Noriaki Shimizu, Toshihiko Hashizume, Kenta Shingaki and June-ko Kawamoto (2003)
"Amplification of plasmids containing a mammalian replication initiation region is mediated by controllable conflict between replication and transcription."

Cancer Research (IF = 8.649), vol.63, no.17, p5281-5290.  
(概要)2001年のCancer Research誌で公表した研究の続き。哺乳動物複製開始領域(IR)と核マトリックス結合領域(MAR)を持つプラスミドは、がん細胞内で極めて効率よく増幅し、DMやHSR を形成する。この際、IRとMAR を持つプラスミドと同時に形質転換すれば、どのようなDNAとでも共増幅構造を形成させることができる。また、IRとMAR を持つプラスミドは多量体化を繰り返し、プラスミドの直列反復からなる大環状DNAを形成し、それが既存のDMに効率よく組み込まれる。多量体化が高度に進行すれば、それ自体がDMとして検出されるようになる。このようなDMは、染色体の腕に組み込まれると、その位置でBreakage-Fusion-Bridge (BFB) cycle を誘導し、HSRを形成する。BFB cycleが効率よくプラスミド反復配列の位置で開始する際には、プラスミド配列上で複製と転写の正面衝突が原因となっている。この衝突点にMARが配置していると、さらに効率的にBFB cycleが誘導され、HSRが効率に出現する。