確率統計C(水曜日13:10-14:40)
授業の進行状況
測度論的確率論の基礎を離散的確率過程を通して解説を行った。 解析学Aでは測度論に基づく積分が題材となるが、 舞台となる空間は$R^n$であり、測度は長さ、面積 などを表現するものであった。それだけでも 解析学に計り知れない恩恵をもたらすのだが、 実はその理論展開は全く抽象的な集合でも構わないのである。 それが端的に見て取れる活躍の場が確率論なのである。 そこでこの講義をひそかに解析学A"続論''としても運用した。 内容と授業の進行は以下の通りである。
2. 確率空間と確率変数 4/21, 4/28 3. 確率変数と分布--Lebesgue積分論からの準備 4/28 4. 絶対連続な分布の例ならびに分布関数 5/12 5. 確率変数と多次元確率変数 5/19 6. 確率変数と結合分布 5/19, 5/26 7. Dynkin族定理と測度の一意性 5/26 8. 測度の直積と確率変数の独立性 6/2, 6/9 9. 可逆アファイン写像とルベーグ測度 6/9 11. 特性関数と正規分布 6/23 13. ランダムウォークと中心極限定理 6/30 14. 独立性の$\sigma$加法族による定式化 7/14, 7/21 15. ランダムウォークの再帰性と非再帰性 7/21, 7/28 16. 大数の弱法則と強法則 7/28
上の番号付けは、配付した講義ノートの節番号である。 ここでは10と12が欠番になっているが、実は
11. 特性関数と正規分布 12. 無限次元確率変数とその分布
自らが考えて理解するための手助けの意味もあり (他方時間を節約するためもあり)、 定理の証明の一部や簡単な公式の導出を演習問題として学生に委ねた。 そのうちから3題以上についてレポート提出を求め、 それをもとにして成績評価を行った。 |