腫瘍診療班




整形外科であつかう腫瘍は
四肢(肩,腕,手,股,脚,足など)や脊椎(背骨)にできる腫瘍で、骨腫瘍(骨にできる腫瘍)と軟部腫瘍 (筋肉,血管,神経などの軟部組織にできる腫瘍)に分かれます。腫瘍はその細胞の性質により良性と悪性に分かれます。 一般に、良性腫瘍は増大速度が遅く、あまり大きくなることはありませんが、悪性腫瘍は、どんどん大きくなって、 時には他の臓器(特に肺が多い)に転移することがあります。したがって、診断をできるだけ早く正確につけることが重要です 。最近では、いろいろな診断方法や治療方法が進歩し、悪性腫瘍といえども決して不治の病ではありません。


診察日は
水曜日(初診のみ)と木曜日(再診)で、下瀬、久保、田中(玄)、延藤の4人で診療しています。 腫瘍班では主に四肢にできる腫瘍を治療しています。


悪性骨・軟部腫瘍の手術件数は
1987年〜2002年(15年間)で249例です。




診断、治療に関して
悪性腫瘍の治療では生命的な予後が最も重要です。画像診断、化学療法が進歩し、切断ではなく患肢を温存することが 当たりまえとなった今日では、温存した患肢の機能も重要な課題となっています。当科ではこの課題に早くから取り組んできました。


1.3次元CT画像診断に関して
放射線科の協力をいただき、日本に数十台しかないマルチスライスCTを用いて3次元CT画像診断を行っています。 立体構造の把握に有用であることはもちろん、経静脈性に造影することで軟部腫瘍が描出され、 主要な血管との位置関係の把握が容易にでき、正確な手術計画に有用です。



3次元CT画像(図)
右手の軟部腫瘍.軟部腫瘍(緑色)と指動脈が明瞭に描出されている


2.密封小線源組織内照射(Brachytherapy)について
重要な血管、神経が腫瘍と近接し、従来では切断するしかなかった症例でも、腫瘍切除後の創内にチューブを留置し、 そのチューブにイリジウムの小線源を挿入し照射することで患肢を温存する方法です。短期間にしかも集中的に標的に 高線量を照射でき,周囲の健常組織が低線量被曝で済むという利点があります。欧米ではすでに確立された治療方法ですが、 日本での導入はやや遅れ、現在でも数施設しかできません。 当科では1995年より開始し、すでに30人に対して行い良好な結果を得ています。

    

密封小線源放射線治療(図)
右大腿部の悪性軟部腫瘍切除後に     コンピュータにより線量を計算
イリジウム線源挿入用のチューブを留置


3.遊離複合組織移植による再建について
腫瘍を切除した後は高度な組織欠損が生じます。再建方法には人工関節を用いる方法と自分の組織によって再建する方法があります。 耐用年数に限界のある人工関節で再建するより、自分の組織で再建することが長期的には有利です。 当科では1975年より腫瘍切除後の再建に血管柄付き組織移植を行っています。1986年から2000年の15年間に57例 (血管柄付き骨移植28例、血管柄付き筋皮弁移植29例)を行い良好な結果を得ています。

  

血管柄付き腓骨移植による再建(図)
右脛骨骨腫瘍    血管柄付き腓骨により再建


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