クッシング病


クッシング症候群とクッシング病

クッシング病の症状は?

放置するとどうなるの?

クッシング病の診断は?

治療はどうするの?


クッシング症候群とクッシング病

クッシング症候群とは副腎皮質ホルモン(ステロイド)が体の中で異常に多く産生されるために生じる病気の総称です。クッシング症候群の原因には副腎皮質に癌ができたり、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が体の中で異常に多く産生されるために副腎皮質が刺激されて(副腎過形成)、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が異常に多く産生される場合があります。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は本来脳下垂体から産生されるものですが、体の別の組織(多くは胸腺や肺、腹腔内の腫瘍)から産生される(異所性ACTH産生腫瘍)こともあります。脳下垂体にできもの(腫瘍)ができてそこから過剰に副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が分泌されるために起こる病気を特別にクッシング病といいます。


クッシング病の症状は?

1)肥満が生じます。ただし、通常の肥満と違い手や足は細いのに胴体や顔が太ります。満月様顔貌といわれます。にきびがでます。おなかには皮膚線条といって妊娠線のようなすじがはいります。
2)高血圧や糖尿病が生じます。
3)骨粗鬆症が生じ、脊椎の圧迫骨折などが生じます。これによりひどい痛みが生じます。
4)体のカリウムという塩分が不足し、足がだるくなります。
5)顔がほてったり、異常に元気で不眠になったり、いらいらすることが多いです。
6)感染に弱くなり、傷が治りにくかったり肺炎になりやすくなります。


放置するとどうなるの?

放置すると、上記の症状は進行します。肺炎などがもとで死に至ることもまれではありません。
ですから根治を目指して治療しなければいけません。


クッシング病の診断は?

上記の症状がある場合に血液の検査を行えばだいたいわかります。血液中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が高いことで診断されます。ただし、これらのホルモンはストレスホルモンといってからだにストレスがかかったり空腹になると多く分泌されますので一度の検査で高いだけで異常であるとは限りません。
クッシング病が疑われた場合には抑制試験といってステロイドホルモンを内服したあとで採血して体から産生される副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が下がっているかどうかを見る必要があります。
これらの検査で血中の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が高いと診断された場合にはこの時点でクッシング症候群と診断されます。ここでホルモン異常の原因が何かを突き止めねばなりません。頭部のMRIで下垂体に腫瘍が見つかればほとんどの場合はクッシング病といえるでしょう。頭部のMRIで下垂体に腫瘍が見つからない場合はどうでしょうか。
この場合は異所性ACTH産生腫瘍が体のどこかにある場合と実は下垂体に腫瘍があるのに小さすぎてMRIではわからないという場合が考えられます。このために必ず全身のCTなどで胸やおなかに腫瘍がないかどうかを調べねばなりません。体のどこにも腫瘍がみあたらなければ選択的静脈カテーテル検査という特殊な検査が必要です。この検査は大腿(もも)の付け根から静脈にカテーテルを入れ、そのカテーテルを頭の中の海綿静脈洞までいれて海綿静脈洞の血液を採取する検査です。
ここまですればだいたいクッシング病は診断できますが、中にはこれでも下垂体に腫瘍があるかどうか確診ができないこともあります。この場合には手術して下垂体の中の腫瘍を探すことさえあります。


治療はどうするの?

決定的な薬物療法はなく、手術で腫瘍を摘出するのが第一です。手術は通常経蝶形骨洞手術(経鼻的手術)が行われます。
手術でも腫瘍がとりきれなかった場合にはガンマナイフなどの放射線療法を行います。薬物療法は副腎皮質ホルモン産生阻害剤などがありますが効果が不十分であることが多いです。