研究プロジェクト

原爆被災に関する学術文献資料収集

1967年から原爆被災や社会問題関連の新聞資料の切り抜き・分類整理を新聞五紙(中国、朝日、毎日、読売、長崎)を対象に行っており、現在まで約12万件の切り抜きをファイルしている。
 一方、原爆関連の国内外の文献の収集も行っており、現在までに約六千点を所蔵している。文献は社会学的、文学的資料に加えて、米国からの返還資料の貴重なものも含まれている。これらは、原爆文献および被爆問題年表データベースとしてコンピューター入力されている。これらの資料は、センター一階にある図書室に保存されており、希望者は来館されれば閲覧可能。
問い合わせ先:センター図書管理室 (082−257−5877)

原爆被爆者情報データベースの作製

広島原爆被爆者と推定被曝線量のデータベースAtomic Bomb Survivors in Hiroshima(ABS)を作成しており、現在までに約28万人の被爆者情報がコンピューター入力されている。
 この情報から、被爆者の名前住所等の基本情報、被爆地点、遮蔽物の有無、推定被曝線量、被爆後から現在に至るまでの居住地の移動、死亡日と死亡病名、家族情報(被爆二世も含む)などがわかる(写真)。このような被爆者の包括的データベースは知る限りでは日本国内にはない。


病理関係資料収集と解析

原爆被爆者の剖検報告書約8,500例、保有臓器標本約8,000例と一部スライド標本がAFIPからの返還標本と共に、古いものは1945年から保存されている。
 臓器標本はセンターの四階に保存されている。標本のDNAの安定性に対する長期ホルマリン固定、パラフィン包埋の影響を報告しているので参照されたい(新田ら、広島大学博物館研究報告第二号、一九九六)。

広島・長崎の原爆被曝資料とその物理学的解析

広島、長崎の原爆により被曝した岩石、コンクリート、鉄、タイル、瓦、レンガ、土壌の資料を保存している。この資料より広島原爆の中性子線量とガンマ線量の推定を行っている。方法は、被曝した岩石などの内部に生じた放射能を測定し中性子線量を、熱蛍光測定によりガンマ線量を推定する。

チェルノブイリおよびセミパラチンスクの放射能汚染と住民の健康影響の調査

旧ソ連チェルノブイリ原発事故に関して、笹川記念保健協力財団の援助により、汚染地区住民の検診活動を行った。主な内容は(1)セシウム137体内量の測定 (2)甲状腺の検診 (3)血液の検査であり、現在約15万人のデータがある。
 一方、土壌、レンガ等を持ち帰り放射線量の測定も行っている。また旧ソ連の核実験場であるセミパラチンスクには50万人ともいわれる被曝者が存在しており、近郊住民の放射線被曝量と健康影響を明らかにすべく研究を進めている(写真)。