組合せ論サマースクール 2016(COS 2016)


組合せ論サマースクール 2016
COmbinatorics Summer school 2016 (COS 2016)
開催期間:2016年8月23(火)-26(金)
場所:岐阜県下呂温泉
会場:下呂市民会館
宿舎:睦館
参加申込受付期間:5/16(月)-7/11(月)

プログラム
プログラム+予稿集

32名の方にご参加いただき無事終了致しました. ありがとうございました.

ホームページ更新情報

・ 4/7 ホームページを開設しました.
・ 4/11 開催期間と会場情報を掲載しました.
・ 5/16 参加申込み受付を開始しました.
・ 6/21 入門講義についての情報を掲載しました.
・ 7/26 初日の講演についてのお願いと費用の詳細を掲載しました.
・ 8/4 入門講義(招待講演)の情報を追加しました(8/10: さらに追加しました).
・ 8/15 プログラムと予稿集を公開しました.
・ 9/2 集合写真を公開しました.

集合写真1
集合写真2

組合せ論はそれ自身で面白い話題を持ち, また他の数学の分野や情報学, 工学の面でも応用され, 相互に影響を与え, 日々発展しております. 一方で, 組合せ論に携わっている研究者が多くいるにも関わらず, 研究内容が多岐に亘っているため, なかなか一堂に会して交流が出来ていないのが現状です. また, 研究分野の広範さゆえ, 組合せ論に興味を持った学生がどのように学習や研究を進めていけばよいか, 指針が得られにくい傾向もあると思われます.

組合せ論サマースクールでは, 合宿形式で「組合せ論」というキーワードを持つ幅広い研究者が交流する機会を提供することを目的としています. 今年度のサマースクールは例年通り「一般講演」と「未解決問題セッション」の実施に加え, 組合せ論・応用数学に関連する最近の話題についての「入門講義(招待講演) 」も実施します(下に詳細があります).

一般講演では, 様々なバックグラウンドを持つ参加者が最新の研究内容を発表し, 組合せ論に於ける視野の拡大を目的としております. 未解決問題セッションでは, 様々な分野での未解決問題や専門外の参加者が興味を持って取り組めそうな問題を紹介, 更に議論をすることで, 参加者間の問題意識の共有や, 学生, 若手研究者のこれからの研究題材の獲得を目的としております. 未解決問題セッションは, 従来の研究集会ではあまり設けることのない企画であり, 通常講演とは違った視点から他の研究者の問題意識が分かると思います. 例年, 発表者と聴衆の距離感も近く活発な議論が起き, 双方共に実りあるセッションです.

本サマースクールでは, 特に学生や若手研究者の皆様に多く参加してもらい, 研究題材や研究仲間・友人を得て, また, 自分の研究を発表する機会として, 将来の飛躍の踏台にして欲しいと考えています. 多くの皆様のご参加をお待ちしています.


入門講義(招待講演)

講師:伊藤 昇 氏(所属:東京大学)
講演タイトル:
第1部 ナノワード理論の豊饒さ
第2部 結び目不変量のカテゴリフィケーション(圏論化)へのお誘い
第3部 平面曲線論の未解決問題について

概要:
第1部 ナノワード理論は2005年頃にTuraevにより導入された数学理論であり、日本の所属の若手によって育てられてきた経緯がある。ナノワードは結び目の一般化である。そもそも結び目には量子不変量を統括するコンツェビッチ不変量というものがあるのだが、その記述にはコード図と呼ばれるものを使う。ナノワードはコード図の一般化と呼べるものとなっている。結び目のカテゴリーに相当するナノワードだけでも、ナノワードは豊富な情報を持つ。結び目ナノワードから3種類の異なるホモトピー構造が導かれる。本講演ではこの3種類のホモトピーを紹介する。できれば、この3種+結び目構造の相互関係に関する未解決問題を述べたい。

第2部 カテゴリフィケーション(圏論化)は様々な文脈で語られるが、講演者は結び目不変量に関して最も基本的なホバノフホモロジーの定義を紹介する。この分野は極めて活発である。できれば、我々にどんな努力が求められているかを紹介する。

第3部 講演者は、近年、平面曲線について多くの未解決問題を整理した。講演では、予備知識が少なくとも理解でき、かつ、特に面白そうな未解決問題を取り上げる。
[参考文献:N.Ito, Knot Projections, CRC Press (Taylor & Francis Group), 224 pages]。


講師:萩田 真理子 氏(所属:お茶の水女子大学)
講演タイトル:組み合わせ構造の存在性とその応用


概要:
前半は古典的な符号理論を簡単に紹介し、後半は誤り訂正符号系列を中心に、m系列、ド・ブライン系列、暗号乱数列、擬似乱数列など、組み合わせ論に関わる系列の性質と扱い方を紹介します。
X上の誤り訂正符号系列は、周期Nの周期列でそのk-部分列の族がすべて異なり、最小距離dの誤り訂正符号をなすものとして定義されます。dが2e+1以上のときk部分列に現れるe個までの誤りを訂正でき、e-誤り訂正符号系列と呼びます。GF(q)上のm系列は周期q^n-1を持ち、(q^n-1,n,1)誤り訂正符号系列となります。これがe-誤り訂正符号系列として良いパラメータを持つための条件を与え、「1-誤り訂正符号系列として良いm系列が、2以上の誤り訂正符号系列としても良いm系列となるとは限らない」、「原始多項式でない多項式から生成した方が良い系列が得られることがある」という研究結果を紹介します。


