本研究では、全国各地で、森林衰退と大気汚染との関連性を調査している気象学、大気化学、分析化学、植物生態学、植物生理学、微生物学の分野の大学や公立研究所の研究者を組織化し、共通の視点・手法で原因解明を試みる。そこで、授木の衰退が見られる全国4地点(丹沢・大山、乗鞍岳、瀬戸内海沿岸山林、九州山岳地域)で以下の調査を実施する。
研究期間は5年間とし、第1期(平成8年度ー10年度)と第2期(平成11年度ー12年度)にわけて研究を行う。第1期では、研究の概略で述べたa)から
g)までの研究項目のなかで特に汚染物質の計測、気象観測、授木の被害状況の把握、暴露実験、年輪解析等を中心に各実験地で実施する。なお、これらの研究を円滑かつ機能的に実施するために各地点に1台づつ観測車を購入し、配置する(ただし、丹沢山系では車の乗り入れが困難なため購入しない)。また、研究実施に必要な設備や機器を購入する。
第2期においては、第1期での結果を整理・解析・統合したうえで、一部の実験を継続し、必要であれば、新たな実験を開始する。第2期においては特に、汚染物質の起源の特定、たとえば大陸起源かあるいは国内起源か、あるいは人為起源か自然(生物)起源か、を明らかにし、汚染物質の制御、除去の可能性を探る。
以上から、酸性霧・雨、酸性降下物質を含む大気汚染と森林衰退、被害の因果関係を明らかにする。
本研究での森林衰退に関する実験地は上記の4地点であるので、研究の実施都合上、地点ごとに4グループを編成し、調査・研究を行うこととする。すなわち、瀬戸内海沿岸山林研究グループ、丹沢・大山研究グループ、乗鞍岳研究グループ、九州山岳地域研究グループの四つに編成する。ただし、瀬戸内海沿岸山林研究グループ(広島大学総合科学部の研究者で構成)は、他の研究グループと比べて多様な専門家を有しているため、瀬戸内海沿岸山林のみならず、他の地点の調査、解析も積極的に支援することとし、また他の研究グループも可能な限り相互に支援する。
上記の研究グループと並列して、分野ごと(汚染因子計測、気象観測、植物生態研究、植物生理研究、年輪解析、土壌環境・微生物研究)に六つの研究班を組織し、各班で情報交換および研究の評価を行う。総合科学部の各分野の研究者は、それぞれ1名以上各班に所属し、班の運営に積極的に関わる。研究代表者、各研究グループの責任者及び各班の責任者は研究実行委員会を組織し、研究チームとしての計画を作成する。研究組織は必要に応じて柔軟に変更することを考慮し、他の分野の研究者も随時、参加してもらう。
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