4年 タイ研修・実地調査

 4年体験グローカルのプログラムでは,備後から世界へのつながりを確かめるため,「技」「特許」「環境」「食」の4つのテーマで学習を進めてきました。
 タイ研修・実地調査は,備後発「技」で取り上げた,ホーコス株式会社のホーコス・タイランドを訪問して,備後から世界へのつながりを体感することを第1の目的とします。また,課題意識を持ってタイと日本のつながりを実地調査し,未来に向けた提言を行っていきます。
 平成27年度は2016年1月4日~7日の日程で,平成28年度は2017年1月5日~8日の日程で実施しました。

<平成28年度>4年タイ研修 事前学習 2016.12.14

 事前学習は、全部で3回実施しました。1回目は旅行業者の方からの概要説明、2回目は12月14日(水)にセミナー室で行った「しおり学習」です。現地での研修をさらに深めるために、しおりや新聞などの資料を活用して学習しました。訪問する企業に関することはもちろん、事前に調べておくべきことと、現地で調べたり、質疑したりすべきことなどに触れ、見通してもって研修に臨むことを確認していきました。タイに関する共通の知識を持つことはもちろん、個人の課題研究が深まるように、現地で知り得たことをしおりに書きためていけるように確認しました。3回目は出発直前の12月19日(月)に行い、現地で気を付けるべきこと、文化に関すること、危機管理に関することを確認しました。特に、前国王の死去にともなって、例年とは違う自粛の行動が求められる場面が増えることが予想されたので、観光客(外国人)だからという立場ではなく、現地の方に寄り添える行動や服装などに気を付け、安全安心に研修が進められるように意識統一をしました。

<平成28年度>4年タイ研修 第1日 2017.01.05

 広島空港2階国際線ロビーに集合。出発式を行い,出国手続き後広島空港を出発しました。 台北でトランジットの手続きののち飛行機に搭乗しましたが機内で待機となり,バンコクには1時間半遅れでの到着となりました。 入国手続き後は現地ガイドさんと合流し,バス内で両替。また現地ガイドさんよりタイのようすや注意事項を聞きました。 夕食は中華料理。その後ホテルにチェックインして荷物を部屋に入れたあと,全員でタイの買い物事情の調査を行いました。

<平成28年度>4年タイ研修 第2日午前 2017.01.06

 2日目の午前はジムトンプソンの家に行き,タイの歴史,産業と生活を実地調査しました。ジムトンプソンはタイのシルク王と呼ばれ,古美術の収集家としても有名であったアメリカ人です。彼の住居が博物館として公開されていて,英語での説明を受けながら館内のツアーに参加しました。ここには昔のタイの生活様式がそのまま残っています。彼はタイの家内産業であったシルクの手織りに興味を持ち,その普及に尽力しました。デザイナーとしても,染色家としても才能を発揮し,プリント模様のシルクを生み出して,タイシルクの名を世界的に広めました。彼が収集した調度品やチーク材を使用した建物を見学しながら,タイの気候風土の特徴,タイシルクの歴史や他国との関わりなど多くのことを学ぶことができました。家の前には川が流れており,家の建築に使った木材や家の前の工場で生産されていたタイシルクも船で運ばれていたそうです。今でもバンコクでは船がタクシー代わりであると説明を受けた通り,目の前を船がかなりのスピートで通り過ぎるのを目の当たりにしました。その後プノンペン地区へ移動して日系の商業施設を見学し,日系の企業がバンコク市内に多く点在している現状を視察しました。タイ国王崩御の影響で,デパート内には記帳台が設けられており,そこには海外からの旅行者の記帳もあり,国際色豊かな一面を垣間見ることができました。

