


[訪ねる施設等]
■ 華鴒(はなとり)大塚美術館 岡山県井原市高屋町にある。井原・福山地方を拠点に繊維・電子関連の企業活動を展開するタカヤグループが創業百周年を記念し、メセナ活動を通じて地域の芸術文化の発展と蓄積に寄与しようと財団法人を設立(財団法人タカヤ文化財団)、1994(平成6)年6月に「華鴒美術館」として開館。当日は特別展「堂本印象展」を開催中。
■ 「天寶一」 福山市神辺町にある造り酒屋。創業は明治43年。独立美術協会会員・須田国太郎(18911961)のコレクションがある。須田作品の特徴は西洋の古典から学んだ重厚な画面と深遠な東洋精神との融合。今回は本学会のための特別公開。収蔵室狭隘のため、入場制限がある。
■ 廉塾・菅茶山旧宅、神辺本陣、菅茶山記念館 江戸時代後期の神辺は、儒学者であり漢詩人でもあった菅茶山の廉塾を中心に、頼山陽をはじめ著名な文人墨客が往来する、備南地域における一大文化センターとしての役割を担っていた。廉塾と菅茶山旧宅は国指定特別史跡、神辺本陣は県指定史跡。
■ ふくやま美術館 福山城の西側に位置。福山市を中心とする広域圏における美術文化の発展に寄与することを目的に、昭和6311月開館。当日は《森村泰昌モリエンナーレ/まねぶ美術史展》を開催中。また須田国太郎デッサンなどの特別観覧も用意されている。


● 申込先: ひろしま美術研究所気付 広島芸術学会事務局 大橋啓一
TEL
082-506-3060 FAX082-506-3062 Eメールはこちら
● 締切: 520() お申し込みは、かならずEメールかファックスでお願いします。その際、①名前 ②連絡先電話番号 ③小谷SAまたは華鴒大塚美術館からの参加希望の有無を。
● 参加費 5,500円(福山地区参加者は2,500円、各施設の観覧料を含む。昼食代別)

クリストフ・メンケ教授公開講演会中止のお知らせ

年度末を大変お忙しくお過ごしのことと拝察いたします。

さて、今週の金曜日の夕方に、芸術学会との共催の下、まちづくり市民交流プラザにて開催を予定しておりましたフランクフルト大学のクリストフ・メンケ教授の公開講演会ですが、メンケ教授が来日直後に東京で東日本大震災の大地震に遭われ、翌日に緊急帰国されたので中止とせざるをえません。美学会当部会例会の後に予定されておりました、東京大学での講演も中止となりました。

本講演を共催していただき、チラシを会報に掲載していただくなど、全面的にご協力いただいていたのに、中止のお知らせをせざるをえず、まことに恐縮です。また、楽しみにしておられた会員の方々にとっても非常に残念でしょうが、事情ご賢察くださいますようお願いいたします。なお、当日会場には中止の掲示を出すつもりでおります。

ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。取り急ぎご連絡まで。

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14日 柿木伸之