No.ReSCL-5

英語タイトル:

Airborne scanning lidar measurement of ocean waves

 

日本語訳タイトル:

航空機搭載走査型ライダによる海洋波浪観測

 

筆者:

P. A. Hwang, W. B. Krabill, W. Wright, R. N. Swift and E. J. Walsh

 

要旨:

(本論文で示す)走査型のライダ観測は海洋波浪の高分解能3次元計測を可能とする.航空機搭載システムであり,プラットフォームの速度が速いことから,短時間のデータ取得が可能である.これらの特徴は,海洋波浪の速い変動の観測に有用である.このアクティブセンシングに加えて,走査型のイメージャを搭載し,リアルタイムで海面の輝度イメージを取得する.これらの観測結果から,砕波の分布や統計量を得ることができる.本システムの技術的内容および測定例を示す.

(訳:古津)

 

訳者コメント:

レーザレンジングはよく使われるが,イメージャと組合わせて使うというのは聞いた.砕波(breaking waves)の空間分布や確率を見るために使うらしい.(観測波長は書いていないが,砕波を検出するには適当な波長があるのか?) ライダの方は,1クロストラック走査は0.1秒,航空機の高度を500m位として,観測幅は約200m.海面分解能は1m以下だが,「歯抜け」になっているのでリサンプルして,1グリッドを6m×10mとしている.垂直方向の精度は10cm(rms)程度.実験はNorth Carolina沖の大西洋で行っている.

観測結果,波浪の波数スペクトルの導出,海底地形による波浪の変化(ところで「Bathymetry」で日本語で普通どう呼ばれるのですかね?海底地形学?),波浪の自己相関関数,相互相関関数(コニカル走査の航空機前後で2回同じ場所を観測できるから,時間のずれた2つの時系列を得ることができる),砕波分布などを求めることができる.これらの話は,波浪工学にどこまで寄与できるのか?観測周期やスポットサイズから,重力波スペクトルだけであろう.SAR観測に直接効くのは,LバンドSARの場合20cm程度,Cバンドの場合5cm程度の重力−表面張力波であるが,この程度の波の大きさ(スペクトル)を測定できる方法はないものか?