<平成28年度>4年タイ研修 第2日午後(1) 2017.01.06

 2日目の午後からは,日本とタイとをつなぐ目的で設置された機関の訪問です。最初に国際交流基金を訪問しました。国際交流基金は,外務省所管の特殊法人として設立された独立行政法人で,日本の友人をふやし,世界との絆をはぐくむため,「文化」と「言語」と「対話」を通じて日本と世界をつなぐ場をつくり,人々の間に共感や信頼,好意を育んでいくことを目的として,世界各地で活動しておられます。今回の研修では,国際交流基金バンコク日本文化センター主任講師・松浦とも子様からの国際交流基金の概要と活動内容の説明,タイにおける日本語教育の現状の説明を受けました。国際交流基金バンコク文化センターに併設されている図書館では,自由に施設を見学させていただきました。その後,図書館の担当者である坪井紀子(つぼいのりこ)様から施設の説明をしていただき,質問にも答えていただき,研修を深めることができました。

<平成28年度>4年タイ研修 第2日午後(2) 2017.01.06

 次に日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所を訪問しました。JETROは経済産業省所管の独立行政法人で,各地の海外事務所ならびに本部(東京)等の国内拠点から成るネットワークをフルに活用し,対日投資の促進,農林水産物・食品の輸出や中堅・中小企業等の海外展開支援に取り組んでいます。JETROでは菅野明(かんのあきら)様が対応してくださり,「タイの概況とアセアン経済」と題して,タイを取り巻く様々な事柄について資料をもとに説明してくださいました。それだけでなく,生徒たちの「グローバル人材に必要な力は何だと思いますか」「滞在中に感じたことで,タイの水道水が飲めない原因は何ですか」などの質問に次々と真摯に答えて下さいました。菅野様は丁寧に的確にご自身の思いや考えを述べていただくだけでなく,「海外に出て働くことを躊躇せずに,まずは挑戦すること,やってみることから始めること」など,生徒へ向けての力強いメッセージもくださり,生徒たちにとって研修の励みとなりました。

<平成28年度>4年タイ研修 第3日午前 2017.01.07

 3日目の午前は,体験グローカルで講話をいただいたホーコスの,ホーコス・マニュファクチャー・タイランドに企業訪問しました。ホーコスでは門田様,後藤様,タイ人スタッフの方の3名が担当してくださいました。会議室で概要の説明をしていただいた後,実際に工場を見学させていただきました。見学の最中にも生徒から質問があれば,丁寧に対応してくださいました。会議室に戻ってからも,引き続き生徒からの質問に答えてくださいました。その中で,福山からタイへ進出するための準備やその際の苦労話も印象に残りましたが,タイ人のスタッフの方から見たタイの現在の状況や日本企業に対する思いなども率直にうかがうことができたことは,生徒にとって大きな収穫でした。スタッフの方々は,バスが見えなくなるまで手を振って見送ってくださいました。

<平成28年度>4年タイ研修 第3日午後 2017.01.07

 3日目の午後からは,タイの大学生3名と合流して,バンコク市内を巡るB&Sプログラムを行いました。王宮やエメラルド寺院は国王の崩御を悼んだタイ人の方々や,世界各国の観光客で大変な人出でした。タイの大学生3人や現地のガイドの方が「王宮は普段から人が多いけれど,こんな人出は初めて見る。持ち物がなくならないように,はぐれないように気を付けて。」と危機管理にも気を配ってくれました。短い時間でしたが,英語や日本語を交えながら笑顔でコミュニケーションをとっていました。

<平成28年度>4年タイ研修 第4日 2017.01.08

 4日目は最終日でした。チェックアウトを済ませ,ロビーにて集合写真をとり,4日間お世話になった現地ガイドさんに感謝の気持ちを伝えました。行きと同じように台北を経由して広島空港に到着し,到着ロビーにて解団式を行いました。4日間広島空港から添乗してくださった田中さんからも一言お話をしていただき,全員でお礼の気持ちを伝えました。 今回のタイ研修は10月にプミポン国王が崩御された影響でバンコク市内は渋滞がひどく,移動の時間が読みにくいところもありました。しかし,現地ガイドと日本旅行添乗員の方々の臨機応変なサポートのおかげで,3か所の企業訪問は滞りなく行うことができただけでなく,タイの文化に関してより一層理解が深まる経験もすることができました。今後は,4日間の研修および現地調査をもとに,各自が研究したテーマにもとづく内容を深め,2月下旬と3月8日の成果発表会の場で発表する予定です。

