HUES ver. Speed
last update 2007.3.20
機体コンセプト
HUES ver. Speed は第30回鳥人間コンテストで新設された人力プロペラ機タイムトライアル部門の出場申込み機として設計された機体です。HUES の特徴である双発を廃したオーソドックスな単胴単発機です。しかし、今までの双発機の製作で培われた技術が惜しげもなく投入されています。
以下に双発機からの主なフィードバックを示します。
- 駆動系の総ドライブシャフト化
- 楕円クランク機構 SDV の搭載
- 応力主桁構造と応力外皮構造のハイブリット式主翼
さらに高速機として次のような設計がなされています。
- 主翼スパン長を短くすることによる根本的な軽量化
- フライングワイヤーを排除し有害抵抗を軽減
- プロペラの新規設計
- フレーム接合に自作CFRPジョイントを用いることでの軽量化
プロペラの設計は翼素運動量理論により行い、3次元境界要素法を用いてその性能解析を行いました。最終的には風洞試験により実際の性能を確認する予定です。また、タイムトライアル部門では飛行時間を競うほか旋回が必要となるためエルロンを搭載しています。
機体主要目
| 全体 | |||||
| 全長 | 7.61 | (m) | 機体重量 | 40.0 | (kg) |
| 全高 | 3.00 | (m) | パイロット重量 | 57.0 | (kg) |
| 設計速度 | 8.2 | (m/s) | 全備重量 | 97.0 | (kg) |
| 必要パワー | 300 | (W) | 重心位置 | 38.7 | MAC |
| プロペラ | |||||
| プロペラ直径 | 2.6 | (m) | 翼型 | DAE51 | |
| プロペラ回転数 | 240 | (rpm) | ブレード数 | 2枚 | |
| 主翼 | |||||
| 翼幅 | 22.0 | (m) | 平均空力翼弦長 | 0.918 | (m) |
| 翼面積 | 20.20 | (m2) | 翼面荷重 | 4.80 | (kgf/m2) |
| 翼型 | FX76-MP140 | 取り付け迎角 | 3.0 | (deg.) | |
| アスペクト比 | 23.96 | | |||
| 水平尾翼 | 垂直尾翼 | ||||
| 翼幅 | 2.70 | (m) | 翼幅 | 2.13 | (m) |
| 翼面積 | 1.48 | (m2) | 翼面積 | 1.49 | (m2) |
| 翼型 | NACA0009 | 翼型 | NACA0009 | ||
| 操舵角 | ±10 | (deg.) | 操舵角 | ±15 | (deg.) |
| (備考) シャフトドライブ機構 フライ・バイ・ワイヤー エルロン(フラップ) 楕円クランク機構 | |||||
機体の特徴
HUES ver. Speed では翼間接合にカーボンカンザシ方式が採用されています。これは、アルミフランジ方式での重量増加を避けたためですが、後の第30回鳥人間コンテストでアルミフランジ方式の接着剤剥離問題が発覚したため HUES 6.0 にフィードバックされています。
重量面では不利となる楕円クランク機構 SDV ですが、高速飛行に必要なパワーを得るために有利と判断し搭載されています。この SDV は、HUES ver. Speed 用に新規設計が行われ、HUES 5.0 に搭載されているものと比べ20%以上軽量なものとなっています。
また、旋回用に搭載されたエルロンは、離陸時の揚力を補うフラップとして用いることも可能です。エルロンの操作にはフライ・バイ・ワイヤー方式を採用しパイロットの負荷軽減を図っています。ただし、エルロンを稼働させるサーボの連続稼働時間が10分程度であり、改良の余地が多いにあるといえます。
このように意欲的な機構が多く搭載された HUES ver. Speed ですが、タイムトライアル部門審査落選、HUES 5.0 の大会出場決定およびテストフライトによる過密スケジュールなどの諸事情により一部の部品を製作した後、ペーパープランとなってしまいました。しかし、採用予定だった機構の多くは HUES 6.0 に採用され、HUES ver. Speed 自体もいくつかの設計変更がされた後、HUES を母体とした指導教員とOBによる新団体「広島大学工学研究科 KAEDE」により KAEDE として製作が行われています。