ポーランドの昆虫たち


2001年7月15日から23日まで仕事でポーランドを訪れる機会がありました。ポズナンという古都の郊外にいたのですが、滞在地の周りは農家と見渡すかぎりの麦畑という環境でした。セミがいる雰囲気は全くありませんでしたが、時間ができれば付近を歩いて目に付いた昆虫を撮影しました。ただしネットなどは持参しませんでしたので手に取って観察できた種は限られています。

(注)種名についてはわからないので、類似の国産種の和名を流用していることがあります。別種である可能性も十二分にありえますので、そのつもりでお読み下さい。たとえば、アカスジカメムシやキタテハは手元の資料ではヨーロッパには分布しないようです。


・チョウ類

まず目に付いたのは‘モンシロチョウ’。まさに日本のそれと同じような雰囲気であちらこちらで見ました。習性も似ているように思いました。個体数も多かったです。しかしよく見るとちょっと大きめ(=ほぼ日本のモンシロチョウ並)のものと一回り小さめのものがいることに気付きました。同種(オスメスの違い?個体差?)か異種かはわかりませんでした。22日に行ったトルンの街でも大きい方のモンシロチョウが多数見られました。その他このヤマキチョウも見かけました。

タテハで多かったのはこの‘アカタテハ’。日本のアカタテハ(この写真は広島産)と比べると文様が異なることが分かります。草地で盛んに占有行動をとり、侵入してきた♂(だと思う)を追いかけていました。これと並んでよく見たのはこのクジャクチョウ。この写真は開けておいた窓から部屋に入って来た個体です。この他このキタテハもよく見かけたチョウです。

この他明るい草地ではヒョウモンチョウがアザミなどに来ているのを見かけました。一種はミドリヒョウモン、もう一種はギンボシヒョウモンに見えます。

その他、アカマダラもしくはサカハチチョウに似たチョウ、ヒガゲチョウジャノメチョウ

・カメムシ

カメムシで多かったのはこのヒメホシカメムシに似た種。これは木の幹にべったりと付いていました。これ以外の種は残念ながらほとんど見ませんでしたが、このアカスジカメムシは数少ない例です。

・トンボ

一番目についたのは池の水面上30cmほどの高さを時折ホバリングしながら巡回(占有行動)していた、シオカラトンボ位の大きさで全身緑〜深緑の金属光沢の美しいトンボです。おそらくエゾトンボの一種ではないかと想像します。残念ながら撮影できずじまいでした。私が唯一ネットを持ってきていたら、と思った昆虫です。

その他このアカネ(アカトンボ)とこの美しいイトトンボは池の周りを中心に個体数も多かったです。

・甲虫類

今回出会った甲虫類で最も大物はこのクワガタのメスです。ちょうど日本のコクワガタのメスほどの大きさで、一旦は連れて帰ることも考えましたが、止めにしました。また美しかったのはこのヨツスジハナカミキリに似たカミキリムシです。テントウムシはこのナナホシテントウをよく見ました。日本のものより色が薄く、星が小さいのが特徴です。森に入るとスカラベ(フンコロガシ)を見かけました。その他コメツキ

・ハサミムシ

日本ではよほどこちらが積極的にならないとお目にかかれないハサミムシですが、たった9日の滞在中に3回も見かけました。1回目は草の花に来ていた個体。ハサミが大きいのと色白なのが印象的でした。2回目(写真ナシ)は木の樹皮の裏側にいるところを見、3回目は何とある博物館の入り口の掲示板に。

・ハチ

丸太に飛来して木の繊維をかみ砕いている小型のハチを見ました。


(c)2001 SAISHO, Yasumasa

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