開催期間・場所・実施形式

開催期間:2016年8月23(火)-26(金)
場所:岐阜県下呂温泉
会場:下呂市民会館 (リンク内に地図あり)
宿舎:睦館

本サマースクールは, 基本的に合宿形式での実施を前提に計画しています. サマースクールの会場近くの旅館「睦館」に部屋を8/23(火)-26(金)の3泊4日で手配しています. 実行委員会を通して「睦館」への宿泊をお願いいたします(一泊9,800円程度).
他の宿泊施設や個室の利用を希望の際はご相談下さい.

参加費用詳細については下の方に掲載しています.
アクセス 

宿舎へのアクセス方法はこちらを参考にして下さい.

・名古屋駅から下呂駅まで高山本線(ワイドビューひだ)で約1時間半
・富山駅から下呂駅まで高山本線(ワイドビューひだ)で約2時間15分
・宿舎は下呂駅から徒歩三分

サマースクール会場の地図は こちら

参加条件・参加申込み

組合せ論に興味を持つ方でしたら, 原則, どなたでも参加いただけます. 参加者にはご自身の研究内容を口頭で講演頂くよう, お願いしております. また, 学部生の方など, これから本格的に研究活動される方は, 自身が面している問題(読んでいる本で解けない演習など) を取り上げて頂いても結構です.

今年度の参加申し込みは締め切りました. 多数の方のご参加申し込みありがとうございます.

費用(当日支払)

宿泊費:1泊2食あたり 9,720 円(個室の方は1泊2食で14,040円) 
参加費: 無料
懇親会費:学生(ドクター以下)は1,500円, それ以外の方は3,000円

例: 大部屋での全日程参加(3泊6食)で懇親会参加の場合 30,660円(学生) or 32,160 円(学生以外).

世話人の方で初日にまとめて徴収致しますので, おつりのないようにご準備ください.

旅費援助に関して

学生(学部生・修士・博士)の参加者については数名程度旅費の援助ができる予定です.
旅費援助を希望する方は 参加申し込み時にその旨を明記するか, または参加申し込みを済ませた上で 8月1日(月) までに申し出てください.

予算の都合上必ずしもご希望に沿えない場合がある旨ご了承ください.

講演予稿に関して

以下の注意に従い講演予稿を作成し, 8月1日(月) までに参加申込と同じ comb.summer.school.2016[at]gmail.com 宛てに提出して下さい. ([at]を@に変えてお申込み下さい)
  • A4で2枚以内で, 講演のアブストラクトを記述する.
  • フォントサイズ, スタイルファイルなどは自由. ただし, ページ数は記載しないこと.
  • 名前, 所属, 連絡先を明記する.
  • 作成した予稿の「PDFファイル」を用意する.
なお, 予稿はサマースクール前にwebにて公開を予定しています(8/15 追記: ページトップに公開致しました). また, 当日会場において, 「講演予稿集」を参加者へ配布いたします.

未解決問題の紹介に関して

未解決問題の紹介をされる方は以下の要件に従った予稿を作成し, 講演予稿と同様に8月1日(月)まで comb.summer.school.2016[at]gmail.com 宛てに提出して下さい. ([at]を@に変えてお送りください)
  • A4で1枚以内で, 問題を理解するための補助的な事項を記述する.
  • 「出題者または出典」, 「問題」, 「問題の大まかな分野」を明記する.
  • 上記以外の形式については, 講演予稿フォーム作成の注意に準拠する.

スケジュール

5月16日(月)〜7月11日(月) 参加申込受付期間
8月1日(月) 講演予稿, 未解決問題予稿提出締切
8月23日(火) 組合せ論サマースクール開催日
8月25日(木) 懇親会
8月26日(金) 組合せ論サマースクール最終日

組合せ論サマースクール2015(COS2015) ホームページへのリンク
過去の組合せ論サマースクールへのリンク


組合せ論サマースクール2016実行委員
実行委員長:東谷章弘(京都産業大学)
実行委員(50音順):奥田隆幸(広島大学)
落海望(湘南工科大学)
野口健太(東京電機大学)
松本ディオゴけんじ(芝浦工業大学)

本サマースクールは本研究集会は以下の科研費の支援を受けて開催されます:
  • 基盤研究(C) JP16KT0131 「代数トポロジー的データ解析の地理学への応用に関する研究」 (代表者:沼田泰英)
  • 基盤研究(C) JP16K05102 「良い頂点彩色を持つ凸多面体及び多様体の単体分割の研究」 (代表者:村井聡)
  • 科研費若手研究(B) JP268000151 「代数的及び組合せ論的手法を駆使した正規整凸多面体のδ列の探究」 (代表者:東谷章弘)

Last Updated on April 7, 2016