パラメーターについて

 近隣結合法 (NJ 法:Neighbor-Joining method)と UPGMA (平均距離法:Unweighted Pair-Group Method with Arithmatic mean)はともに距離行列法に属し、始めに各 OTU (Operational Taxonomic Unit:IdentityX では各配列) 間の距離行列を作成します。距離の計算方法は様々なものが有り、 IdentityX では国立遺伝研の ClustalW のデフォルト設定と同じ方法を使用しています。

 ギャップを含む座位は分析から外します。
 核酸の座位あたりの塩基置換数 d は Kimura の2−パラメーター法に従い、プリン同士またはピリミジン同士の塩基置換率を P 、プリンーピリミジン間の塩基置換率を Q とした場合に

d = -0.5 * log((1 - 2 * P - Q) * sqrtf(1 - 2 * Q))

という式で計算しています(C言語の表記に従っています)。

 配列がアミノ酸の場合、座位あたりのアミノ酸置換数 d は

d = -log(1 - P - 0.2 * P * P)

という式で計算しています(C言語の表記に従っています)。

 置換数推定法については文献1を、近隣結合法と UPGMA のアルゴリズムについては文献2をご覧下さい。

参考文献

1:森山悦子(1993)新生化学実験講座16巻「分子進化実験法」(東京化学同人)、343-355
2:根井正利著・監訳、五條堀孝・斉藤成也訳(1990)分子進化遺伝学、第11章
3:M. Kimura, 1980, J. Mol. Evol., 16, 111
4:木村資生、”分子進化の中立説”、向井輝美、日下部真一訳、紀伊国屋書店(1986)