<平成28年度>4年タイ研修 校内報告会 2017.02.23

 1月5日~8日にかけて行われた「タイ研修」に関する校内報告会を行いました。研修に参加した4年生の代表生徒10名(報告会当日1名欠席)が,同学年の生徒全員を対象に,4日間の日程と,現地でそれぞれが学んだ概略を報告しました。
 日本語教育や日本文化を紹介する公的機関(国際交流基金)を訪問したことを報告した生徒からは,タイにおける日本語教育の現状や,屋台街でも日本語を耳にするくらいのタイの親日の様子の報告がありました。また,福山市に本社がありタイに工場を進出したホーコス株式会社を訪問した報告では,現地で活躍する卒業生から話を聞くことができ,海外で働くことについて学んだことの報告もありました。
 今年度のタイ研修では,「観光」「仏教」「交通」などをテーマに生徒は,事前学習も含めて調査活動を進めており,現地で調査したことについての報告もありました。「観光」をテーマに取り組んでいる生徒からは,食に中心に研修中に口にしたトムヤムクンやグリーンカレーなどのタイ料理の紹介と,その背景にあるパクチーやナンプラーといった作物や伝統的な調味料についての考察が報告されました。
 「仏教」の生徒からは,日本とは宗派の異なる仏教に由来する僧に対するタイの人々の尊敬の念についてや,東南アジアの風土や文化の影響を受けた寺院に関する報告がありました。「交通」の生徒からは,自動車の急激な普及によって渋滞が常態化していることや大気汚染が懸念されていること,経済発展が著しい一方で,格差が広がっているタイの現状の報告がありました。また,日本でも大きなニュースとして報道されたプミポン国王の死去についてもタイ国内の状況を目の当たりにした生徒からは,タイの人々にとっての国王の存在の大きさを感じた報告がありました。そして,実際に接したからこそ分かるタイ人のおおらかさについての報告もあり「想像と大きく違うタイを学ぶことができた」や「文化が違えば価値観が変わる」といった言葉も報告の中でみられました。
 研修に参加した10名は,今後もそれぞれのテーマに関する追加の調査・研究を進めていきます。また,3月8日の「SGH成果発表会」では改めて研修の報告を行います。

<平成27年度>事前学習1 2015.12.01

 セミナー室に集まりタイ研修に向けた事前学習と12月8日提出のレポート課題の提示を行いました。
レポート課題は
1.①ホーコス株式会社についてまとめること。体験グローカルでのホーコス・唐木俊夫専務取締役の講演や下前先生の講演から学んだことをもとにしたり,さらに自分でインターネット等を利用して調査を行ったりしてまとめる。
  ②ホーコス・タイランドで,どのような質問や調査を行いたいかを書きなさい。
2.①タイという国について調べること。(文化や習慣,教育,交通,宗教,国民性など,様々な観点から)
  ②タイで実地調査を通して調べてみたいことを書きなさい。
というものでした。

<平成27年度>事前学習2 2015.12.08

 前回のレポート提出に追加して次のような新たなレポートを課しました。
1.①バンコク市内にある「国際交流基金(The Japan Foundation,Bangkok)」も訪問するように現在調整を進めています。どのようなことを行っている機関であるのかを調べなさい。
  ②国際交流基金(The Japan Foundation,Bangkok)で行いたい質問や調査があれば書きなさい。」
2.①同じく,バンコク市内の「ジェトロ(Jetro:日本貿易振興機構)バンコク事務所」も訪問するように調整しています。どのようなことを行っている機関であるのかを調べなさい。
  ②ジェトロ・バンコク事務所で行いたい質問や調査があれば書きなさい。

<平成27年度>事前学習3 2015.12.15

 セミナー室に集まり事前学習会3を開きました。12月8日に提出されたレポートに朱をいれたものを相互に読むことでタイについて共通の知識を持ち見識を深めるとともに, 事前に調べるべきこと,現地で実地に調べるべきことを整理して「追加調査の内容」としてレポートにまとめることを次回への課題としました。

