社団法人日本脳卒中協会
脳卒中の予防 FAX相談
脳卒中に関する知識の普及と啓発、FAX相談を行っています。
脳卒中Q&A
今までに寄せられた相談内容を掲載しています。


質問者:58歳 男性 ご本人様(脳出血)
3年前に脳出血を発症。特に治療やリハビリは行わず、日常生活には支障がない程度の軽度の後遺症が残りました。高血圧の既往があったため、発症後より、降圧剤の服用を開始し、また、アスピリンに抗血小板作用があると聞き、主治医(内科医)に頼んでバイアスピリン100mgを処方してもらいました。ただ最近、アスピリンは脳梗塞の再発予防には有効だが、脳出血の再発予防には逆効果で、逆に脳出血の再発を誘発する危険性があると聞いたのですが、今後内服を続けてもよいのでしょうか?


回答者:広島大学大学院脳神経内科学 神経内科医

アスピリンは、血液をさらさらにする効果と同時に血液を固まりにくくするため出血しやすくなるという副作用はあり、脳出血のリスクが高まる可能性はあります。しかし、脳出血を発症したことのある患者様は、脳梗塞も起こしやすいとの研究結果があり、一般的には脳出血より脳梗塞の方が多いですから、再発を抑えるためには血圧の管理と同時にアスピリンなどの抗血小板療法によって脳梗塞の発症を抑えることも重要です。ですから最近はたとえ脳出血の既往があっても抗血小板療法を行うことが多くなっています。ただし、抗血小板薬の投与量が多くなり過ぎないこと、どのような目的で抗血小板療法を行っているのか等を主治医の先生にご相談することが必要と思われます。



 
 


質問者:
52歳 男性 

 
1年半程前に従兄弟(53歳、男性)が脳出血で緊急手術を受け、現在も入院中です。この従兄弟には身寄りが少なく、現在、叔父も含めて、男手が看病に当たっていますが、遠方の病院のため今後、看病し続けることが困難な状況です。症状は現在寝たきりで、呼びかけマッサージ(手足をさする程度)への返答もありません。ただ左目だけは声をかけたものを探すような仕草をします。発症から1年半経ち、少しでも回復しているのではないかと、CT検査等をお願いしても、積極的ではありません。また、介護しやすい病院への転院を希望しても、3ヶ月ごとに転院せざるを得ないのが現状だと言われ、困っています。何か良い治療法、対処方法はないでしょうか?
 
 


回答者:
広島大学大学院脳神経内科学 神経内科医

 
身体的な問題に関しては、リハビリテーション、脳出血の再発防止、合併症への対応が考えられると思います。現在、いわゆる寝たきりの患者様にも体位変換等の様々なリハビリテーションを行うことが勧められています。また、重度の運動麻痺がある場合は機能的な回復は困難なことが予想されますが、長期のリハビリテーションにより改善が認められた例もあります。脳出血の再発防止については脳出血が再発すると更に症状が悪化し、命に関わる場合もあります。再発防止には血圧のコントロールが重要であり、特に下の血圧を75〜90mmHg以下にするように勧められています。脳出血の再発のみならず、脳梗塞など他の脳卒中の再発、肺炎・尿路感染などの感染症、肺塞栓症などの血栓塞栓症、けいれんなど様々な合併症が起こる可能性があり、その都度対応していく必要があります。また、急性期病院や回復期リハビリテーション病院では3ヶ月ごとに転院せざるを得ない場合がありますので、療養型病床群などの長期入院が可能でリハビリテーションができる病院への転院を相談されてはいかがかと思います。ご家族、病院関係者はもちろんですが、ソーシャルワーカーや行政関係者など第三者の方に相談するのも一つの方法ではないでしょうか。

質問者:52歳 男性
家族が1年半ほど前、勤務先にて脳出血で意識を失い、そのまま病院に搬送され緊急手術を受けました。その後、3ヶ月以上にわたり治療に専念してきましたが、意識の回復・手足の動作・会話・食事なども全く不可能な状態です。発症後4ヶ月目に、手術を受けた病院の紹介で特殊疾患施設に転院し、現在も治療に専念しています。私たちは、今も回復を信じて、週に2回家族が交代して車椅子で散歩したり、声を掛けたりして介護しています。しかし、病院は検査・治療について積極的ではないように思えます。脳神経外科の医療は進歩していると聞き、今後の脳疾患の治療などに期待していますが、本人は今、気管切開し、お腹にチューブを挿入して食事を取っていて、寝たきりの状態です。意識や言葉の回復を願っていますが、治療・介護等の方法があれば教えてください。また、回復の見込みがあるのでしょうか

回答者:広島大学大学院脳神経内科学 神経内科医
各所見などを実際に確認しないと確かなことはいえませんが、1年以上、症状に改善がみられていないことから今後も意識状態や運動麻痺の著明な改善というのはあまり期待できないと考えられます。ただし、少しずつ改善する可能性はゼロではありませんので、リハビリによる関節拘縮防止や栄養管理により全身状態を良い状態に保つことが大事だと思います。