脊椎側彎診療班

脊椎側彎診療班

脊柱側弯症外来は昭和46年に泉 恭博(S.42卒)にて開設されました。 当時は参考になる教科書もない時代で米国空軍立川病院時代に指導を受けたMilwaukee Braceを使用して、 試行錯誤を繰り返しながらの診療だったとのことです。 津下健哉前教授、 そして昭和60年の生田体制への移行後も生田義和教授のご高配により、 そして各病院のスタッフのご協力で大学での外来診療は途切れることがなく長年継続できました。 平成20年度までの登録患者数は4049名になります。 装具療法は昭和50年頃よりProf.Hall(ハーバード大学)から頂いた資料を元に側弯矯正装具としてT.LS.O. (Thoraco-Lumbo-Sacral Orthosis)の開発に取り組み、昭和56年に側弯変形の矯正に優れ、即日使用開始できるPrefabricationも可能なTLSO(Hiroshima) Systemを確立しています。

レントゲン写真(側弯症) TLSO(Hiroshima)装具
レントゲン写真(側弯症) TLSO(Hiroshima)装具

 

手術療法は最初の患者さんを中国労災病院で実施して現在まで180名です。 (絶対的適応を60°以上と厳しくしているために少ない) 現在では広島県リハビリテーションセンター、広島総合病院、広島三菱病院において黒瀬靖郎(S.46卒)、藤本吉範(S.54卒)、田中信弘(H.2卒)の協力を得て手術しています。

業績については大学病院のほか上述の2病院、リハセンターの先生方に側弯症に関するさまざまな問題点について発表しており、 側弯症治療に貢献できているものとしては病因に関するもの: 胸郭の分析(栗尾重徳、S.54卒)、躯幹筋力の評価、計測(濱田宜和、S.55卒) 、胸椎形状の特徴(出家正隆、S.63卒)、評価に関するもの:Risser signの問題点(光成晶良、S.57卒)、Alkaline phosphatase、 Ca or Pによる骨成熟判定 (石田治、S.55卒、月坂和宏、S.61卒)、Cobb角の精度(宮下裕行、S.59卒)、 背部変形のシルエッター評価(福原千史、S.55卒、志村司、H.2卒)、肺機能(重光陽一郎、S.61卒)、 治療に関するもの:Modified Control牽引の有用性(濱田宜和)、Roddingの問題(山田晋、S.59卒)などの報告があります。 これらの情報の一部は海外での発表、報告も実施しています。 また、平成4年には広島で第26回日本側弯症学会を主幹しています。

側弯症は手術治療をしても残念ながら本来の健全な脊柱に戻すことができません。

日本側弯症学会の働きかけで学校検診では前屈テストを実施し、軽症のうちに早期発見するように学校保健法で義務づけられています。側弯検診の検診対象者は多く、担当者には膨大な労力、時間の拘束が求められます。広島市では平成15年より省力化した広島方式姿勢検診(シルエッター検診)体制を構築し、世界に誇れる健診システムの運営に協力しています。

シルエッター 測定画面
左図:シルエッター 右図:測定画面
現在なお特発性側弯症の病因は明らかではありませんので、 本病態の病因解明を目標に注意深い日常診療を心がけています。

 

文責: 泉 恭博 (S.42卒)


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