5年 上海研修・実地調査

 5年 提言Ⅰのプログラムでは,海外の交流校との協働などを通して,合意形成や協調的解決の実践の場をつくり出すことを目的に,平成28年度は上海での研修・実地調査を実施することになりました。
 2016年6月30日~7月3日の日程で,協働学習を進めている上海大同中学校での研修を中心とするプログラムを実施しました。
 また,在上海日本国総領事館や日系企業などへの訪問・実地調査を行いました。

上海実地研修 事前交流1 2016.06.11

 上海大同中学での実地研修に向けた事前学習の一環で,スカイプを介した直接交流を実施しました。
 上海大同中学校での研修では,お互いの学校で数人のグループをつくり,テーマを決めて発表・討論を実施するように準備を進めています。当日の協働学習がスムーズに進行できるようにするため,本日は自己紹介と班ごとのこれまでの研究概要の紹介を英語で行いました。
 大同中学の生徒は,身を乗り出して英語を聞き取り,拍手や歓声があげて反応を返してくれました。その姿を映像で見てやりとりを続けていくうちに,少しずつ生徒の緊張がほぐれてきたように思えました。
 実施内容は こちら をご覧ください。
 

上海実地研修 第1日 2016.06.30

 上海に到着し,さっそく実地調査の始まりです。現地ガイドさんに上海の中国における位置付け、地理、歴史についてい豫園・外灘でも解説していただきながら、歴史的な建築物、中国の経済の中心を見学・調査しました。
 続いて,日本国上海総領事館の調査です。入り口は中国側に厳重に警備されていましたが、身分証明を完了し、館内で、片山総領事と再会することができました。会議室において片山総領事からお話をいただき、生徒の質問にも答えていただきました。
 ご公務のため20分程度で総領事は退席されましたが、その後副領事から、在外公館の役割や領事館の具体的な仕事について、丁寧な説明をいただきました。生徒も説明後には積極的に質問し、研修を通して多くのことを学ぼうとしていました。また,現在行われている7月の参議院選挙での在留の日本人の投票について説明をいただきました。
 ホテル到着後、近隣を散策。明日の予定を確認して解散しました。
 朝の集合が早かったので、日中も眠たそうな生徒もいました。また、上海でも久しぶりの快晴で気温が上昇し、体力も奪われる1日でした。それでも、日本とは違うところに驚き、上海への理解を深めることができました。
 また、緊張感をもって総領事訪問という貴重な体験もすることができました。片山総領事や副領事から「海外に出ることで、日本を見つめることになる」「将来、国際的な仕事につかないにしても、海外に出る、海外の人と交流することは自分の可能性を広げてくれる」といった趣旨の話をいただいて、明日以降行われる、大同中学との交流へのモチベーションを高めることのできた、初日でした。
 

上海実地研修 第2日 2016.07.01

 上海研修・実地調査の第2日です。
 中国の四大博物館の一つである上海博物館を訪問しました。これまで様々な教科で習ってきた中国の歴史や風土について,多くの資料が所蔵された博物館で実物を見学し,中国の歴史の積み重ねや多民族国家である中国を学ぶことができました。また,総領事館からもご紹介のあった「京都醍醐寺の特別展」を見学し,日本の歴史が中国にどのように紹介されているかを目の当たりにすると同時に,多くの中国人がその特別展を見学している姿を見て,日本と中国のつながりを強く感じることができました。
 午後からは,上海自然博物館を訪問しました。1996年に完成した比較的新しいこの博物館は,外観もモダンな造りで発展著しい上海を印象付けるものでした。こちらでも教科書などで紹介されている化石の実物を見ることができ,多くの展示物から地球の歴史や環境保護の大切さなどを学ぶことができました。
 中国の学校は夏休みに入っており,家族連れや学校の課外授業で多くの子どもが来ていました。日本語を習っている中国の同世代の子どもから声をかけられ,突然の交流ができたという生徒もいました。
 片山総領事の同級生(27回生)の甲斐さんが勤められている上海住友商事を訪問させていただきました。甲斐さんや,住友商事に勤められている中国の方から,住友商事が目標とする企業像や経営理念,そして総合商社の仕事についての紹介をしていただきました。その後の質疑応答では,生徒たちからは積極的な質問がたくさん行われ,グローバル社会の中ではたらくことや,これからの進路の参考になるようなお話まで,様々な話をみなさんからお聞きすることができました。
 夕食後,ホテル周辺の静安寺周辺を散策,中国人が日常で利用するスーパーマーケットに行くと,様々な日本の商品が販売されており,中国が日本の企業にとって重要な市場になっていること,中国人の多くが,その商品を手に取っていることに改めて日本と中国のつながりを感じることができました。
 上海研修・実地調査第2日も体調を崩す生徒は一人もおらず,どの活動にも全ての生徒が積極的に参加することができました。そして,本日は昨日以上に,中国人の日常や,中国にある日本を目の当たりにして,この二国のつながりを生徒は実感することができました。
 上海住友商事の訪問では,甲斐さんから「中国の同世代とコミュニケーションして,よりよく中国を知ってください」という言葉を最後にいただくなど,今日1日の活動を通して,今回の研修で一番の活動である大同中学との交流がいよいよ明日に迫っている中,この交流の大きな意味・意義を理解することができた2日目でした。
 

