目的

本研究は、1990年代以降本格的な経済自由化政策の実施により急速な経済成長をとげてきたインドを中心に、周辺諸国も含めて、グローバル化のもとでの都市の発展や産業開発によって引き起こされる地域システムの変化を明らかにし、現代南アジアの地域システムの特徴とその問題点を究明するものである。

研究テーマ

本研究は、1990年代以降本格的な経済自由化政策の実施により急速な経済成長をとげてきたインドを中心に、周辺諸国も含めて、グローバル化のもとでの都市の発展や産業開発によって引き起こされる地域システムの変化を明らかにし、現代南アジアの地域システムの特徴とその問題点を究明するものである。

サンプル

研究の背景

世界の約4分の1近い人口を擁する南アジアは、貧困問題、民族紛争、環境破壊など世界的課題を数多く抱える地域である。近年は、この地域でもグローバル化が急速に進み、経済面を中心に大きな変貌をとげている。特に、経済成長や構造調整により、国土空間や地域システムが再編され、そこに様々な問題が生じている。こうした点の解明はこの地域の問題解決や将来像を考える上で緊要の課題であろう。本センターは、これまでインド研究に長い伝統と蓄積をもつ広島大学総合地誌研究資料センターとの緊密な連携により研究を進める。特にその所蔵する膨大な文献やデータを利用しうることは、他大学にない大きな有利性である。

研究の目的(科学研究費(基盤研究A)「現代インドにおけるメガ・リージョンの形成・発展と経済社会変動に関する研究」)

本研究では、現代インドの経済発展を促進し、その一方で地域格差問題をもたらしている空間構造の特質を、大都市を越えた広域集積地域としてのメガ・リージョンに焦点を当てて考察する。主たる課題は、インドのメガ・リージョンは、@どのように形成され、存在しているのか、Aどのような内部構造をもち、地域の経済社会変動(発展)とどのように関係しているか、B国レベルの経済発展においてどのような役割を果たしているか、Cグローバルな変動とどのように結びついているか、である。このような認識に立ち、具体的に以下の検討を行う。@インドにおけるメガ・リージョンの存在形態を夜の光量データや統計資料を用いて把握したうえで、Aメガ・リージョンの内部構造を産業集積(工業、IT産業、大規模小売業)、都市空間(住宅・オフィス開発、郊外農村の都市化、地域ガバナンス)、イノベーション創出(人材供給、研究開発)の3点から検討し、地域の経済社会変動(発展)やナショナル、グローバルな変動と関連づける。Bメガ・リージョンの地域的波及構造を明らかにするために、後背地空間をとりあげ、商業的農業、観光開発、流通システムなどから考察する。主たる調査地域は、「デリー=ラホール」地域である。この地域は、首都デリーの大都市圏から、ハリヤーナー州、パンジャーブ州を経てパキスタンのラホールに至る地域である。以上の検討により、現代インドの経済発展の空間的基盤とその問題点が解明されると考える。