確率統計C(水曜日12:50-14:20)





授業の進行状況


◆4月12日:講義ノートのハードコピーを16ページまで配付し、10ページ補題3.2まで解説
◆4月19日:都合により休講。
◆4月26日:講義ノートのハードコピーを30ページまで配付し、28ページ定理6.20まで解説。 なお重要事項の説明を優先したので、3節4節にある具体例については言及できていない。 それらは次回の講義で解説する予定。
◆5月10日:講義ノートのハードコピーを36ページまで配付し、31ページ定義6.32まで解説。 また多次元正規分布を引き合いに出して、結合分布と周辺分布を説明し、 更に4節に戻って例4.1,4.2,4.3,4.4に言及した。 この時点までのポイントは像測度として確率変数の分布を理解することである。 可測性は写像の合成に関し閉じており、像測度をとる操作は結合法則を満たすことが読み取れると 様々な応用に対応しやすくなる。
◆5月17日:講義ノートのハードコピーを50ページまで配付し、 補題4.5,例4.6, 補題4.7と補題3.5を解説。
レポート:演習問題3.6, 4.8を解答のこと。 後に追加指定をしたときに締め切りを知らせる予定。
◆5月31日:教育実習開始に伴い今回と次回の授業は特別編成とする。 測度の一意性を中心におく。ルベーグ測度の平行移動不変性を述べ、 補題3.15(これは像測度が具体的に計算できる例)を解説。 また先取りして確率変数の独立性と関連を解説。
◆6月7日:定理7.1, 補題7.4,補題7.5, 補題7.10定理7.11, 定理7.12と定理7.17を解説。
◆6月21日:講義ノートのハードコピーを62ページまで配付し、 直積測度およびd次元Lebesgue測度の復習, 定理8.4, 補題8.9, 定理8.10, 定理8.12, 定理8.14, 例8.18, 補題8.24, 例8.25を解説。
◆7月5日:講義ノートのハードコピーを82ページまで配付し、 期待値の情報定理とFubiniの定理との関係、標準正規分布のアファイン変換の特性関数、 定理8.26, 系8.27, 例8.28, 定理8.29, 補題10.2, 補題10.3を解説。 なお講義は、8月2日に補講を行って11節ランダムウォークと中心極限定理までカバーする予定である。
◆7月12日:アファイン変換のもとでのLebesgue測度の像測度、非退化正規分布と特性関数、 補題9.2, 系9.3, 定理9.10, 系9.11, 定理9.16を解説。
レポート追加指定:演習問題9.15, 10.20を解答のこと。 また例8.19の計算を各自でフォロー整理してまとめよ。 締め切りは8月2日に行う補講終了時とする。
◆7月26日:アファイン変換のもとでの正規分布の像測度、退化正規分布と特性関数、 特性関数と測度の一意性に関連して 補題10.3, 系10.4, 補題10.11, 補題10.13, 定理10.16, 定理10.18, 例10.19を解説。





pdf形式ファイル


  • 講義ノート 昨年度版に加筆・修正をしたものです。 授業進行に伴って種々の間違い、勘違いなど ライブで改訂していきます。 気がついたときは講義終了時などに知らせてください。 (34ページの定理7.12の証明と50ページの例9.19の解説中に誤植があることが判明したので 2006年6月20日版をuploadしました。) 総ページ数は114でpdfのファイルサイズは520KBに上っています。 もし印刷する場合はいっぺんにやらない方がよいかもしれません。 (なお受講生が当講義のために利用される分には自由ですが、 それ以外の場合は節度を持ってご利用ください) 講義は10節. 特性関数までを最低限カバーする予定です。 ところで講義ノートがカバーできていない題材もたくさんあります。 主だったところではマルコフ連鎖とマルチンゲールあたりでしょうか。 講義ノートの目次を以下に挙げておきます。

    1. 導入--あるモデル

    2. 確率空間と確率変数

    3. 確率変数と分布--Lebesgue積分論からの準備

    4. 絶対連続な分布の例ならびに分布関数

    5. 確率変数と多次元確率変数

    6. 確率変数と結合分布

    7. Dynkin族定理と測度の一意性

    8. 測度の直積と確率変数の独立性

    9. 可逆アファイン写像とLebesgue測度

    10. 特性関数と正規分布

    11. ランダムウォークと中心極限定理

    12. 大数の弱法則と強法則

    13. モーメント母関数とキュムラント母関数

    14. 大偏差原理

    15. 無限次元確率変数とその分布

    16. 無限直積測度の構成

    17. 独立性の$\sigma$加法族による定式化

    18. ランダムウォークの再帰性と非再帰性

    19. 可微分同相写像とLebesgue測度

    20. Sardの定理と面積公式






シラバスより



授業科目名:確率・統計C/Probability and Mathematical Statistics C
授業のキーワード:確率空間、多次元確率変数、多次元確率分布、無限確率変数系の独立性、極限定理
授業の目標等 :測度論的確率論の基礎、特に独立性の取り扱い、について確率過程を通して学ぶ。
授業の内容・計画等: 確率過程および極限定理に関しては扱うトピックに依存してランダムウォーク、マルコフ連鎖、マルチンゲールなどからその都度適切な題材が選ばれる。
    1. 標本、事象と確率空間

    2. 確率変数とその分布

    3. 測度と積分の進んだ話題

    4.1次元分布の測度論的取り扱い

    5. 可測写像と誘導測度

    6. 多次元確率変数とその分布

    7. 分布と期待値および期待値の性質

    8. 測度の一意性

    9. 直積測度とフビニの定理の発展的取り扱い

    10. 確率変数の独立性

    11. 多次元正規分布と線形写像

    12. 特性関数と確率分布の収束

    13. 中心極限定理

    14. 事象族の独立性

    15. 確率過程と極限定理


テキスト・教材・参考書等: テキストは特に指定はしない。 かなり細かい点まで吟味して解説した 講義ノートを作成して配付する。 参考書として以下のものが最近の文献で手に入りやすいであろう。
    Jean Jacod, Philip Protter : Probablity Essentials, Springer Universitext

    David Williams : Probability with Martingales, Cambridge University Press

    舟木直久:確率論 朝倉書店

    小谷眞一:測度と確率1・2(岩波講座 現代数学の基礎)岩波書店

    松本裕行:応用のための確率論・確率過程 サイエンス社

    西尾真喜子:確率論 実教出版 < シラバスで抜けたので追加