上海実地研修 第3日 2016.07.02

 上海研修・実地調査の第3日です。
 いよいよ大同中学との共同研究のはじまりです。教室に案内されると、大同中学の生徒10名がホワイトボードに歓迎メッセージを書いて出迎えてくれました。事前にskypeで交流していたので、実際に会うのははじめてでしたが、最初から和やかな雰囲気で交流がスタートしました。はじめに全体でアイスブレイクをして親睦を深めた後、キャンパスツアーで大同中学の生徒に学校の施設や歴史の紹介をしてもらいました。その後,教室に戻り、附属福山の生徒が事前に調査などをして用意してきた3つのテーマに関するプレゼンを行い、午前の交流を終えました。
 昼はレセプション。大同中学の生徒とバスに乗り、総領事公邸に向かいました。バスの中でも自然と席を大同中学の生徒と隣にして英語で会話を弾ませていました。公邸に到着し、中に案内されると、上海日本人学校高等部の生徒とも会うことができました。片山総領事から歓迎の挨拶をいただき、公邸で3校の生徒と教師が交流しながら昼食をいただきました。3校の交流では、英語、中国語、日本語が飛び交うまさにグローバルな交流となりました。
 午後は,大同中学へ戻り、大同中学の生徒によるテーマに関するプレゼンから始まりました。その後、テーマごとの班に分かれ,それぞれのプレゼンに基づいて議論を行いました。「Art〔芸術〕」を定義しようと議論するグループ、「固有の食文化のグローバル化の在り方」について議論するグループ、それぞれの学校生活の紹介からそれぞれの将来の夢について語り合うグループなど、議論の内容はそれぞれでしたが、誰もが辞書や事前に準備した資料を駆使して議論を深めることができました。
 本日の議論に一定の結論、見通しが立ったところでプレゼントの交換を行いました。その時にはすっかり打ち解け様々な話題で談笑する姿が見られました。
 ホテルへの帰着前に,小さな店舗が立ち並ぶ街角を散策しました。若者に人気の地域で週末でもあったので、同世代の若者がたくさん買い物に来ていました。また、中国の若者に人気なだけでなく、海外からの観光客にも人気のエリアであり、様々な国・地域の方も多く見られました。
 3日目は、今回の研修の一番の活動の大同中学の生徒との交流をいよいよ行うことができました。会うまでは緊張していましたが、会うとすぐにお互い英語での会話が進み、それまでの心配が嘘のようで、最後は帰る時間になっても会話が止まらないような雰囲気でした。一方で、「相手の英語が上手だった」「どんどん話が進んでいった感じだった」といった、大同中学の生徒にリードされるかたちで議論が進んでいたことを多くの生徒が感じていました。しかし、「明日は議論をリードしたい」「相手に話に割って入ってでも、自分に意見を伝えたい」といった明日への抱負も夕食や帰りのバスで語ってくれました。
 明日の最終日、大同中学との交流・議論がよりよいものになることを期待させてくれる3日目でした。
 

上海実地研修 第4日 2016.07.03

 上海研修・実地調査の第4日です。
 大同中学との交流2日目。学校に到着して,まず,学校施設を案内してもらいました。複数の音楽室や化学・物理・生物の実験室,完成したての図書室を案内してもらい,各特別教室の設備の量・質ともに圧倒された生徒達でした。
 その後,教室に戻り昨日の議論の続きを行いました。議論後の発表に向けて,互いの主張を確認し合い,グループとして提案できるものをそれぞれ合意していきました。グループの最終発表は,日本人1名,中国人1名計2名の代表が,日本と中国の比較や,新たな課題についてホワイトボードを使って発表を行いました。
 「日本人の賞味期限など食に対する意識を変えることが,食品廃棄の削減につなげることができるのではないか」という提案や「間違いを恐れて意見の主張をためらってしまう日本人について,”Change the way of thinking”」と主張するグループ,「伝統的な文化を保存していく一つの方法として,教育が挙げられるのではないか」と提案するグループがあるなど,年齢は同じでも,国や価値観の違うメンバーで議論した結果を発表を通して共有する中で,生徒にとっても驚きや新鮮味のある結論や合意を互いの班から聞くことができました。
 発表を終えると,生徒は大同中学を出発しなければならない時間が迫っていました。最後に生徒は,昨晩ホテルでみんなでつくった様々な種類の折り紙を大同中学の生徒にプレゼントしました。また,時間が許す限り思い思いに記念撮影をするグループもあり,とても短い交流の時間でしたが,互いに通じ合えた交流になったことを感じる瞬間でした。
 諸手続きを済ませ,あとは飛行機への搭乗を待つだけでしたが,そこから搭乗口の変更や,出発時間に遅れが生じているなどのアナウンスが何度かあり,最終的に航路上での雷雲の発生に伴う欠航が決まり,急遽帰国が翌日に延期されることとなりました。
 

上海実地研修 第5日 2016.07.04

 上海の第5日(番外編)です。
 昨日欠航になった飛行機の代替便への搭乗が決まりました。諸手続きを済ませ,飛行機は8:00に上海を飛び立ちました。
 広島空港には日本時間の11時前に到着しました。前日空港で長い時間待たされるということもあり,また飛行機の出発時刻に合わせて早起きしましたので,帰国した時にはかなり生徒も疲れた様子でしたが,すべての研修を終えることができました。
 

上海実地研修 校内報告会 2016.08.26

 6月30日~7月3日にかけて行われた「上海研修」に関する校内報告会を行いました。
 研修に参加した5年生の10名が,同学年の生徒全員を対象に,4日間の日程と,上海の大同中学校の生徒と行った議論などについ報告しました。
 「学校生活」「食文化」「伝統文化」の3つのテーマに分かれて,研修前に様々な調査を行い,大同中学で発表してきた英語のプレゼンテーションの内容,テーマについて議論してきたこと,上海の生徒と合意できたこと,そして最終レポートに向けてさらに調査・研究したいことなどがテーマごとに英語で発表・報告されました。
 上海実地研修 校内報告会の詳細は,こちら
 発表の音声(一部)は,こちら