広島大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

(正式名称)
広島大学大学院 医歯薬学総合研究科
展開医科学専攻病態制御医科学講座
耳鼻咽喉科・頭頸部外科学研究室

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広島大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
〒734−8551 広島市南区霞1−2−3
Tel  082-257-5252

 jibi@hiroshima-u.ac.jp

一般の方、患者の皆様へ

ここでは、広島大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療内容、病気や治療についてわかりやすくご説明いたします。

 私たち人間は、「ことば」をコミュニケーションの道具として使っています。では、その「ことば」に障害が発生したらどうなるでしょうか。

言語障害とは、「ことば」の障害です。普段あまり意識しませんが、私たちは聞いて→考えて→しゃべって、あるいは、読んで→考えて→書いて、「ことば」を使っています。どの部分で歯車が狂っても、「ことば」はスムースに使えなくなってしまいます。

耳鼻咽喉科では言語聴覚士とともに「ことば」で困っている人の診断と治療をしています。

主に子どもでみられる障害
難聴
発達性構音障害
口蓋裂
言語発達遅滞
主におとなでみられる障害
失語症
運動障害性構音障害
喉頭摘出後

難聴

耳がよく聞こえる人であれば、ことばを耳で聞いて、生まれてから1年ぐらいかけて脳のなかにことばをためて、1歳すぎたぐらいから意味のあることばを口にします。耳がよく聞こえない状態を放っておくと、頭の中に「ことば」をためることが難しいので、コミュニケーションも難しくなります。補聴器や人工内耳をつけて耳から「ことば」を憶える方法と、手話などを使って目から「ことば」を頭にためていく方法があります。家庭環境やお子さんによっては、両方を使った方が良いときもあります。


発達性構音障害

発音のための舌やのどの動かし方が上手ではないために、お子さんが何を言っているのかわからない時期があります。3歳ぐらいのお子さんでは「おかあさん」が「オタータン」になったりします。多くの場合は心配しなくても、発音はだいたい6歳ぐらいまでに大人と同じようになります。しかし、難聴があったり、舌の動かし方が病的におかしかったりして発音が乱れる場合と簡単には区別できないこともあります。何より、友達にお話ししたことが通じないと、お子さんのストレスになることもありますので、原因や発音の乱れ方によっては発音の練習を必要とします。


口蓋裂

生まれつき軟口蓋(俗に言う「のどちんこ」)が左右に割れていて、しゃべるときにことばが鼻に抜けてしまう人がいます。「おかあさん」と言おうとしても「オアアアン」になってしまいます。また、口蓋裂が見た目にはわからないタイプもあります。さらに、口蓋裂の手術をしたあとでも、発音が乱れることもあります。発音の乱れを放っておくと、間違った構音(発音のしかた)が習慣化して、相手に通じにくくなります。


言語発達障害

発達の過程で頭のなかに「ことば」がなかなか貯まらなかったり、頭の中から「ことば」がうまく引き出せなかったりして、コミュニケーションが滞ることがあります。知的な発達の遅れや自閉症などのコミュニケーションそのものの問題と一緒に言語発達障害がおきることもありますが、何の原因もなく「ことば」の問題だけが起きることがあります。また、ことばの能力の一部分だけ、例えば「書く」能力だけ、が遅れてしまうことがあり、これを特異的言語発達遅滞と呼んだり、学習障害と呼んだりします。


失語症

脳梗塞などでことばを司っている脳の一部分が壊れてしまうと、聞こえて、声も出るのに、「ことば」がわからない、出てこない、ことがあります。「ことば」の能力は左の脳の1/3ぐらいを使っています。一度の脳梗塞でそれがすべて壊れてしまうことは少なく、壊れた場所に応じて理解することが難しい人、しゃべることが難しい人など、様々なタイプに分かれます。壊れてしまった脳を元に戻すことは難しいので、残っている「ことば」の力を使ってコミュニケーションがよりスムースになるように考えなくてはいけません。


運動障害性構音障害

脳梗塞などの脳血管障害やパーキンソン病などの神経筋疾患など、さまざまな理由で、舌やのどを動かすことが難しくなり、結果としてうまくしゃべることができない状態を言います。ことばをしゃべるために使う筋肉と物を飲み込むために使う筋肉は共通している部分が多いので、運動発達障害性構音障害は嚥下障害を合併することが多いです。


喉頭摘出後

喉頭がんなど様々な理由で喉頭を取ってしまわなければならないことがあります。喉頭を取ってしまうと、首の下のあたりに息をするための穴があきます。声が出なくなるかわりに、ゲップを使ってしゃべる方法(食道発声)や機械を使ってしゃべる方法(電気式人工喉頭)、笛を使ってしゃべる方法(笛式人工喉頭)などを練習する必要があります。声が出なくなることももちろん大変なのですが、のどで息をこらえることができなくなりますから、腕に力が入りにくくなったり、リキめなくて便秘になったりします。お風呂に入ることも一苦労です。