Noriaki Shimizu, Hitoshi Nakamura, Takumi Kadota, Kenji Kitajima, Tsukasa Oda, Tetsuo Hirano, and Hiroyasu Utiyama. (1994)
"Loss of amplified c-myc genes in the spontaneously differentiated HL-60 cells."
Cancer Research (IF = 8.649) 54 3561-3567. PubMed
(概要)ヒト前骨髄性白血病細胞株HL-60は、がん遺伝子c-mycが約16倍に遺伝子増幅し、そのことが主な原因となってがん化したと考えられている。我々は、HL-60細胞集団の中に増殖を停止し、分化抗原を発現した細胞、すなわち自然に分化した細胞が存在することに着目し、そのような細胞のみを集めて検討したところ、c-myc遺伝子のコピー数が大きく減少していることを見いだした。このことは、遺伝子増幅が原因となったがんでは、増幅した遺伝子が何らかの原因で細胞からなくなれば、正常化することを意味している。