<平成27年度>4年タイ研修 第1日 2016.01.04

 広島空港2階国際線平山郁夫絵画前に集合。広島空港を離陸し,台北を経て,タイ・バンコクには17時に着陸。18時30分ホテルに無事到着。

<平成27年度>4年タイ研修 第2日 2016.01.05

 「タイの生活を学ぶ」をテーマに,椰子の実工場を訪れ,椰子の実からココナッツオイルや砂糖を作る過程を学習しました。また,縦横無尽に張り巡らされている運河をボートで見学し,水上マーケットについて研修しました。
また,備後の名産府中家具とのつながりも視点に入れ,ハンディクラフトショップ(家具工場)を見学し,木を手彫りで彫っている様子や彫られた装飾が施された家具などを実地調査しました。
 午後からは,B&Sプログラム。タイの大学生サンくん,プロイさんが合流し,大学生1人につき5名ずつに分かれ,まずはバス内でアイスブレイク。準備していた自己紹介や,質問をさっそく披露しました。
その後は,暁の寺と涅槃寺をタイの大学生の案内で見学しました。年代の近い大学生のお二人に,お互いに十分でない?英語を駆使しながら,身振り手振りも交えて,コミュニケーションを取ることができました。

<平成27年度>4年タイ研修 第3日 2016.01.06

 午前中は,タイ研修で一番楽しみにしていた実地調査地である,ホーコスタイランドへの訪問です。ホーコスからは門田憲尚様,後藤壮一郎様,宮田隆徳様,タイ人スタッフ2名が出席くださいました。
会議室にて,門田様,後藤様からホーコス・タイランドの沿革・タイへの進出の理由や経過・スタッフ・タイにおける活動内容などについて説明を受けました。その後2グループに分かれ,それぞれ門田様,後藤様から工場の見学と諸設備の説明を受けて回りました。
会議室に戻っての質疑応答では,この日のために準備してきた生徒からの様々な質問に対して丁寧に答えてくださり,あっという間に時間が過ぎていきました。
後藤さんはタイ語を独学で勉強され,現地での工場用地探しから,さまざまな手続きまで,一般の会社であれば,仲介業者や他の人を頼りにするところを,自らの手で開拓されたとのお話には,たいへん感銘を受けました。

 午後からの実地調査は,国際交流基金バンコク日本文化センターと,JETROバンコクの訪問です。
 国際交流基金バンコク日本文化センターでは,日本語部部長・玄田悠大様の司会のもと,まずは国際交流基金所長・福田和弘様から国際交流基金のバンコクでの活動についての概要の説明がありました。
次にタイ国内で日本語教育を実践・サポートしていらっしゃる日本語教師・松浦様(他3名)の方々からタイ及び近隣諸国での日本語教育の実態の紹介がありました。さらにはここに併設されている図書館の見学と図書館スタッフからの説明が行われました。
 午後の2つ目の実地調査は,JETROバンコクを訪問しました。
会議室にて,JETRO代表・岡部研一郎様から「タイの概況とアセアン経済」について説明を受けました。80ページを優に超える資料を用いて,
○ タイの一般情報
○ タイの経済情勢
○ タイの政治情勢
○ タイへの投資状況・環境
○ アセアン経済概況
○ アセアン経済共同体
 を分かりやすく解説・説明していただきました。その後の質疑応答でも生徒の質問に丁寧にわかりやすく応答していただきました。
 この日の実地調査で,ホーコスがタイランドに進出したこと,そしてそれが経済的にあるいは社会とのつながりの中でどのような意味があり,現在の状況がどのようになっているか,おぼろげながらも理解ができてきたようです。

<平成27年度>4年タイ研修 第4日 2016.01.07

 4日間お世話になった現地ガイドのキッティさんにお礼を述べて,バンコクを離れました。台北を経て広島空港に到着し,解散式を行いました。