広島大学病院 精神科神経科 / 広島大学大学院 精神神経医科学
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生物学的精神医学研究グループ(薬理)(森信 繁 助教授

 外傷後ストレス障害(PTSD)・うつ病をはじめ、精神障害の発症過程にはストレスの関与する病態がたくさんあります。でも実態のない無形のストレスというファクターが、どのようにして病気を引き起こすのでしょうか? 我々はストレスによる精神機能の障害を、1のような脳内情報系の異常を介した遺伝子発現の変動に伴う認知・情動機能の変容としてとらえ、そのメカニズムを解析しております。 

 特に最近は、これまでの膨大な疫学的臨床研究の成果に基づき、幼少期ストレスによって形成されるストレス脆弱性の分子機序解明に取り組んでおります。具体的には新生児期母子分離ラットの成熟後にみられるストレス脆弱性(空間記憶障害・うつ状態への感受性亢進・摂食障害など)を行動学的に解析し、脆弱性形成への関連遺伝子を探索しております。方法はcDNAアレイ(2)や抗体アレイ或いはdifferential display法を用いて、脆弱個体特有の遺伝子(蛋白)発現の変化をスクリーニングし、real-time PCR法(3)・western blot法(4)・免疫組織染色法(5)・未知の遺伝子のsequenceなどから標的遺伝子を絞り込んでいます。その後は、(1)母子分離後の良好な養育環境によってストレス脆弱性および遺伝子発現変動が修復されるか? (2)どのような薬物によってストレス脆弱性の顕現化が予防されるか? (3)ヒトでのストレス脆弱性マーカーにならないか?などの検討を行っております。

 このような研究を積み重ねて、ストレス性精神障害の予防法の開発を目指すと同時に、次世代育成支援対策推進に微力ではありますがニューロサイエンスという立場から貢献していきたいと思っております。


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