Noriaki Shimizu and Kenta Shingaki (2004)
"Macroscopic folding and replication of the homogeneously staining region in late S phase leads to the appearance of replication bands in mitotic chromosomes."
Journal of Cell Science (IF=7.250), Vol. 117, no. 22, p5303-5312.　
（概要）2001年のECRの内容を、2001年と2003年のCancer Res. での実験系を用いて発展させた内容。一般的に染色体の複製バンドは、G/R-バンドに付随している。本論文では、プラスミドの均一な反復配列からなるHSRは、その中に複製バンド構造が生じることを見いだした。CldUとIdUのダブルパルスーチェース実験を行い、分裂期染色体と間期核の共焦点解析の結果、HSRはＳ期の最終期に約２時間かけて複製されること、複製の際HSRは円盤状の構造を作り、その外側から内側に向けて複製されること、等を見いだした。これらの結果を総合し、全長100メガ塩基対近くの長大で均質なHSRは、核内で巨大なCoiled-coil構造をとり、それが外側から内側に向けて複製される、というCoiled-coil modelにいたった。核内でのクロマチン折り畳みと複製に関するモデルは、それまで１メガ塩基対レベルのものしかなかったが、本論文では初めてこのような巨大な核内構造に関しるものを提唱した。