先端巨大症ってなに?巨人症ってなに?

先端巨大症とは下垂体から分泌される成長ホルモンが過剰に分泌されるためにおこってくる病気です。原因は通常下垂体にできるできものです。下垂体からはいくつものホルモンが産生されています。成長ホルモンもそのひとつです。下垂体にできたできもの(髜〟jが成長ホルモンを過剰に産生するために成長ホルモンの作用によりいろんな症状が生じてきます。成人では骨端線は既に閉じているので成長ホルモンが異常に高いと、体の先端つまり手、足が大きくなります。このために先端巨大症と呼ばれています。骨端線が閉じていない小児期にこの病気になると、どんどん身長が伸びます。これが巨人症です。ときどきテレビなどで異常に背が高い中学生などが紹介されることがありますが、両親があまり背が高くなくて子供が異常に背が高ければ巨人症を疑わなければなりません。いずれにしても下垂体腺薰ェ原因です。基本的には良性腫瘍です。


こんな症状に注意

先端巨大症の症状は
1)手足の肥大(指輪があわなくなる。靴のサイズが大きくなる。)
2)顔貌の変化。眉弓(眉の部分)が突出してきます。あごが大きくなり前に突出し受け口になります。かみ合わせが悪くなり歯科で見つかることもあります。鼻が大きくなります。舌が大きくなり、いびきをかくようになります。この病気で脳外科に入院される患者様は100%みんな寝る時にいびきをかいています。最近有名な睡眠時無呼吸症候群のなかにこの病気がまぎれていることもよくあります。
3)声帯が太くなるため声が低くなります。
4)高血圧、糖尿病になります。高血圧や糖尿病から見つかることも多いです。
5)筋肉質になります。体脂肪率は異常に低いことが多いです。
6)手のしびれ(手根管症候群)で見つかることもあります。整形外科の手根間症候群の手術の際に手術室の看護師がみつけたということもあります。
7)色黒になることもあります。

巨人症の場合には
身長が異常に高いです。
その他には上記症状を合併します。


放置すると

糖尿病、高血圧が悪化します。
癌(特に大腸癌)になりやすくなります。
これらにより結果的に寿命が縮まります。



先端巨大症・巨人症の治療

下垂体腺腫の治療は通常手術療法が一番良い治療法です。先端巨大症は通常成長ホルモン産生下垂体腺腫がその原因ですから、手術で摘出するのが最善です。

手術は通常経鼻的下垂体手術といって鼻から行う手術です。傷跡は外からはわかりませんし、脳をさわらない脳外科の手術です。手術の方法についてはこちらをご覧ください。手術療法の最大の利点は1回の手術で根治可能であることです。腫瘍をうまく摘出できれば手術後成長ホルモン値は正常化します。腫瘍が大きかったり、周囲の組織にしみこむ様に発育していると手術のみで成長ホルモンを正常化することができません。

この場合には、薬物療法や放射線療法が必要になります。

薬物療法には内服薬と注射薬があります。内服薬はプロラクチノーマでよく使われる薬がこの病気にもある程度有効です。しかし、プロラクチノーマほどは効きません。

注射薬には2種類あります。オクトレオチド(サンドスタチン),ランレオチド(ソマチュリン)は腫瘍から成長ホルモンが分泌するのを抑える薬です。成長ホルモンを抑制するだけでなく腫瘍を小さくする作用があります。しかし、腫瘍が消失するわけではなく使い続ける必要があります。1ヵ月に1回筋肉注射することで治療できます。数年前からペグビソマント(ソマバート)という薬が日本でも使えるようになりました。この薬は成長ホルモンが肝臓などに作用してソマトメジンC(IGF-I)というホルモンが分泌されるのを抑える薬で、先端巨大症はこのソマトメジンCというホルモンが主に症状に関係するため効率的に症状を抑えることができます。しかし、糖尿病の人がインスリンを注射するように毎日自己注射しなければなりません。また、副作用に肝機能障害や注射部位の皮下脂肪沈着があるのが難点です。また、腫瘍や成長ホルモンに作用する薬ではないので腫瘍を小さくしたり、成長ホルモンの分泌を抑える効果はありません。これらの注射薬の治療は非常に高価な治療で従来月々の医療費が8万円以上かかる治療でした。しかし、2009年に国の定める「特定疾患」に認められ、医療費が著しく軽減されました。特定疾患の認定を受けるためにはお住まいの自治体の管轄の保健所に申請する必要があります。申請方法はお住まいの県の県庁のホームページに掲載されています。

そのほかには放射線療法があります。以前は外照射が行われていましたが最近はガンマナイフやサイバーナイフ、ノバリスといった「定位的放射線治療」が行われます。ガンマナイフは治療期間も1泊2日から2泊3日で短いのですが効果が出てくるまでには数年程度必要です。また、視神経は放射線に弱いため、腫瘍が視神経に近いところにあると十分に放射線をあてることができません。



それではどの治療を選ぶのがよいのでしょうか

まずは手術療法でできるだけ腫瘍を摘出することです。完全に摘出できればそれ以上の治療は不要です。周囲の組織にしみこんだりしていて完全に腫瘍がとりきれなかった場合は後療法が必要です。後療法は手術後の成長ホルモン値にもよってきます。内服薬のみで治療できることもあります。ガンマナイフを行った後、注射薬(サンドスタチン、ソマチュリン)を使用したり、ガンマナイフと平行して注射薬を使うこともあります。時に、手術前に腫瘍を縮める目的で数週間注射薬(サンドスタチン、ソマチュリン)を使うこともあります。




先端巨大症・巨人症の治療成績

手術成績

これらのことを参考にして治療法を選択するのがよいでしょう。

手術を行って成長ホルモンが下がると、急速に体重が減少します。手術後1週間で約5kg程度体重が減少します。



 

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