特設 湖山池 衛星・数値情報データベース
2012年3月16日開設
2012年4月3日更新
2013年1月24日更新

<新着情報>
2013/1/22 湖山池ミニシンポジウムが開かれ,衛星データに関する成果の一部を公表しました.[リンク]

2012年3月12日,鳥取県鳥取市湖山町にある日本一大きな池「湖山池」で歴史的な試みが行われた.汽水化にむけて日本海とつながる湖山川の水門を全面開放したのだ.汽水化によりシジミや藻場が戻ってくるのか.これを期に同湖の環境のモニタリングをする目的で,同湖に関する衛星データベースサイトを特設した.関連報道は以下の通り.記事1記事2記事3

開門後の塩分濃度変化
開門後の湖山池の日平均塩分濃度の変化をグラフにしてみました.(右図は4/3まで)鳥取県防災情報のテレメータデータより図化.目標汽水の目安は2000ppm以上.

LANDSAT画像から見た湖山池
LANDSAT画像はアメリカの地球観測衛星で可視・近赤外を30m解像度で,熱赤外(温度)を120m解像度でそれぞれ16日周期で測定できるセンサである.しかし現在は,よい画質のデータは得られなく,今後のモニタリングには使えない.しかし過去(1980年代〜2002年)の環境を知るには絶好の画像データである.

GOCI全体画像(お試し版)
GOCIとは2010年6月に韓国が打ち上げた世界初の静止海色観測衛星センサ(解像度は500m)のことである.現在は,11時,12時,13時の画像を毎日無料配信している.右図は2012年2月20日の3時間画像をアニメーション化した図である.2012年のこの時期は猛烈な寒波で山陰地方は雪で覆われていることがわかる.現在稼働中の海色センサはGOCIだけでなく,MODIS,VIIRS(NPOESS)等もあるが,静止衛星はGOCIだけである.

GOCI湖山池画像(お試し版)
2012年2月20日の湖山池周辺のGOCI画像を示している.真ん中の黒いところが湖山池で周囲は雪で白く映っている.今後,晴れていれば,元画像から池の平均的なクロロフィル量等がモニタリングできる可能性がある.しかし今のところ水門開放後の良質画像は得られていない.

文献紹介
星見清晴:湖山池の形成について.鳥取県立博物館研究報告,27:19-31,1990

田中善蔵・上田那須雄・西田良平・福田啓子・島崎綾子:湖山池の総合的な自然環境調査,鳥取大学教養部紀要,24,pp.63-92,1990

赤木三郎・豊島吉則・星見清晴・谷村美弥子:湖山池の地質環境と地誌的変遷.地質学雑誌,39,pp.103-116,1993

福田啓子:湖山池におけるプランクトン個体群の動態,鳥取大学教養部紀要,28:245-256,1994

高安克巳・瀬戸浩二・赤木三郎・西田良平・田中善蔵・村田祐司・作野裕司:鳥取県湖山池の湖底地形と底質(概報),LAGUNA(汽水域研究),1,pp.27-35,1994

作野裕司・高安克巳・瀬戸浩二・赤木三郎・西田良平・田中善蔵・村田祐司・浅村久
志・浜田哲弘:湖山池底質柱状試料の粒度・全有機炭素濃度およびC/N比変化,
LAGUNA(汽水域研究),2,pp.11-20,1995

浜田哲弘・作野裕司・高安克巳・瀬戸浩二・赤木三郎・西田良平・田中善蔵・村田祐
司・浅村久志・福田啓子:湖山池の湖底堆積物に包埋される珪藻からみた古環境変遷,LAGUNA(汽水域研究),9,pp.9-17,2002