多重比較の結果の提示について

−英語教育学研究におけるよりよい統計処理のために−

 

キーワード(順不同)

多重比較 結果 提示 表

Since 2000.12.30. Last Modified 2000.12.30.

 

 2000年12月のことです。毎年この時期になると、いろいろと事例が増えます。だけどその割には記事にする時間が取れないのも事実だったりするので、2週間ほど遅れてテキスト化します。

 以下にやりとりをのせてみます。

 

Q 3群で分散分析をして、有意差があったので多重比較をしたのですが、どのように表記したらいいのでしょう。

A 今のところ、分散分析表を表として提示し、あとは本文内でどの群とどの群の間に有意差があったとかなかったとか述べているだけですね。たしかにこれでは読む側はわかりづらいですね。

 各群の平均値、標準偏差などを表として提示しておいて、それから各群間の差の優位性について本文で言及すれば、まだわかりやすくなると思いますよ。

 

Q はい、それぞれの平均値をグラフにしようとは思うんですが。

A なるほど。視覚に訴えるのもよいかと思います。ただし、作成にかかる手間や、標準偏差を載せにくいこと、結局各群の比較についてはあらわせないこと、などが困りものですね。

 さて、ここからはどこで習ったわけでもない、個人的な考えに基づいたものですから参考程度にきいてください。

 読者に情報を伝える、という観点から考えた場合、私であれば1)各群の基本統計量(平均値、標準偏差)、2)各群間の平均値の差の有意性判定、という2点の情報を簡単に見ることができればうれしいです。

 従って、1)の基本統計量については、簡単な表にしてしまえばすむことでしょう(例表1)。2)については、例表2のようなかたちにするとわかりやすいかもしれません。

 でも、ひとつの表であらわせたらスマートですよね。例えば、例表3や例表4のようなものはどうでしょう。個人の思いつきで根拠はないのですが。

 

例表1.よくある基本統計量の表風に

グループ 平均 標準偏差 ...
15.6 3.9 ...
13.8 4.4 ...
12.2 2.4 ...

 

例表2.相関行列風に

 
|A-B|=1.8, P=.37 |A-C|=3.4, P=.03
|B-C|=1.6, P=.41

 

例表3.SPSS風に

グループ 等質グループ1 (平均値, 標準偏差) 等質グループ2 (平均値, 標準偏差)
15.6, 3.9  
13.8, 4.4 13.8, 4.4
  12.2, 2.4

 

例表4.例表1をちょっと情報量増やして

  A (M=15.6, SD=3.9) B (M=13.8, SD=4.4) C (M=12.2, SD=2.4)
A (M=15.6, SD=3.9) |A-B|=1.8, P=.37 |A-C|=3.4, P=.03
B (M=13.8, SD=4.4) |B-C|=1.6, P=.41
C (M=12.2, SD=2.4)

 

 ちょっと、私個人も、多重比較が必要になるような研究、果ては差の検定が必要になるような研究からも離れてしまっているので、よくわかりません、ごめんなさい。

 ただ、読者に優しく、必要な情報をより効果的に、という観点から攻めていけば、いい表ができると思います。

 

 

 

前田啓朗のページのトップへ

 

 

http://home.hiroshima-u.ac.jp/keiroh/maeda/statsfaq/tazyuuhyouki.html