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ヘリウムガス液化システムの紹介

ヘリウム液化システムは低温物性研究の基盤的重要設備である。2003年3月に日本酸素(株)の液化システムに更新した。 また、2007年3月に回収システムを更新した。 液化機はスイスのLinde社製(TCF50型)、液化用ヘリウム圧縮機はドイツのKaeser社製、ヘリウム回収用圧縮機はスイスGreen Field社製、液体ヘリウム貯槽はイギリスのWessington Cryogenics社製であり、他の機器:ヘリウム乾燥器、回収マニホールド、バッファタンク、トランスファーチューブ等は日本製である。

1. 液化機周辺の機器構成

液化機の液化速度は純ガス使用時で120 L/hである。液体ヘリウム貯槽の容量は3000L、ヘリウムバッファタンク容量は15 m3である。 さらに、中圧ヘリウム乾燥器の他に高圧ヘリウム乾燥器を加えて回収ガス中の水分除去に万全を期している。 液体ヘリウムの汲出しは、2ヶ所から行えるようにし(一つは逆U字型トランスファーチューブ使用)、汲出しの際の冷えた回収ガスを暖める加温器(屋外)も設置している。 また、汲出したヘリウム量の測定のため最小読取値が5gの高感度台秤も備えている。

2. 液化用ヘリウム圧縮機と回収ヘリウム圧縮機

Kaeser社の液化用ヘリウム圧縮機の圧力は1MPa未満で、高圧ガス保安法の対象外で、かつ電力消費量も以前の機種と比較して半分以下(16kW)である。 2007年3月に更新した回収圧縮機1の能力は前機種と同じ80Nm3/hであるが、空冷式であり、メンテナンスが容易である。 さらに、小型の回収ヘリウム圧縮機(回収圧縮機2)も備えており、 もう一つの回収圧縮機が故障の際もヘリウムの回収が可能である。

2007年3月に既設のヘリウムガスバッグ(60m3)をヘリウム透過率の低いアルミ蒸着製バッグに変更し、 同性能のガスバッグ(100m3)を増設した。 さらに、回収ヘリウムマニホールドの容量を4050 Nm3へ増設し、回収能力としては日本の大学の中でもトップクラスとなっている。

3. ヘリウム液化機の仕組み

常温のヘリウムガスを液化用圧縮機で約9気圧に加圧し、液体窒素で冷却(1)された後、その一部が膨張タービンにより寒冷を発生する。 残部はその寒冷により一連の熱交換器(2~6)を通して順次冷却され、膨張弁(J-T弁)により1気圧の低圧まで自由膨張し、 液体ヘリウムとなって液体ヘリウム貯槽に貯蔵される。 その際、液化されなかったヘリウムガスは、前記の熱交換器で寒冷を回収して液化用圧縮機の吸入側へ戻る。
実験室等から回収管を通じて回収された空気成分を含むヘリウムガスは、一旦ガスバッグに納められた後、 回収圧縮機により圧縮され、高圧ヘリウム乾燥機で水分を除去されて回収マニホールドに貯蔵される。 この不純ヘリウムガスは中圧ヘリウム乾燥機を経由してヘリウム液化機に内蔵された内部精製器に導かれ、精製後、液化用の原料ガスとして使用される。 内部精製器の仕組み:液化機の深冷部から寒冷を一部抜き出し、熱交換器(7~10)で導入ガスを冷却して不純物を凝縮及び凍結・固化して分離。

4.動圧ガスベアリング式膨張タービン

液化機の心臓部は膨張タービンである。本システムでは、LINDE社製の「動圧ガスベアリング式膨張タービン」が用いられている。 これは、面の相対的な移動により気体がその粘性で引きずられ、くさび状のすきまに押し込められて生じる圧力をベアリング力とするものである。 静圧ベアリング方式(外部より加圧した気体を導入し、その静圧をベアリング力とするもの)と異なり、ベアリングガスを供給する必要がなく、ベアリングガスの系統・監視が不要となる為コンパクトで運転の信頼性が高い。



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