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良い論文の書き方
れいこさんレポートを提出する時に要求される条件を教えるね。面倒に見えるけど、これを守って書いていると、将来良い文章が書けるようになるよ。
(ここに示したもののうち、「本」「材料」「視点」「結論」「題目」と、論立て、キーセンテンス、引用文は、期末レポートにつけて提出しなければならないよ)
1.〈論文〉の基本概念を押さえる。

   三つのO

Originality(独創性)   

   自分なりの分析と解釈が不可欠     ×作品の要約(粗筋)や解説

Objectivity(客観性  

   誰をも納得させる論理         ×「___と思う」だけの感想文

One subject for one thesis(統一性) 

   ひとつのテーマについて書く     ×様々な内容が印象的に併存

2.〈論文を書く前に準備すること〉

ァ)「本」を選ぶ:  cf. The Catcher in the Rye

イ)論じる「材料」を選ぶ : cf. 主人公Holdenを中心に

ウ)論じる「視点」を選ぶ: cf. 物質主義社会との関連から

エ)結論となる「主張」を選ぶ: cf. 1950年代の理想的青年像が抱えていた欠点はこの時代の豊かさの象徴

オ)(ア)(エ)を含むような「題目」の決定: cf.The Catcher in the Ryeに描かれた1950年代の理想的青年像とその限界

カ)主題に関わる内容を並べる(思いつくだけ--この段階では、アットランダムでよい)

  • Holdenの理想と失望
  • HoldenのNiceとPhony
  • Holdenの自身の欠点
  • Holdenが主人公の理由
  • Holdenと家族との関わり
  • 1950年代の青年像
  • 1950年代の時代層
  • Salinger自身の性質
キ)カをもとに、効果的な論法を選ぶ →→ 論立て

  (章題とキーセンテンスを並べた時、論の展開が一目瞭然なように

cf.

1) イントロ

  論の方向性

2) Holdenの理想

  HoldenのNiceな世界は純粋無垢

3) Holdenの理想の限界

  Holdenの理想には豊かさ故の甘えがある

4)Holdenの限界の時代性

  Holdenの甘えには1950年代の豊かさが反映

5)結論(SalingerとHoldenの共通点が示すSalingerの時代性と限界)

  Salingerの理想を体現するHoldenの理想と限界は1950年代の豊かさの特徴

ク)各章にはキーセンテンスがなければならない。(そのセンテンスが各章の結論)

  キーセンテンスは自分の主張→主観的

主張の客観化→裏付けとしての引用
1)本文(引用)からの引用

  深い読みが示せるようなもの

2)先行研究からの引用

ケ) キーセンテンスの論証のための引用文の書き出し(それぞれに最低ひとつ)

コ)(ケ)の中から論の流れを考えながら、最適なものを選ぶ。

3.論文作成:論文はしっかり腰を据え、時間をかけて書きましょう

4.論文の推敲:論文は必ず読み直すこと。最低3度は書き換えないと、良い文章にはならない。

読み直すときの注意事項
  • Originality: 自分の分析や解釈(キーセンテンス)が結論になるように各段落がまとまっているか。
  • Objectivity:各段落が論理的につながって、論文の結論になっているか。
  • One subject:明快か。あれこれ言い過ぎていないか。
  • 引用文は十分説明されているか。
  • 誤字脱字はないか。
      その他に、こんなことも注意するといいよ。   
  1. 論立てがしっかりしていないと、口調だけかがやたら断定的になるものだよ。「……なのである」が乱発される場合は、要注意!そのような言い方をしなくても相手が納得するような内容に 変更 したほうがいいね。
  2. 段落はひとつの考えのまとまりを示すもの。ひとつの段落にひとつの主張キーセンテンスとなる部分)が なくてはならないよ。逆を言うと、ひとつの段落に多数のキーセンテンスを入れてはならない。だから、段落がやたら長い場合は要注意。(全体の長さにもよるけど、600字以上になったら注意してごらん)
  3. 長い段落はきっとキーセンテンスが瞬昧になっているよ。それに、論文全体で不釣り合いに長い段落は、 明快な論の流れを妨げるしね。
  4. 自分の主張を裏付けるためには必ず例証が必要だよ。逆に、例証がいらないような文章はオリジナリティがないんだね。
  5. 例証に用いる引用は我田引水とならないようにね。
  6. 引用についての君の説明を読者に納得してもらうために、引用文のニュアンスや意味が十分理解できるだけの解説や、引用の背景説明が、提供されなきゃあだめだよ。
  7. 引用は、それをただ読めばわかるという内容だったら、長く引用する価値はないね。原作を読めばわかるような所は、内容の要約で十分なんだ。上手な引用のためには、「引用の仕方」を参考にね。
    • このコナン君が「引用の仕方」を助けてくれるよ。
  8. 直接、間接を問わず、他の人の意見を参考にした場合は、必ずそのことを明記しなければだめだよ。(さもないと、〈剽窃〉--つまり犯罪だからね!)

 
れいこさんに聞いたところ、評価の基準は(1)作品解釈のおもしろさ(2)論文の書き方の二点なんだそうだ。ここに書かれているこ とは、(2)に関すること。だから、こういうことがすべて守られていたら、Bは取れるわけ。逆に、Cだった人は、解釈がだめだっただけじゃあなく、論文の書き方も難があったってことだよ。

文学作品を批評するのが苦手でも、きちんと勉強して、しっかりした文章さえ書いていれば、れいこさんのクラスで平均以上がもらえるはずなんだ。

                      自分の勉強の反省にしてね!

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