文献紹介:S.Slaughter and G.Rhoades, Academic Capitalism and the New Economy: Markets, States, and Higher Education, The Johns Hopkins University Press, Baltimore and London, 2004.

 

内容

第1章 アカデミック・キャピタリズムの理論

第2章 アカデミック・キャピタリズムのための政治的雰囲気

第3章 特許政策:立法政策の変化と商業的拡張

第4章 特許政策の影響:学生と教員

第5章 知的著作権:大学の政策と実践

第6章 知的著作権の影響:中心的な大学機能の商品化

第7章 学科レベルでのアカデミック・キャピタリズム

第8章 大学執行部のアカデミック・キャピタリズム

第9章 権力のネットワーク:理事会と学長

第10章 スポーツ:契約、商標、ロゴ

第11章 学部学生と教育市場

第12章 アカデミック・キャピタリズム的な知と研究の体制

 

総 論

New circuits of knowledge

Interstitial organizations

Intermediating organizations

Enhannced managerial capacity

政 策

新自由主義政策

規制緩和とIT産業の強化で、国の競争力を高める(福祉切り捨て)

連邦政府レベル

州政府レベル

旧い学問観(Public good knowledge/learning regime)から

新しい学問観(Academic capitalist knowledge/learning regime)へ

特 許

特許に対する関心は理工学分野、研究大学だけでなく全分野、全大学に広まる

研究費はNIH、NSF、DOCから大学や企業へ

大学人は特許につながる研究へ傾斜し学術的研究や教育は軽視

技術移転や知的所有権の専門家集団(大学技術管理者連合AUTM)

Business-Higher Education Forum(企業のトップと学長たちの集まり)

技術移転、経済開発、商標管理、企業連携などを担当する組織

知的所有権

教材の知的所有権

IT化による遠隔教育の進展

既存の教員連合組織の他、遠隔教育儲かる教育サービスとみる情報産業

EDUCAUSE(大学教員と企業からなる)

ITの専門家たちが主導権を握るようになる

学 科

新しい教育プログラム(継続教育の一環としての専門職大学院)を設置して収入増を図る

旧い学問観にこだわる大学人も多いので新旧の学問観が共存

獲得した研究資金の額が威信を決定するようになりつつある

企業との連携を図る部門、センター

企業人を含む顧問会議

大学執行部(理事会と学長)

アカデミック・キャピタリズムを強力に推進

 

Internet2(大学と企業が協力してITを開発し大学に導入するための組織)

Business-Higher Education Forum

EDUCAUSE

 

資金獲得と開発部門の拡大強化

 

学 生

授業料納付者および消費者として学生を重視

大学をブランド化し多くのサービスを商品化する

商標管理のための組織

入学者獲得、ロゴ付き商品の販売などさまざまなサービスを担当する部門の拡大